タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第68話「誰の上にも星は降らない」

結局、芳ちゃん上にも星は降らなかった>あいのり
人生ってそんなもの、か。


『空から降る一億の星』 11

演出:中江功
脚本:北川悦吏子

結局、ストーリーとしての
どんでん返しは何もなかった。

月9で悲劇をやるのは別にかまわない。
いや、ここまで破滅的な悲劇を描いたことに対しては
むしろ拍手を送りたい。
ただ、こういう結末にするなら
前半の描き方は明らかに失敗だったと思う。

涼(木村拓哉)は
完三(明石家さんま)に宛てた最後の手紙で
“優子に会って変わった。
 初めて人を好きになった”
と書いている。

ところが、キャストを豪華にして
結果的にはゲームの駒でしかなかった
美羽(井川遥)や由紀(柴咲コウ)にも
ウエイトを置いて描いてしまったので、
そのことが見てる側には分かりづらかった。

しかも、涼と優子(深津絵里)が兄妹であることも、
兄妹なのに男女の関係になってしまったことも、
視聴者は前から分かっている。
したがって最終回のストーリーに
カタルシスは得られない。
そこが一番の問題だったんだと思う。

これなら面白かった2〜4話を活かして
素直に涼の復讐劇にした方が良かったかもしれない。

でも、最終回だけを評価するなら
そんなに悪くなかったんだよなあ。

涼が柏木小百合(とよた真帆)を殺すシーン、
優子が“私のお兄ちゃんは私が守る”
と言った時の涼の表情、
優子が涼を撃つシーン、
そして、愛し合った朝と同じ姿で息絶える
涼と優子…。
このあたりの演出は良かったと思う。

この最終回で視聴者を泣かせたいのなら
やっぱり前半の描き方をもっと工夫するべきだったな。

まあ、森下愛子が全然活かされなかった、
警察の描き方があまりにもひどかった、などなど、
全体的にお粗末な点を挙げたらキリがないんだけどね。

制作者側が究極のラブストーリーをやりたかったことは分かる。
ただ、そのためのフェイクとして使ったサスペンスタッチが、
最終的には足を引っ張ってしまった感じか。

いや、企画は悪くなかったんだな、たぶん。
作り方が悪かっただけ。

…じゃダメじゃん(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★☆☆☆☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★☆☆
                  主題歌 ★★☆☆☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★★☆☆

           平均採点  6.41(10点満点平均6)


『天国への階段』 最終話

演出:鶴橋康夫
脚本:加藤正人

30分の延長は「空から降る一億の星」ではなく
こちらに用意するべきだった。
それでも鶴橋演出はスゴイなあ、やっぱり。

圭一(佐藤浩市)の幻想と現実が入り交じった
一馬(中村俊介)の結婚式シーンから、
南の島でのラストカットまでの流れは、
難解ではあるけどかなり良かった。

圭一が最後まで警察に口を割らず、
ひとりで死を選んだ展開はベスト。
それを、最後の最後に一瞬画面を暗転させ、
海に“天国の階段”がかかるという
わずか5秒のカットで表現したところはスゴかった。

最終回が近づくにつれ、
中村俊介はどんどん良くなったけど、
ビルの屋上で圭一と一馬が話すシーンで頂点に達した感じ。

このドラマはどの出演者も良かったけど、
中村俊介はとくにターニングポイントとなる
作品になったんじゃないだろうか。

あと、車の中での
圭一と亜希子(古手川祐子)の最後の会話も良かった。
古手川祐子は比較的見せ場の少ないポジションだったけど、
この最後の慟哭は本当に若い頃の亜希子のようだったし、
人生の不条理を切実に感じさせるシーンだった。

“決着はついたが充足感はない。
 亜希子を買い戻しただけだ。
 そのために俺は…”
と振り返る圭一。

ほんの些細な行き違いが
人生を大きく変えてしまった悲劇。

それを情感たっぷりに
美しい映像で描いた秀作だった。

             採点  7.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★★★☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★☆☆☆
                  音楽  ★★★★☆
                  新鮮さ ★★★☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  7.25(10点満点平均6)


『整形美人。』 最終回

演出:藤田明二
脚本:吉田智子

うーん、これが限界かな。
あそこまで虻川を美しく撮れるなら
元に戻して欲しかった気もするけど…

今まで米倉涼子の姿なのに
心の姿として虻川美穂子の映像を重ねていたんだから、
最後は虻川美穂子の姿で
心は米倉涼子という撮り方もできたのでは?
それなら米倉涼子主役という条件は守れると思うし。

突然、葵(青田典子)がいい人になったり、
協会の人間も物わかり良くなったりする
安易な展開はあったけど、
時間をかけただけあって
流翠(椎名桔平)が保奈美(米倉涼子)を
受け入れるまでの心の葛藤は描けていたと思う。

だからこそ、最後の保奈美は
虻川でも大丈夫だったんじゃないかと思うんだよね。

まあ、本当の美しさとは何か、
自分を愛するとはどういうことか、
人を愛するとはどういうことか、
そういう基本的なテーマは
かなり頑張って描いていたから良しとしよう。

             採点  6.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★☆☆☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★★☆☆☆
                  主題歌 ★★★★☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★★☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  5.73(10点満点平均6)


『春ランマン』 Last sharing

演出:中嶋悟
脚本:樫田正剛

とくに新しい切り口もなく、フツーに終わった。
でも、それがこのドラマのいいところかも。
若い人がこういう分かりやすいドラマを見て
自分も頑張ろうって思えればそれでいいと思うし。

結局、このドラマは出だしのシチュエーションが
悪かったんだと思う。
あかね(ともさかりえ)がそれなりの夢を持って
シェアリングを実現したのに、
そこにズカズカと入ってくる非常識な同居人の友達。
結果的にいい人たちだったとしても
ここにはかなりムリがあった。

せめて、宗太(押尾学)が部屋を探し、
そこにあかねが来るという状況だったら
宗太の友達が入り込んでも許せたかもしれない。
ま、今となってはどうでもいいことだけど。

あとは押尾学のしゃべり方。
日常会話風の軽いセリフ回しをするには
基礎力がなさ過ぎた。
雰囲気はある役者なので
もうしばらくは自分のできる範囲で経験を積んで欲しい。

ともさかりえに関しては
好き嫌いはあるだろうけど、
個人的にダントツの存在感を出していたと思う。
ともさかりえがいなかったら
このドラマを見続けるのは難しかった。

それにしても、
山咲トオルと西尾まりが主要メンバーに入っていたら…、
と思うとちょっと残念かも。
この2人は最後まで良かった。

             採点  6.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★☆☆☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★☆☆☆☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★☆☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  5.67(10点満点平均6)




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