タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第47話「一億の星の行方」

予想より遙かに下回った初回視聴率のせいで
「空から降る一億の星」の周辺が何やら騒がしい。

ただ、くれぐれもそういった
芸能ゴシップネタに惑わされないように。
自分の目で見て、
それで「つまらない」と感じるのならいいけど。


『ヨイショの男』  第2話 土下座する男

演出:金子文紀
脚本:両沢和幸

前回よりカドが取れた感じはするけど
逆にありきたりな展開になって
今後への期待感は薄れた。

結局のところ、このドラマは、
なぜ孝太郎(稲垣吾郎)があそこまでヨイショできるか、
という理由に説得力がないと深みは出てこないと思う。

今回、平気で土下座をできる説明の中で
父親が太鼓持ちだったから、
というくだりがあったけど、
これは年齢的に変なんじゃないかなあ。

落語にもよく登場する太鼓持ちは
芸人として昔はたくさんいたけど、
今はもう日本に数人しかいないらしい。

孝太郎の父親が職業としての太鼓持ちで
政治家などを楽しませていた、
というのがどうにも説得力がなくて、
シラけてしまった。

やっぱり典型的な
毒にも薬にもならないドラマということか。
もちろん、そういう作品があってもいいとは思うけど。

矢田亜希子のキャラは唯一、
見ていてホッとする。

             採点  5.0(10点満点平均6)


『空から降る一億の星』 2

脚本:北川悦吏子
演出:中江功

今回、明らかになったのは、
美羽(井川遥)と優子(深津絵里)は
かつて家庭教師と生徒の関係だったこと。

完三(明石家さんま)は昔、
本当に人を撃ったことがありそうなこと。

優子の火傷の跡は昔の事件が原因だということ。
そして、涼(木村拓哉)にも同じ火傷の跡があること。

依然として寒いセリフは多いし、
キムタクの役作りもどうなんだろう、って感じだけど、
サスペンスとしての体裁は取れてきたかな。

涼がチェスのコマを直したシーンと
その後に「一回見たら覚えてしまう能力」
というフレーズがあったけど、
これはやっぱりフェイクだと思う。

チェスのコマは適当に並べただけで
ビデオとブレスレットが元通りになったのは
まったく別の理由のはずだ。

だって、このドラマで
そんな特異な能力をオチに使うのは
どう考えてもルール違反だしね。
いくら何でもそれはしないと思う。

車のヘッドライトがカメラに向けて照らされる所から
朝のシーンへの移り変わるところとか、
涼が口をふいたナプキンだけで示す
行きずりの女とのキスの痕跡とか、
目を引く演出も多々あった。

ただ、あの容疑者のリアクションで
ビデオを元に戻したのは彼でない、
と完三が判断するシーンは説得力なかったなあ。

これは演出の問題だと思う。
もっと視聴者も明らかに違うと感じられる
リアクションを役者にさせないと。

年齢差や、関西弁と標準語の違いの説明がまだない、
というところからみても、
やっぱり完三と優子は本当の姉妹ではない、
と考えるのが妥当だろうね。

昔の事件で完三は犯人を射殺した。
その事件で火傷を負った犯人の娘を引き取って育てた。
それが優子。

で、優子には同じ時に火傷を負った兄(?)もいた。
それが涼。
涼は父への復讐と妹(?)を奪還するために
今は優子の友人である美羽に近づいている。

…というのが大筋なんじゃないかなあ。
これに女子大生殺人事件がどう絡むのか。
柴咲コウがどう絡むのか。
そのあたりがポイントになるんだろうな。

前回よりは引き締まったけど、
もう少しテンポを上げてもいいかもね。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『天国への階段』 第三話

演出:鶴橋康夫
脚本:池端俊策

展開が早いのでグイグイ引き込まれる感じ。
ただ、宮本真希のエロいシーンがないと
何かもの足りないなあ(笑)

まあ、そのかわり今回は児玉(加藤雅也)の
白いブリーフ姿で女性視聴者にアピールと。
…アピールになってないよ!(笑)

競走馬のように
ただ復讐を目指して生きている圭一(佐藤浩市)。
でも、競走馬が遠くは見えているのに
近くは見えていないように、
いつしか自分が復讐の対象となってしまう。

このあたりの組み立て方がうまい、と思う反面、
もう少し圭一が江成(風間杜夫)を追いつめる
展開を堪能したかったという気もする。

まあ、今回の平間からのアプローチは
圭一と児玉との関係を描く要素のひとつでも
あるんだろうな。
それにしても児玉はカッコいい。
ブリーフ姿以外は(しつこい・笑)

あと、新山千春が過去の映像の中に登場した。
いったいどう絡んでくるのか。
一馬(中村俊介)からの復讐には
この新山千春も関係してくるんだろうな。

中村俊介と本上まなみの演技に不安を抱えながらも
ストーリーは依然として面白い。

             採点  7.0(10点満点平均6)





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