タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第45話「怒濤の水曜日」

今期は水曜・木曜とドラマが同じ時間に重なる日があって、
これに野球中継の延長が加わったりすると、
もうビデオが3台ないと録画できない状態。

もう少し曜日や時間帯をずらしてくれると
いいんだけどなあ。

…あ、普通の人は
全部見たりしないからいいのか。

でも今期の水曜日なんかは
全部見ても損はしないと思うんだけどな。


『整形美人。』 第2回

演出:藤田明二
脚本:吉田智子

ストーリーは悪くないんだよな。
いいセリフも時々出てくる。
でもなぜか全体としてしっくりこない部分があるのは
やっぱり米倉のせいなのか?(笑)

ハッキリ言ってしまうと、
大声でしゃべった時の米倉の声って下品なんだよね。
今回は“やまとなでしこ”が
アイテムとして出てきたけど、
松嶋菜々子にはこの下品さはない。
まあ、多少ブリッ子なところはあるけど。
(ブリッ子は死語か…)

このドラマが良い方向へ転がるのも
悪い方向へ転がるのも
結局のところ、米倉次第なのかな。

今回は虻川美穂子もずいぶんとセリフが多かった。
そう、ここは虻川と心中するつもりで
もっと出番を増やした方がいい。
整形前の保奈美(米倉涼子)役としても。

いいんじゃないか?
終わってみたら虻川が主演のようだった
と言われても。
それで作品としての水準が上がるなら。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『春ランマン』 sharing 2

演出:中島悟(AVEC)
脚本:樫田正剛

今回は第1話に比べるとかなり見やすかった。
おそらく第1話の失敗は
あかね(ともさかりえ)のマンションに
主要6人を早く集めたくて、
それぞれのキャラクターやお互いの関係性を
描き切れていなかったからだ。

今回もなぜあかねが他の5人と
あんなに仲良くしゃべっているのか、
その過程は描かれないまま。

ただ、そういうシチュエーションコメディー
だと割り切れば、
それなりに楽しむことはできた。

細かいところは気にしないで
見た方がいいかもしれない。

それにしても
ほんのちょっとの出番なのに
山咲トオルはいい味出してるなあ。
ドラマの仕事、増えるかもよ。

             採点  5.5(10点満点平均6)


『ウエディングプランナー』 2

演出:武内英樹
脚本:福田靖
脚本協力:高橋美幸、川嶋澄乃

分かり切ってる展開で何の意外性もないんだけど、
この手の笑いとテンポが好きな人にはたまらないはず。
もうこれは好みだろうな。
ちなみに個人的にはかなり好きなタイプの作品だ。

それよりも今回の内容とゲスト遠山景織子、
ホントにいいのか?ってくらいタイムリーだったな。

遠山景織子は元・光GENJIの山本淳一と結婚して
しばらく芸能界から遠ざかっていたけど(その間に子供を出産)、
実は入籍をしないまま破局を迎えたことが
つい最近、発表されたばかりだった。

このドラマの相手役、川端竜太は
結婚届を捨てずに取っておいてくれたけど、
私生活では…
そりゃ涙も出るわな>遠山景織子

どうせならそういうワイドショーちっくな
ゲストで固めるってのも手だな。
まあ、ホントにやって欲しくはないけど(笑)

あ、そういえば、
木村佳乃は全然クールじゃなかった(笑)
でもあのキャラはアリだろうな。
…これも好き嫌いか。

ここまでが面白かった人は
もう最後まできっと楽しめるはず。
ダメだった人はたぶんもう最後までダメなので
きっぱり諦めましょう。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『First Love』  第1話

プロデュース:植田博樹
演出:生野慈朗
脚本:大石静
主題歌:「SAKURAドロップス」宇多田ヒカル
制作:TBS、TBSエンターテイメント
出演:渡部篤郎、深田恭子、和久井映見、池内博之、久我陽子、一戸奈未、
   小野武彦、大森暁美、内田朝陽、内藤陽子、天野浩成、近藤芳正、
   三田篤子、佐藤二朗、上原美佐、眞野裕子、芹沢名人、西山繭子、他

