タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第73話「サトリ、サトラレ」

サトラレがいないことは実感として分かるけど、
サトリがいないとは言い切れないところが恐い。


『ごくせん』 最終話

演出:佐藤東弥
脚本:江頭美智留

まあ、ストーリー的には
どうってことないんだけど、
なかなか感動的な
まとめ方だったんじゃないでしょうか。

最後に沢田(松本潤)も
ヤンクミ(仲間由紀恵)を狙っていると
篠原(沢村一樹)やてつ(金子賢)に
宣言したのは意外だったけど。

理事長(平泉成)が完全に納得しなかったことからも
このあたりはスペシャルやパート2への
布石なんだろうな。

とりあえず今の生徒たちの卒業シーンは
なんだかの形で作りそう。

今回、このドラマを見て思ったのは、
やっぱり今の時代、
視聴率も残して、
世間の反発も買わず、
ある程度のクオリティーを確保する作品は、
この手のコメディー路線なのではないかということ。

で、設定は分かりやすい学校とか病院。
笑いを取りながら最後にホロッと泣かす、みたいな。

それでいいのか?
って気もするけど、
ドラマ見てる時くらい
アタマ使いたくないんだよな、きっと。

全部がこういうドラマになったら寂しいけど、
1クールにひとつくらいあるのはいっか。

とにかく全体的には安心して見ていられる
王道のコメディーだった。

             採点  7.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★★☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★★☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★★☆☆

           平均採点  6.83(10点満点平均6)


『ショムニ FINAL』 第1話

プロデュース:船津浩一、宮本理江子、中村百合子
演出:鈴木雅之
脚本:橋本裕志
原作:「ショムニ」安田弘之(講談社モーニングKC)
音楽:大島ミチル
主題歌:「太陽は沈まない」THE ALFEE
オープニング曲:「ISM」Wish
制作:フジテレビ、共同テレビ
出演:江角マキコ、京野ことみ、戸田恵子、櫻井淳子、高橋由美子、宝生舞、
   森本レオ、戸田菜穂、石黒賢、沢村一樹、升殻、高橋克実、相島一之、
   正名僕蔵、星野有香、北川弘美、滝沢沙織、市川勇、櫻庭博道、他

結局、ストーリーの中で
野々村課長(伊藤俊人)がいなくなったことは
語られなかった。

ただ、一番最後に
「5月24日に永眠された伊藤俊人さんの
 ご冥福をお祈り致します。」
というテロップが全社員の映像をバックに。

やっぱり、中身で一言でも触れてしまうと
どうしても悲しい気持ちになってしまうからやめたんだろうな。

あくまでもショムニの明るいテイストを守ろうとした感じ。
でもそれでいいと思う。
残ったメンバーで最後までいい作品を作って欲しい。

で、配役としては
以前、海外事業部にいた岡野(正名僕蔵)が
人事部へ異動になったという設定だった。

正名僕蔵は宮藤官九郎がいる劇団「大人計画」の役者さん。
最初はやりにくいかもしれないけど
独自の個性で寺崎部長(高橋克実)の補佐をお願いしたい。

さて、登場人物の紹介を省けるという
シリーズ物の利点を遺憾なく発揮して
初回としてはまずまずの滑り出しだったのではないだろうか。

今回は満帆商事の合併吸収と
塚原(京野ことみ)の初体験話がメイン。

その中で、相変わらずショムニメンバーの行動の発端は
完全に私利私欲に走っていて気持ちいい。
だから人間関係がベタベタしていない。
仮に世の中に放り出されても
みんなひとりで生きていける強さを持っている。

塚原だけはまだ他のメンバーの域には達していないんだけど、
今回のエピソードで少しは近づけたかもしれないな。

新社長が就任する次回以降、
またショムニの活躍が楽しみになった。

今週の千夏(江角マキコ)の名言。
“迷惑のひとつもかけないで
 どうやって人とつき合うんだよ”

             採点  7.5(10点満点平均6)


『サトラレ』 第1話

チーフプロデューサー:黒田徹也
プロデューサー:横地郁英、遠田孝一(MMJ)
演出:高丸雅隆
脚本:尾崎将也
原作:「サトラレ」佐藤マコト(講談社『イブニング』連載中)
音楽:大島ミチル
主題歌:「逢いたい気持ち」GLAY
制作:テレビ朝日、MMJ
出演:鶴田真由、オダギリジョー、杉本哲太、神田うの、風吹ジュン、
   畑野浩子、小池栄子、佐々木蔵之介、光石研、北村総一郎、
   佐戸井けん太、初音映莉子、猫背椿、小林すすむ、他

