タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第48話「コインロッカー・ベイビー」

オンエア前の番宣をすべて見てるわけじゃないけど、
「Firse Love」の事前情報は
やっぱり深田恭子と渡部篤郎の共演が中心だった。
あとは宇多田ヒカルが主題歌を担当するとか。

ところが蓋を開けてみると
和久井映見なしではあり得ないような作品で…。

でもこれはむしろいい作戦だったかも。
初回の視聴率を取るために
ただ大量に情報を流せばいいってもんじゃないな。

そんな「Firse Love」を含めた8本。


『整形美人。』 第3回

演出:都築淳一
脚本:吉田智子

毎回、保奈美(米倉涼子)のキャラが
微妙に違って見えるのはオレだけか。

今回の保奈美は悪くなかった。
いや、悪くなかったっていうか、
そういうヤツもいるだろうな、という気はした。

ただ、第1回から感じているように、
整形前と整形後で
内面的にどんな変化があったのか、
あるいはなかったのかが分かりにくいので、
ドラマに入っていきづらい。

ていうか、今回のエピソードなんて
美人とかブスとか、
あんまり関係ないと思うんだけど。

仮にも全身整形をモチーフにして
本来の美しさや真実の愛を描くなら
他ではできないエピソードを用意しないと。

あと、良平(加藤晴彦)がいるんだから
同じように保奈美の過去を知っている
矢島(谷原章介)はそんなに引っ張らなくても
いいような気がするんだけどなあ。
すでにエリ(菊池麻衣子)でさえ
その存在意味をほとんど失っているのに。

希望は一咲(小西真奈美)か。
良平に抱きついた時の一咲はキレイだったな。
もちろん、本当は血のつながっていない
流翠を愛しているんだろうけど…。
応援するぞ。オレは小西真奈美を応援する(笑)

             採点  5.5(10点満点平均6)


『春ランマン』 sharing 3

演出:飯島真一
脚本:樫田正剛

宗太(押尾学)には依然として魅力を感じないけど、
今回は中川(宮迫博之)が良かった。
その他の倫子(辺見えみり)、丈二(北村一輝)、
たまき(池田真紀)のキャラも少しずつ分かってきたし。

ただ、男女のシェアリングとか
あかね(ともさかりえ)が理想の部屋に住みたいとか、
もうどうでもいい感じね(笑)

いつ誰が部屋に来ようと
全然、平気なんだもん、あかねは(笑)

まあ、そういうドラマということで。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『ウエディングプランナー』 3

演出:羽住英一郎
脚本:福田靖
脚本協力:川嶋澄乃、高橋美幸、

やっぱり神木隆之介がしゃべり出すと
異様な魅力をかもし出すなあ(笑)

ま、この寺島(飯島直子)親子の話に限らず
レギュラーメンバーのエピソードに
今回ぐらいウエイトを置いた方が面白いね。
せっかく脇役まで豪華なんだし。

ストーリーをあれこれ言う作品じゃない。
話の流れは直球ド真ん中なんだから。
あとは好みの問題。
ちなみにオレは絶対支持派だ(笑)

で、どうでもいいことだけど
今回のゲスト、ダイエット花嫁は
あがりた亜紀(今の芸名は揚田あき)だったよ。
シブ〜い、キャスティング!

             採点  7.5(10点満点平均6)


『First Love』  第2話

演出:生野慈朗
脚本:大石静

朋子(和久井映見)は
コインロッカー・ベイビーだった!

しかもそのことを朋子自身も知っているから
かなりシビアな精神状況だよな。
そうなると今度は逆に
妹の夏澄(深田恭子)が姉の出生の秘密を
知っているのかどうか。
複雑な心理戦だなあ。

直(渡部篤郎)が使った夏澄のハンカチを切り刻んだり、
携帯電話の番号をわざと直と夏澄に知らせて
2人の反応を確かめたり、
明らかに朋子は2人の過去を知っている様子。

親にコインロッカーへ捨てられた朋子は
絶対的な愛を信じてないのか?
だからかつて自分の妹を愛した男に近づいて
それでも自分を愛してくれるか試しているのか?
そんなとてつもなく高いハードルを越えて
直と夏澄はまた愛し合えるのか?

まだ謎が多いけど、
かなり興味深いストーリーではあるな。

ただ、結末を想像するとね…。
すべてがハッピーエンドって
ちょっと難しいような気がするし。

まあ、中途半端にまるく納めるより、
とことん心理戦をやって欲しい。

おそらく、5年前に直が夏澄の前から去ったのは
他の誰か(キスを目撃した生徒)を傷つけてしまったから。
直! あの時の失敗を繰り返すな!
誰かを傷つけても手に入れるのが
First Love だ!

