タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第59話「ボーリング場にはポールアンカ」


視聴率が好調の「ごくせん」が
放送回数を1回延長することを決めた。

どうやら最終回の話を前後半で描く模様。
ヘンに薄まった話にならなければいいけどな。


『整形美人。』 第8回

演出:都築淳一
脚本:吉田智子

やっと保奈美(米倉涼子)が
全身整形であることを
流翠(椎名桔平)に告白した。

初めて流翠が保奈美の家族と会ったこの回に
告白まで描いたのは良かったと思う。

いや、本当は良くないんだけどね(笑)
保奈美の両親が外で他人のフリをするあたりなんかは
かなり泣けるシーンなので
もっと丁寧に描いてもいいんだけど、
ここまで引っ張って
これ以上ぐだぐだと同じことを繰り返しても意味ないしね。

扱ってるテーマは悪くない。
でも全体的な作り方が良くない。
ひとことで言ってしまえばそういうこと。

             採点  5.5(10点満点平均6)


『春ランマン』 sharing 8

演出:中嶋悟
脚本:樫田正剛

今回は比較的良かった。
賃貸なのに壁にペンキを塗るという
掟破りの行動はあったけど、
シェアリングというドラマのコンセプトと
あかね(ともさかりえ)の夢、
そしてあかねと宗太(押尾学)の関係が
かみ合っていたから。

6人で話すシーンも
宗太と丈二(北村一輝)、
両方とも納得できる意見を言っていて、
初めてそうそう、とうなずけた。

ともさかりえはずっといいんだよなあ。
丁寧に作ればもっと面白くなったかもしれないのに…。
そう思うと残念な気がしてきた。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『ウエディングプランナー』 8

演出:羽住英一郎
脚本:福田靖
脚本協力:高橋美幸、川嶋澄乃

さすがにあそこまでやると
大森家(ユースケの家族)のシーンはしつこい。

家族が画策したお見合いの話から
トオル(ユースケ)に好意を持つ女性(高木りな)が現れるのはいい。
加奈子(飯島直子)の元旦那(原田龍二)が登場するのも
流れとしては当然。

だからこそ、大森家のシーンを少しカットして
このレギュラーに絡めた部分の話を
もう少し進めて欲しかったんだよな。

もちろん、前回から持ち越していた麻生(矢島健一)と
彼の幼なじみ・美江子(岡田奈々)の結婚エピソードも
良かったんだけど。

前半の笑いの取り方は最高。
だからなおさら完璧なものを
求めてしまう気持ちを分かって欲しい。

…でも、このドラマもこのところ
視聴率はひと桁なんだよね。
もったいない。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『First Love』  第7話

演出:今井夏木
脚本:大石静

恐いよー。
お姉ちゃん、笑ってるよー。

直(渡部篤郎)に部屋のカギを返したのに
まだ合い鍵を持ってるし、
夏澄(深田恭子)がどういうリアクションするか
全部読んでるし…。

朋子(和久井映見)の目的は何なの?
もしかして、夏澄が直と出会う前から
本気で直のことが好きだったの?
だから夏澄と直の出会いからつき合いまで
全部知ってたの?

朋子の直に対する想いも純愛なの?
絶対的な愛を信じていないから
その表現が歪んでいるだけなの?

分からない!
分からないことだらけになった!

でも、最後の最後に
朋子は本当の涙を流しそうな気がする。
で、その時、オレも一緒に泣きそうな気がする(T_T)

だから和久井映見のオシリが
大きくても気にならないよ!(笑)

             採点  7.5(10点満点平均6)


『ごくせん』 第七話

演出:佐藤東弥
脚本:横田理恵

今回は3話、5話と同じ
佐藤・横田コンビの演出・脚本だったけど、
5話のようなテイストでいい仕上がりだった。

前半、笑いを取りにきた部分が
すべて効果的にキマっていたので
全体として締まった感じ。

突然、沢田(松本潤)が
ひとり暮らしをしていることが明かされたり、
父親が代議士であることを誰も知らなかったりと、
ツッコもうと思えばツッコむところはいっぱいあるけど、
このドラマに関してはそういうことがあまり気にならない。

いつものように事件が起きて、
不良クラスが友情でひとつになって、
42分頃にヤンクミ(仲間由紀恵)が変身して、
啖呵を切ってまるく収まる。
それでいい。

ああ、そういえば「春ランマン」に続いて
ここでもボーリングのシーンで
ポール・アンカの「YOU ARE MY DESTINY」が流れたね。
やっと自分の局の番組をパロッてくれた。
それでいい(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)