完成度の高い第1話だったなあ。
とくに構成と演出が見事で、
現在の状況を示しながら
5年前の出来事も丁寧に描いていた。

この第1話で説明しておかなければいけないこと、
ネタを振っておかなければいけないことは、
かなり多かった。

どういう風に
直(渡部篤郎)と夏澄(深田恭子)は出会ったか。
直はどんな先生だったのか。
直と夏澄はどの程度の関係だったのか。
なぜ別れたのか。
夏澄と朋子(和久井映見)は
どんな家庭に育ったのか。
どうして朋子と直は出会ったのか。
朋子はどんな悩みを抱えているのか…。

これらを延長なしの1時間で
丁寧に、しかもドラマチックに描いたことは
かなりの賞賛に値する。

そして、渡部篤郎と深田恭子の組み合わせは
もちろんいいんだけど、
和久井映見が最高。

どうやら朋子はあの家の実の子供ではないらしい。
つまり、夏澄とは血のつながっていない姉妹?
そのことを朋子自身は知っているのか?
カウンセリングを受けていた理由は
本当の自分を隠して“恋愛の神様”となっていることだけなのか?
ラストカットから想像すると
朋子は直と夏澄の関係も知っているのか?
知っていてわざと直と結婚をしようとしているのか?

連ドラの初回としては
十分に視聴者を引きつける要素をちりばめた
完璧に近い内容だろう。

強いてマイナスポイントを探すと
深田恭子のカツラ?(笑)
まだ高校生役もイケるけど、
あのカツラは変だよな。

でもまあ、メイクもナチュラルにして
かなり頑張ってたんではないだろうか。

とにかく和久井映見の存在が
想像以上に大きいので
今後の展開がかなり楽しみだ。

             採点  8.0(10点満点平均6)


『ごくせん』

チーフプロデューサー:増田一穂
統括:井上健
プロデュース:加藤正俊
演出:佐藤東弥
脚本:江頭美智留
原作:森本梢子(集英社「YOU」連載)
音楽:大島ミチル
主題歌:「Feel your breeze」V6
制作:日本テレビ
出演:仲間由紀恵、松本潤、宇津井健、沢村一樹、金子賢、伊東美咲、
   生瀬勝久、中澤裕子、小栗旬、石垣佑磨、成宮寛貴、脇知弘、
   田山涼成、斉藤暁、なべおさみ、甲本雅裕、大隈いちろう、阿南健治、
   内山信二、村田宏、坂田聡、他

いきなり仲間由紀恵の
貧乳ネタが炸裂したかと思えば、
歓迎会の席では生瀬勝久と仲間由紀恵が
“新しく入られた山田先生”
“いえ、山口です”
という会話があったりして…。

局が違っても、
ここはやっぱり『トリック』ネタだな。
(仲間由紀恵の役名が山田奈緒子だったから)

まあ、そんな小ネタを抜きにしても
かなり面白かった。
キャラの強い先生が不良を立ち直らせるという
使い古されたストーリーではあるけどね。

これはもう「水戸黄門」みたいなもんだから、
想像通りの展開になるのは分かってる。
むしろそこが気持ちいいわけで。

仲間由紀恵の任侠“お嬢”ぶりは、
ハッキリ言って声が細すぎるんだけど、
そのズレ加減がいいんだろうと思う。
山田奈緒子もそのズレが面白かったわけだしね。

不良役の生徒は
松本潤(嵐、二代目金田一)
小栗旬(「SUMMER SNOW」で堂本剛の弟)
石垣佑磨(「R-17」や「夏休みのサンタさん」)
成宮寛貴(「木更津〜」でアニの弟)
脇知弘(「小津先生」の秋本)
など、かなり豪華。

中澤裕子も今度は足を引っ張らないような気がするし、
職員室、大江戸一家、ともにキャラは豊富に揃ってる。
まあ、これからも安心して楽しめるはずだ。

好き嫌いはあるにしても、水曜日は
「ウエディングプランナー」
「First Love」「ごくせん」と
かなり密度の高いラインナップが揃ったな。
これは忙しいぞ。

             採点  7.0(10点満点平均6)





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