…なんちって(笑)

いや、作品の解釈としては
意外と鋭いところ突いてるかも、オレ(笑)

             採点  7.5(10点満点平均6)


『ごくせん』 第二話

演出:大谷太郎
脚本:江頭美智留

始まって45分ぐらい経つと
久美子(仲間由紀恵)がキレて
“アタシがこいつらの担任の先生だ!”
と、啖呵を切る。
紛れもない水戸黄門パターン。

大江戸一家と学校との対比も
分かりやすく描いていて
ある意味、セオリーをきちんと守った
安心して見ていられるコメディーだ。

ただ、ステレオタイプに描かれた教頭が
ちょっと残念だな。
せっかく生瀬勝久を使ってるんだから
もう少し個性的な教頭にして欲しかった。

このドラマ、あとはもう
どれだけ視聴者を飽きさせないで
引っ張っていけるか、という点だけ。

キャラとしては金子賢に期待だな。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『眠れぬ夜を抱いて』 第3回:真夏のサンタクロース

演出:村上正典
脚本:野沢尚

今回の最大の謎は
熱田(大杉漣)の携帯着メロが
なぜ「おお、牧場は緑」なのか、ということ(笑)
絶対、解明して欲しいなあ、最終回までに。

そして悠子(財前直見)、
今回はママから妻に変身するヒマなし。
そのかわりスチュワーデス刑事に…(笑)

でもその活躍で、ついにオーストラリアで殺された女性、
伊藤裕子までたどり着いた。
まあ、熱田はもうだいぶ嗅ぎつけてるだろうけどね。
事情聴取で中河(仲村トオル)に言った
“若い頃のあなたに会ってみたいですね”
なんて、かなり意味深だっただし。

あとは美琳(りょう)だよなあ。
なぜ熱田の妻(正確には内縁の妻らしい)に
きちんとした役者をつけているのか。
当然、話に絡んでくるんだろうな。

初回で感じた元澄リゾートホームの寂しさは
やはり意図してのものだった。
だとしたら、あの説得力のない
中河の演説もやはり…。

大平奈津美だけは犯人でないことを祈る(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)


『しあわせのシッポ』 第3話

演出:藤尾隆
脚本:水橋文美江

まず今回は、笙子(原沙知絵)と雛子(新山千春)の
手話での会話がさっそくあった。
やっぱりまだぎこちないけど、
クチげんかのシーンにしたところは良かった。
これからも時々こういうシーンは挟んで欲しい。

全体のペースは相変わらずまったりとしているけど
今回、初めて美桜(水野美紀)が
八朗(長塚京三)を拒否したり、
ケンカをするシーンもあった。

普通、20年も経って父親が急に現れたら
娘が怒ったりしても当然。
それをここまで時間をかけたところに
このドラマの面白さがある。

なぜ美桜は父親を恨まなかったのか、
なぜ戸惑いながらも一緒に暮らすことを決めたのか、
そのあたりを密かに思いを寄せる
陸(坂口憲二)と絡めて描いていたところは良かった。

そして、娘に拒否されても、
それでも20年間の溝を埋めようとする父親。

やっぱり残された時間はわずかということか。
“あの子の20年間を教えてください”と、
陸に頭を下げる八朗の姿はせつなかった。

あとは宮崎あおいをどう絡ませて来るかだなあ。
普通以上の家庭に育った、という説明があったけど
複雑なんだろうな、きっと。

少なくとも父娘関係に焦点が合ってきたので
次回からかなり見やすくなるような気がする。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『ビッグマネー!
 〜浮き世の沙汰は株しだい〜』 STOCK3

演出:木村達昭
脚本:林宏司

分かった!
「空から降る一億の星」でビデオを元に戻したのは
記憶力のいい長瀬智也の仕業だな。
キムタクめ。ジャニーズの後輩を使うとは(笑)

まあ、そんなことはどうでもいいんだけど、
今回は株の上がった下がったではなく
株主の心得的な話になって内容的には悪くなかった。

ただ、やっぱり話を分かりやすくするために
前半、白戸(長瀬智也)にバカなこと言わせたりするあたりは、
どうしても作品的に軽い印象が残ってしまう。

あと、原田泰造と長谷川京子も。
依然として小塚(植木等)の相手としては
もの足りない雰囲気だ。

岡本綾は作品のマスコットキャラ的になってきて
これはこれでいい感じ。
一応、設定では書店の店員ということになってるから
もう少しちゃんと働けよ、とだけ言っておこう(笑)

でも今回のトピックは辰美(小日向文世)の一喝か。
ああいうタイプが一番恐いんだよな。
それを見事に演じていた小日向文世はやっぱりうまかった。

で、最後に出てきた若き日の小塚の写真。
“およびでない、こりゃまた失礼しました〜”って顔してたな。
そりゃ伝説の無責任男だろ(笑)

             採点  6.5(10点満点平均6)





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