タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

>>バックナンバー >>ドラマ別レビュー


第71話「徳川、お前もか!」

「ヨイショの男」の徳川(小林稔侍)が
今クール4人目の飛び降り自殺…、と思ったら、
レスキュー隊に救出された。

…だから何? って話だけど。


『ごくせん』 第十一話

演出:大谷太郎
脚本:江頭美智留

キャラの立ってるクマ(脇知弘)をメインにした話。
単純だけどツボを押さえたいい回だった。

チンピラをなぎ倒す
ヤンクミ(仲間由紀恵)も格好良く撮れてたし。

そして週刊誌の取材をキッカケに
ついにヤンクミの素性がバレる。

急遽、1話増やしたわりには
中だるみもなく最終回を迎えられそうだ。

きっと最後もベタな展開になりそうだけど
このドラマはそれでいい。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『眠れぬ夜を抱いて』 最終回:夫婦、旅の果てに…

演出:西谷弘
脚本:野沢尚

結局、男の身勝手な「理想の妻」「理想の家族」像を
とことん描いただけような気もするけど、
物語としては上質なまとめ方だった。

一番印象的だったのは葛井(古田新太)。
欧太(仲村トオル)への忠誠を守って
自ら牛島(中丸新将)を刺しながらも、
君枝(秋本奈緒美)との約束を守って拳銃を空砲にし、
山路(筧利夫)と進藤(田辺誠一)を救った展開は良かった。

ただ、山路も実は類子(伊藤裕子)のことを愛していて、
“進藤に渡すくらいなら自分の手で殺したかった”
という供述には多少ムリがあったかも。

これは野沢尚がよく使いたがる犯人心理だけど、
今回は無理矢理テーマに合わせている感じがして
さすがに違和感があった。

あと、最後まで語られなかったのが悠子(財前直見)の過去。
これはかなり前から欧太を疑っていた
という意味だったのかもしれないし、
まったく別の何かかもしれない。

もし別の何かだったら、
それはセリフの中にもあったように
欧太に見つけて欲しいということなのだろう。

欧太にも家族が知らない過去があったように、
悠子にあっても不思議ではない。

仮に思いも寄らない過去があったとしても、
それでも愛を貫けるかどうかが
この作品のテーマでもあったわけだから、
この部分に関しては語られないままでも不満はなかった。

それから、登場人物たちが生きてきた時代を象徴するように
ホール&オーツの曲が時々かかっていたんだけど、
最後は「Wait for me」。

ま、現実の世界では
12年前の女の影を引きずり続ける男を
ずっと待ってくれる女性は
なかなかいないと思いますが…(笑)

単純なミステリーではない、
深みのある人間ドラマだった。

             採点  7.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★★☆
                  音楽  ★★★★☆
                  新鮮さ ★★★☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  7.27(10点満点平均6)


『しあわせのシッポ』 最終話

演出:佐々木章光
脚本:水橋文美江
脚本協力:旺季志ずか

うーん、微妙だな。

父と娘の関係を
ここまでじっくり描いたのは立派だと思う。

とくにラストで自分の気持ちを
生徒たちに素直な言葉で伝え、
川沿いの道をひとり歩いていく
美桜(水野美紀)の姿は美しかった。

ただ、陸(坂口憲二)が美桜にプロポーズするまでを
ハッキリ描かなくてもよかったような気がする。
結果的に陸が美桜を選んでもかまわないけど、
あの描き方は唐突すぎた。

でもまあ、全体的に印象深い作品ではあったな。
今期のドラマはバラエティーに富んでいたけど、
この作品があるとないとでは
ずいぶん印象が違ったと思う。

こういうアプローチの作品は
1クールにひとつぐらいあってもいい。

ストーリーや細かいセリフがどうのこうのではなくて、
感覚として訴えてくるものがある、
なかなかの佳作だった。

             採点  7.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★☆☆
                  主題歌 ★★☆☆☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★★★☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  6.63(10点満点平均6)


『ビッグマネー!
 〜浮き世の沙汰は株しだい〜』 FINAL STOCK

演出:西浦正記
脚本:林宏司

TVドラマとしてのエンターテイメントを意識して
最後まで失速することなく走りきった。

重要だったのは、
小塚(植木等)たちが計画した夏のディールが
相続保険の被害者だけでなく、
まつば銀行の一般の行員も救えるように
計画されていたところ。

仮にまつばを潰しても
一般の行員が路頭に迷ってしまっては
結局、小塚たちもゾウになってしまうからね。

全体的にシビアなマネーゲームだけに焦点を置かず、
こうした人情も描いたところが良かった。
敵役の山崎(原田泰造)にでさえも、
最後は感情移入できたし。

それにしてもビルの屋上での
白戸(長瀬智也)と山崎のシーンは圧巻だったな。
原田泰造はまたひとつ皮がむけた感じ。

最終回、難点を言えば、
やっぱり出所した白戸の髪型か。
あれはないよな、いくらなんでも(笑)

終わってみれば
一話完結っぽい雰囲気だった前半にも意味はあったし、
後半の怒濤の展開は見事だったし、
よく構成された作品だった。

無駄な登場人物がなく、
それぞれが個性的に描かれていたところも好感が持てた。

これも「天国への階段」と同じく、
見なかった人は後悔していいかもしれない。

もちろん、再放送はすると思うけど、
題材が題材なだけに
あまり年数が経って日本の経済状況が変わると
意外と見ていてシラけたりするかも。

再放送はお早めに、とフジテレビに言っておきたい。

             採点  8.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★★★☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★★☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★★☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  7.29(10点満点平均6)


