タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

>>バックナンバー >>ドラマ別レビュー


第75話「4〜6月期を振り返る」

W杯中継の影響を少なからず受けた4〜6月期の連ドラ。
まずは平均視聴率(関東)を振り返ってみると、
こんな結果になった。

  空から降る一億の星   22.26%
  ごくせん        17.43%
  ゴールデンボウル    12.49%
  整形美人。       11.44%
  しあわせのシッポ    11.39%
  春ランマン       11.36%
  ウエディングプランナー 10.80%
  ビッグマネー!     10.76%
  First Love       10.20%
  ヨイショの男      10.03%
  夢のカリフォルニア    9.15%
  眠れぬ夜を抱いて     8.97%
  九龍で会いましょう    8.08%
  天国への階段       7.10%

平均で15%を越えたのは2作品だけ。
しかも10%を切ったドラマが4作品。
これは明らかに1〜3月期よりも悪い。

でも、全体的な内容まで
1〜3月期より悪いとは思わなかった。
むしろバラエティーさという意味では
この4〜6月期の方が豊富に思えたくらいだ。

内容的な部分を
毎回つけていた評価点の平均で探ってみるとこんな感じ。

  ゴールデンボウル    7.64
  First Love       7.50
  ビッグマネー!     7.29
  眠れぬ夜を抱いて    7.27
  天国への階段      7.25
  夢のカリフォルニア   7.05
  ウエディングプランナー 7.00
  ごくせん        6.83
  しあわせのシッポ    6.63
  空から降る一億の星   6.41
  整形美人。       5.73
  春ランマン       5.67
  ヨイショの男      5.55
  九龍で会いましょう   4.13

1〜3月期は「木更津キャッアイ」という
強力な作品があったとはいえ、
7点以上のドラマは4作品しかなかった。
それが今回は倍の8作品もあったのだから
やっぱり内容的にも水準は高かったと思う。
(あくまでも個人的な見解だけど)

バラエティーさでは、
王道のコメディーで視聴率も高かった「ごくせん」。
エンターテイメント性を遺憾なく発揮した「ビッグマネー!」。
普遍的な青春の悩みを豪華なキャストで綴った「夢のカリフォルニア」。
静かなトーンで父娘関係をじっくり描いた「しあわせのシッポ」。

そして、深田&渡部のラブストーリーと見せかけて、
実は和久井映見に重要な役を与えながら
本質的な愛まで描いた「First Love」。

このあたりは全体的なバランスを考えると
実に意味のある作品だったと思う。

もちろん、バラエティーさに関して言えば
「九龍で会いましょう」も
十分その役目を果たしていたんだけど…。

視聴率と内容が完全に反比例したのは「天国への階段」。
軽い内容でもなければ、若者向けのドラマでもなかったけど、
クオリティーは非常に高い作品だった。
これはぜひ再放送でチェックしてもらいたい。
そして児玉(加藤雅也)に惚れてもらいたい。
たぶん、男から見ても女から見ても
カッコイイと思える脇役なので。

4〜6月期の最優秀助演男優賞を選ぶとすれば
やっぱりこの「天国への階段」の加藤雅也だろうな。
最優秀助演女優賞はもちろん「First Love」の和久井映見。

最優秀主演女優賞は「ゴールデンボウル」の黒木瞳だ。
あの役は黒木瞳以外に演じきれる人はいなかった。

迷うのは最優秀主演男優賞。
「ゴールデンボウル」の金城武が順当かもしれないけど、
個人的に日本語で演じている時の金城武は
やっぱりセリフに難があると思う。

ということで「天国への階段」の佐藤浩市にしよう。
4話で子供の頃の自分の幻影を見ながら
号泣するシーンなんかは秀逸だったしな。

で、最優秀作品賞は
評価点の平均通りに「ゴールデンボウル」。
コメディーという体裁をとって
エンターテイメント性も確保しながら、
あそこまで徹底したラブストーリーに仕上げられたら
素直に野島伸司の才能を認めるしかない。
次回作はどんなスタイルでくるのか。
これで非常に楽しみになった。

てな感じの4〜6月期でした。

「空から降る一億の星」は無視かよ!(笑)






[ロビー田中の自己紹介]

[トップへ]