タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第58話「キムタクは韓国へ」
W杯の開幕戦のゲストとして
木村拓哉がNHKに出演していたけど、
フジの編成局長・亀山千広が、
(「ロンバケ」や「踊る大捜査線」をプロデュースしてた人)
日本は1次リーグで敗退した方がいいのに、と発言した。グループ2位で通過すると、
トーナメント1回戦は17日の月曜夜8時半から。
これはNHKで放送されるので
「空から降る一億の星」の視聴率が激減するおそれがあるからだ。もし日本が決勝トーナメントに進んだら
予定を変更してそれまでのあらすじを
流すことも検討中だとか。まあ、ビデオ録画でも問題ないドラマと
生で見ないとつまらないサッカーの特性を考えると
亀山氏の気持ちも分かるけどね。…で、ウチも
ドラマのビデオがどんどん溜まっていきます(笑)
『ゴールデンボウル』 6frame
演出:佐久間紀佳
脚本:野島伸司瞳(黒木瞳)の感情がおさまったわけじゃないけど、
旦那(篠田三郎)の愛人問題は
今回でとりあえず終息した感じ。
全体としてはわずかな出演だったにも関わらず、
愛人(梅宮万紗子)の性格や考え方は
うまく表現されていたと思う。そんな中で旦那は
“妻がいないと生きていけない。
それが分かった。
妻から離婚話を突きつけられて”
と芥川(金城武)に告白する。しかし、芥川も
“彼女の魅力はそばにいる時は気づかないのかも。
それがすごく自然で。
消えてしまうと寂しくて、きっと耐えられない”
と、死んだ恋人と瞳を重ね合わせていく展開だ。このあたりの構成は
一見、ただのメロドラマっぽい作りだけど、
かなり綿密に組み立てられている。
野島伸司が他の脚本家よりも優れているのは、
実はこういうところだと思うんだけどね。前半、パターン化させて笑いを取っていた
試合の申し込みシーンなどは、
微妙に変化させて
しつこくない作りにしてあるところもいい。そのかわり今回などは
芥川が瞳の旦那から会社の部下だと紹介されて
強引に瞳の家に泊まらされるシーンなどで
コメディー色を確保していた。お気楽に見られる作品でもあるんだけど
かなり質が高い。採点 7.5(10点満点平均6)
『ヨイショの男』 第7話 さらば徳川部長
演出:塚本連平
脚本:両沢和幸ジャニーズのいつものパターンで
主題歌も歌っている近藤真彦がゲスト出演。
タバコをくわえながら“マッチある?”という、
これまたお約束のセリフまであった。でもまあ、このマッチを絡めた
尚美(矢田亜希子)のお見合いに関する話は
それなりに面白かった。
やっぱり矢田亜希子が関わる部分はいつもいい。ただ、全体の話としては
徳川(小林稔侍)が会社を去る
エピソードの方がメインだったので、
こちらに見るべきものがあったかというと
そんなことはない。もちろん、ここで辞めた徳川が
またあとで話に絡んで来るんだろうけど、
もう少し何とかならなかったのかなあ。
何話か前からその兆候を見せておくとかして。ま、前回よりは面白かったので良しとしよう。
全然関係ないけど、
大きなテーブルがある会議室に
第一営業部全員が入っているのに、
それでも片側だけに座るシーンが、
ドラマのお約束とはいえ不自然で笑える。採点 5.5(10点満点平均6)
『空から降る一億の星』 7
演出:中江功
脚本:北川悦吏子ああ、そうなの?
涼(木村拓哉)は昔のことを覚えてないの?
本当に自分の父親は
交通事故で死んだと思ってたの?
美羽(井川遥)の家で銃を撃った時に
初めて父親が撃たれるシーンを思い出したの?ふーん。
だったら涼と優子(深津絵里)が
兄妹でキスするのもアリか。
今の時点では他人だと思ってるんだから。でも、そうなると
涼が優子のそばに現れたのは偶然なんだ。
涼が完三(明石家さんま)に
“人を撃ったことある?”とか聞いたのも偶然なんだ。
優子のお見合いの席で
涼が優子の火傷の跡をとっさに隠したのは、
最初から知っていたのではなく、
あの時、厨房の奥から火傷の跡を見たからなんだ。……根本的に構成が間違ってないか?
まあ、今さらゴチャゴチャ言ってもしょうがないので
どういう結果になろうと最後まで見てみよう。今回に限って言えば、
ナレーションをかぶせながら
美羽が街をさまよい
ビルから飛び降りるシーンは良かった。別に井川遥に癒されたことはないけど、
世間で言われているほど
井川遥の演技は悪くなかった。これからもいろんな役に挑戦して欲しい。
採点 6.0(10点満点平均6)
『天国への階段』 第八話
演出:白川士
脚本:加藤正人まず、冒頭の亜希子(古手川祐子)を挟む
圭一(佐藤浩市)と江成(風間杜夫)の対決は
かなり見応えがあった。5話以降、細かいセリフに関しては
やっぱり池端俊作がいいな、と思ってたんだけど、
このシーンのセリフは実に良かった。原作を読んでないので
もしかしたらここは
原作通りのセリフなのかもしれないけどね。そして、過去の映像に度々登場していた新山千春は、
案の定、一馬(中村俊介)の母親だった。
つまり一馬はこの英子(新山千春)と圭一の子。最初は過去に追いかけられ過ぎ(笑)、と思ったけど、
ラストの手紙を読みながら圭一が号泣するシーンまで見ると
やっぱりよく練られてるな、という印象に変わった。佐藤浩市だけでなく、
このシーンは中村俊介も良かったしね。今回、未央(本上まなみ)は圭一に
“私だけを見て”と、かなりな告白をしたけど、
未央、圭一、亜希子の関係はどうなるのか。
ますます目が離せない。採点 7.5(10点満点平均6)
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