『夢のカリフォルニア』 11

演出:平野俊一
脚本:岡田惠和

無難なまとめ方だったんじゃないかな。
まあ、途中からこうなることは予想できたけど。

終(堂本剛)が以前面接で落とされた会社の
人事担当者(小木茂光)と話した内容は、
特別、重要なことではなかったけど、
いいシーンだった。

終自身も言っていた通り、
終が一歩前へ踏み出すためには
必要な出会いだったと思う。

ただ、その後に終が入社面接を受けるようになって
自己PRした内容や
将来のビジョンを語る部分などは
盛り上がりに欠けた。

もちろん、状況として物事が一気に好転する必要はなく、
むしろ、1年たっても3人ともショボい感じだったのは
リアリティーがあって良かったと思う。

ただ、ドラマのセリフとしてはね。
もう少しいい言葉もあったのではないかと。

山崎家の雰囲気は最後まで面白かった。
響子(余貴美子)の
“山崎家だけは私が守る”という宣言は
母としてのプライドも感じられて、
専業主婦だって立派な生き方だと思わせてくれた。

結局、このドラマは、
3人が旅立ったところがターニングポイントだった。
あの前と後では明らかに雰囲気が変わったし。

一度逃げてみて、自分を見つめ直す
という行為は間違ってないと思うし、
作品のテーマからもズレてはいない。

ただ、1クールのドラマの中で
2話に渡って旅をさせてしまうと、
日常との接点を割く時間は少なくなってしまう。

そのため、旅の最後のエピソード、
海の中でイヤリングを見つけけるという行為が
必要以上に重く感じられてしまったのだ。

初回は友人が目の前で自殺するという
強烈なシーンだったのに、
まるでその答えがイヤリングを見つけることで
解決してしまったかのような錯覚に陥る。
(もちろんドラマ内では他にも答えのヒントになる描写はあった)

一度現実から逃げるという行為をさせるにしても
もう少し別の逃げ方にするか、
あるいは現実から逃げてきた3人が
旅先で出会うところから物語を始めて、
日常に戻って戦う部分に時間を割いたりした方が
良かったのかもしれない。

でもまあ、これはこれでアリだったんだろうな。
普遍的な青春の悩みを描きながらも、
作品全体を流れる空気感みたいなものは
意外に心地よかった。

             採点  7.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  7.05(10点満点平均6)


『九龍で会いましょう』 last love

演出:六車俊治
脚本:野依美幸

一言でまとめると、
優柔不断な男女が自分勝手な行動に走ると
まわりはとても迷惑する、というお話。

そして番組の最後には
“感動のラブストーリー「九龍で会いましょう」が
 この秋、ビデオ・DVDで発売されます。お楽しみに!”
というお知らせが…。

最後まで笑えた。

             採点  3.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★☆☆☆☆
                  演出  ★☆☆☆☆
                  配役  ★☆☆☆☆
                  主題歌 ★☆☆☆☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★☆☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  4.13(10点満点平均6)


『ゴールデンボウル』 10frame

演出:吉野洋
脚本:野島伸司

毎回、繰り返してきたパターンを少しずつ崩して
いよいよ佳境に入ってきた。
1話ずつの構成もうまいけど、
こうしてみると全体の構成も緻密だ。

今回はTV番組の対戦相手として
本物の世界チャンピオン(パーカー・ボーン)が登場。
曲芸のようにスプリットを取り続ける対戦は
今までにない面白みがあった。

そして、地上げ屋の辺見(小木茂光)が
ゴールデンボウルのオーナー(大滝秀治)の息子
であることが明かされる。

なぜ今まで毎回、
オーナーは地上げ屋の挑戦を
言われるがままに受けてきたのか、
対戦を2人仲良く並んで見ていたりしたのか、
ちゃんと理由があったことがここで証明される。

黒田(竹脇無我)にも
みどり(榎本加奈子)の愛が受け入れられない
理由があることが分かった。

これは辺見がスムーズに
ゴールデンボウルを継げる理由にもなっていて
さすがに無駄がない。

柴原(藤沢大悟)は、家がお金持ちでも
大卒のエリートでもなかった。
芥川(金城武)の最後の相手は
もしかしたら彼なのか?

今回、初めて芥川が瞳(黒木瞳)の前で涙を流し、
なぜ一美(吉川ひなの)にこだわってしまうのかも語られた。

もう、芥川を救えるのは瞳だけだし、
瞳を救えるのも芥川だけ。

さて、最終回、
野島伸司はどんな物語を用意してるのか、
楽しみで仕方がない。

             採点  8.0(10点満点平均6)


『ヨイショの男』  最終話 社長 桜井孝太郎

演出:金子文紀
脚本:両沢和幸

結局、ヨイショはいざという時、
頼りにならないって話かよ!とか、
だから株式会社桜井は何の会社なんだよ!とか、
徳川(小林稔侍)、お前まで飛び降り自殺かよ!、とか、
文句は腐るほどあるんだけど、
最終回は思いのほか良かった(笑)

孝太郎(稲垣吾郎)が
会社を作ろうとする動機や意気込みがね。
意外と訴えてくるものがあったりして…。

まあ、軽いコメディーなりに
うまくまとめた方ではないだろうか。

このドラマの魅力はやっぱり矢田亜希子だった。
矢田亜希子のコメディーは
機会があったらまた見てみたい。

             採点  6.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★☆☆☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★★★☆☆
                  主題歌 ★☆☆☆☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★☆☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  5.55(10点満点平均6)





[ロビー田中の自己紹介]

[トップへ]