まず、この話は基本的な設定が
受け入れられるかどうかという問題がある。
ここでつまずいてしまう人は
いつまでたっても話に集中できないと思うので
もしかしたら早々に諦めた方がいいかもしれない。

個人的には全然OKの範囲なので、
その前提で進めていきたいと思う。

で、第一印象は思ったよりも良かった。
オダギリジョーが想像よりもハマってたし。

ただ、どうしても気になってしまうのが
やっぱり前半の笑いを取る部分。
このテーマってムリに笑いを取る必要はないと思うんだよね。

くだらない心の声が聞こえたとしても
それってかなりせつないことだと思うし。

ムリにコメディー色を出したり
必要以上に感動させようとしたりしないで、
淡々と描くだけでも
この世界観を受け入れられる人にとっては
いい物語になると思うんだけどな。

出だしのナレーションが
「奥様は魔女」で有名な中村正って…
そこまでコメディーにしなくてもいいのに。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『恋愛偏差値』 第一章 燃えつきるまで  第一話

プロデュース:栗原美和子、井口喜一
演出:佐藤祐市
脚本:都築浩
原作:「燃えつきるまで」唯川恵
音楽:鷲巣詩郎、DJ GOMI
主題歌:「眠れぬ夜は君のせい」MISIA
エンドテーマ:「メイアイ」KRUD
制作:フジテレビ、共同テレビ

出演:中谷美紀、岡田准一、篠原涼子、中島知子、木村多江、菊川令、
   宮崎優子、つんく、関口知宏、大高洋夫、おかやまはじめ、
   平尾良樹、渡辺憲吉、木村茜、他

典型的な女性向けドラマ。
こういうドラマを見て
オレもリアルな女性像を
勉強しなきゃいけないんだろうけど、
申し訳ない。まったく興味が湧かなかった。

きっとロマンチストなんだな、オレは(笑)

どの登場人物にも感情移入できないから
菊川令が「私の青空」の青森弁が抜けてないよ、とか、
中島知子の手のシワはすごいな、とか、
そんなところばかり気になってしまった。

でもまあ、中谷美紀はきれいだったけどね。
最後に彼氏(関口知宏)と
彼の新しい恋人(宮崎優子)を追いかけていって、
彼女の顔を見た瞬間、涙があふれたシーンは良かった。

あそこだけだったな、
個人的な見どころは。

えーと、でも頑張って見続けます。
そして恋愛を勉強します。
今から勉強しても意味ないですが…

             採点  6.5(10点満点平均6)


『ぼくが地球を救う』 第1回

プロデュース:磯山晶
演出:片山修
脚本:中園ミホ
音楽:河野伸
主題歌:「ぼくが地球を救う」Skoop On Somebody
制作:TBS、TBSエンターテイメント
出演:内村光良、真中瞳、古田新太、袴田吉彦、哀川翔、金子昇、愛華みれ、
   奥菜恵、堀内健、江守徹、山口馬木也、マシューバロン、平岩紙、
   佐久間由枝、奥野ミカ、川原京、角田ともみ、くわばたりえ、臼井静、他

ずっと人の心の声が聞こえるわけじゃなくて、
階段から落ちると57分間だけ聞こえる
という設定は面白いと思う。

ただ、スタッフはいいのに
ものすごく雑なドラマに見えた。

コントっぽい演技になるのは別にかまわないんだけど、
セリフのつなぎとか、全体の映像とか、
みんな雑に見えた。
何でだろう。

友作(内村光良)と大門(哀川翔)の関係はいい。
個人的には会社の人間のキャラをあまり目立たせないで
友作、大門、愛子(愛華みれ)を中心に
ストーリーを作っても面白いと思うけど、
それじゃ話が広がらないからな。
早く会社の人間のキャラに慣れようっと。

今回、月島(奥菜恵)がセクハラで困っていることは
他の人間も知り得たことで、
友作だけが特殊な能力で知った事実ではなかった。
このテイストでずっといくのかどうか興味があるところ。

最後のクレヨンのエピソードは重要だったので、
友作が救うのはいつも誰かの心の部分で、
実際の事件はみんなでバタバタと解決するのかもしれない。

内村光良本人の階段落ちを毎回見るだけでも価値はあるけど、
中身はもう少し様子見だな。

             採点  6.0(10点満点平均6)






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