タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第69話「夏澄はウエディングプランナー」

単純に楽しめた「ウエディングプランナー」と
重たい内容だった「First Love」の最終回。

深田恭子が最後はウエディングプランナーになるという
思わぬリンクがあったりして…


『ウエディングプランナー』 最終回

演出:武内英樹
脚本:福田靖
脚本協力:川嶋澄乃、高橋美幸

やっぱりラス前に1回休みが入ったのは痛かった。
ストーリー的にトオル(ユースケ・サンタマリア)と
加奈子(飯島直子)が結婚することは分かり切っていたし、
美咲(木村佳乃)が妊娠した以上、
美咲と純(阿部寛)の結婚も動かしがたかった。

そこをどう魅力的に描くかがポイントだったんだけど、
ラス前の仕込みなしでは
無難にまとめるしかなかった感じ。

それにしても
純から美咲へのプロポーズとか、
突然帰ってくる柊平(妻夫木聡)とか、
何の工夫もないトオルと加奈子の結婚式とか、
力を抜きすぎだな。
…しょうがないか。

美咲が加奈子とくるみ(伊藤歩)に
妊娠を告げるシーンや
いつもの新白金メンタルクリニック、
大森家のシーンなんかは
最後まで面白かった。

まあ、最終回はちょっと残念だったけど
全体的には上質のラブコメディーだったな。
あとはあくまでも好みの問題だ。

             採点  6.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★☆☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  7.00(10点満点平均6)


『First Love』  第11話

演出:生野慈朗
脚本:大石静

異様に明るい雰囲気で始まった最終回。
でも、その江沢家の食卓に集まったすべての人が
どこかムリしている雰囲気は出ていたと思う。

そして、映画の試写会で
直(渡部篤郎)、夏澄(深田恭子)、
朋子(和久井映見)の3人が出会うシーンと、
その後のレストランでの夏澄と朋子の会話。

ここが妙にリアルだった。
何の誤解もなくスムーズに流れる会話に
かえって怖さも感じた。

次が居酒屋で行われた
二岡(天野浩成)と千春(内藤陽子)の結婚式。

初回からモチーフとして使われてきた百人一首が出てきて、
これは最後までアイテムとして使われることになる。

で、問題の直と朋子の結婚式。
結果的にここですべてが明かされるわけだけど、
朋子のセリフが長すぎて、
説明っぽくなりすぎた感は拭えないと思う。

映像的にも、
和久井映見自身の緊張が
途切れてしまっているようにさえ見えた。

朋子が直と夏澄の過去を知っていたのは
やはり手紙と日記を見ていたからだった。
…みたいな謎解きはもうどうでもよくて、
問題は朋子と両親(小野武彦、大森暁美)との関係を
どこまで深く掘り下げ、それを表現できたかだ。

個人的な感想を言えば
新しいエピソードは何も出てこなかったので
特別な驚きはなかった。

ただ、やっぱり親は
兄弟・姉妹を分け隔てなく愛した、
と言うしかないのだ、ということは改めて考えさせられた。

血のつながっている本当の兄弟・姉妹でも
年齢、性別、性格、考え方が違えば
親のそれぞれの子供に対する接し方は違ってくる。

そのことに対して、
あとから本当に同じだけ愛情を注いだのか、
と問われた時に、
迷ってしまう親は多いと思う。

いや、実際、
平等に愛を注ぐことは無理なのかもしれない。

それでも親は、
分け隔てなく愛したということに
自ら自信を持たなくてはいけない。

そして直が朋子に言ったように
子供はそれを信じていいのだと思う。

普通はそのことをごく自然に信じられるか、
逆に差別されたことを客観的に受け入れるかだ。

ところが、
人間が生まれて初めて受ける愛情(First Love)、
両親からの愛情を、
暴力的に遮断されたコインロッカーベイビーの朋子は、
どちらにもうまくたどり着けない。
その葛藤は全編に渡ってよく描かれていたと思う。

結局、朋子は初めて人を愛して(First Love)
自分の歪みに気づく。
そして直との結婚を諦める。

ここは分かりにくかった、というか、
少しムリがあったかもしれない。

直があの場でどちらとも結婚しない、
という選択をしたのはベスト。
いや、当然。どちらか選んだら鬼だ。

ストーリー的にはここで2年半が経過し、
夏澄の初恋(First Love)が成就するニュアンスで終わる。
百人一首を使った直と夏澄の想いと
ラストカットは美しかった。

ちなみに2人が百人一首で交わした言葉は…、

  直 「昔、奈良の都で咲き香っていた八重桜が」
 夏澄 「今日は九重の宮中に咲き誇っています」
 夏澄 「花の心は変わらないけど、あなたの心が昔のままか私には分かりません」
  直 「故郷の花は今年も変わらぬ香りで私を迎えてくれます」
  直 「激しい想いが岩にせき止められて今は分かれていますが」
直・夏澄「滝川の水が再びひとつの流れになるように、
     あなたとの恋を貫くつもりです」

全体的な展開としては、
やっぱりこれしかなかったと思う。
ただ、最終回の描き方は他にもあったかもしれない。

じゃあ、たとえばどんな風に、
と言われても分からない。
おそらく、シチュエーション自体が
最初から難しかったんだと思う。
そこにあえてチャレンジしたスタッフには敬意を表したい。

ただひとつ言えることは、
今回、朋子という役を演じた和久井映見の前では、
先天的な魅力を持つ深田恭子も
桜の花びらのようにただ散るしかなかったということか。

             採点  7.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★☆☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★★★☆
                  話題性 ★★★☆☆

           平均採点  7.50(10点満点平均6)





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