『眠れぬ夜を抱いて』 第8回:恐怖の報酬

演出:村上正典
脚本:野沢尚

やっぱり葛井(古田新太)は
すべて欧太(仲村トオル)の指示で動いていた。
でもこれは納得できる展開だからね。
いいんじゃないでしょうか。

ただ、今回は主に欧太側の回想が中心だったけど、
オーストラリアへ旅立つ前の
欧太と類子(伊藤裕子)の関係を
もっと詳しく描いてもらいたかった感じ。

ここまで復讐に執念を燃やすくらい
欧太は類子を愛していた、
という部分がちょっと分かりにくかった。

ドラマは今後、
欧太の支店長(中丸新将)への復讐に
移っていくわけだけど、
未だに明かされていないのが、
悠子(財前直見)の
警察にも夫にも隠している秘密だよな。

これが最後のどんでん返しになるのか。
注目だ。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『しあわせのシッポ』 第8話

演出:藤尾隆
脚本:水橋文美江
脚本協力:旺季志ずか

やっと話が進展した、と思ったら、
かなり急激な進み方だった。

まず、喜好(佐野史郎)が圭吾(田中実)に頼んで
八朗(長塚京三)の病気を調べたことにより、
八朗に残された時間が少ないことを知ってしまう。

そして、圭吾が口を滑らせたことで
美桜(水野美紀)が陸(坂口憲二)に想いを寄せていることを
雛子(新山千春)が知ってしまう。

八朗の病気の件はまだ喜好にしか知られてないけど、
美桜の気持ちは雛子だけでなく、
陸にも、そしておそらく笙子(原沙知絵)にも
知られてしまった。

今後は陸がどう出るかだ。
まあ、ドラマとして美桜とくっつく方が自然なんだろうけど、
個人的には笙子に向かっていって欲しいね(笑)

それにしても、
今回のようなキャラを演じてる時の
新山千春は実に自然にいい。
「アナザヘブン」とか「リミット」とか
ちょっとキレた演技をする時もいいし…。
意外と貴重な女優になったよなあ。

あと今回は、
萌(宮崎あおい)が美桜の家に来て
タマネギをむくシーンが良かった。
たぶん、今後の美桜と八朗の関係を見て
自分の生き方とかを考えるんだろうな。
ま、それくらいでもいいか、
ここまできたら彼女の役割は。

今後はドラマ全体としても
かなり見やすくなるはず。
…う〜ん、それでいいのかどうかは分からないけど。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『ビッグマネー!
 〜浮き世の沙汰は株しだい〜』 STOCK8

演出:木村達昭
脚本:林宏司

面白くなってきたぞ。
テルコ(八千草薫)への想いがある
小塚(植木等)だけでなく、
白戸(長瀬智也)も本気で
まつば銀行を倒そうという気になる
モチベーションの高まりをうまく描いていた。

岡本綾は絡んでこなかったけど、
白戸と保坂(長谷川京子)のさぐり合いも
今後の布石になっていそうだし。

それにしても岡本綾はかわいそうだな。
マッキー(松重豊)まで仕事にいっちゃって…。

でも岡本綾の存在は作品のバランスを
うまく保っている。
この調子で最後までいって欲しい。

あと、今まで書いてなかったけど、
SAYAKAが歌う主題歌っていい曲なんだよな。
こういう曲って今はもう流行らないんだろうか?
松田聖子には何の思い入れもないけど、
SAYAKAにはこの手のPOPSをこれからも歌ってもらいたい。

             採点  7.5(10点満点平均6)


『夢のカリフォルニア』 7

演出:平野俊一
脚本:岡田惠和

今回はリアリティを感じなかったなあ。
状況に、ではなくて、描き方にね。

終(堂本剛)と琴美(柴咲コウ)が抱き合っているのを見て
イラついてしまった恵子(国仲涼子)の気持ちも分かる。
春樹(海東健)の世話をしながら
充実感を感じている琴美の気持ちも分かる。
琴美を追い出してしまった春樹(海東健)の気持ちも分かる。
元の旦那(岡田浩暉)にあんなふうに言われて
自己嫌悪に陥ってしまう恵子の気持ちも分かる。

ただ、その全体の描き方が
今までとは違ってリアリティがなかったんだよなあ。
何でだろう。
一度に描き過ぎたからだろうか。

でも、とりあえず逃げてみる、
という提示は悪くないと思う。

こういう問題で悩む人間は
だいたいマジメ過ぎるものだからね。

頑張れって言葉は
時には残酷なものだから、
逃げてみるという方法を提示されるだけで
肩の力が抜ける人はいると思う。

ちなみ「夢のカリフォルニア」は、
暖かな理想郷を夢見るけど
その場所に行くことができない
っていう歌。

青春は残酷だ(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)


『九龍で会いましょう』 eighth love

演出:六車俊治
脚本:野依美幸

薫(石田ゆり子)が赤沢(井原剛志)に
“あなたのこと、見損なったわ!
 もう信用できない”

…それはオレが言いたい。登場人物、全員に。

             採点  3.5(10点満点平均6)





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