タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第77話「6勝2敗6引き分け?」

7〜9月期の連ドラもすべて始まった。
個人的には「恋愛偏差値」「天体観測」
「ぼくが地球を救う」が思ったよりハマれず、
逆に「ランチの女王」「マイリトルシェフ」
「ツーハンマン」が予想以上に良かった。

全体的には
6勝2敗6引き分けって感じか。
まあまあのクールかな。


『サトラレ』 第2話

演出:高丸雅隆
脚本:吉田玲子

弱っちゃうなあ、この手の作りは。

健一(オダギリジョー)が失恋した直後のシーンは、
もしかしたら映画より良かったかもしれない。

健一が法子(鶴間真由)の恋人のフリをしていることは
法子の元彼に筒抜けで、
元彼とその恋人が笑いをこらえている中、
法子が「いい人でしょ?」と元彼に言うシーンは
かなりグッときた。

そのあとに、
健一が必死に法子をなぐさめようとする心の声に
法子が思わず泣いてしまうシーンも良かったし…。

ただ、ただ、
前半のドタバタは典型的なMMJの安いコメディーで
橋にも棒にもかからない。
もったいないったらありゃしない。

神田うののコスプレはエスカレートするばかりだし、
(健一が気がつかない方がおかしい!)
法子は健一の心の声に反応しすぎでかえってつまらないし。

法子が公的な機関の職員じゃないこととか、
サトラレ対策委員会の規模が小さいこととかが、
かなり影響してるな、やっぱり。

映画より連ドラの方が時間が長い分、
心の声も多くなるのは当然なんだけど、
これはプラスにもマイナスにも作用する。

もう少し各回の前半部分を丁寧に作ってくれたら
いい作品になるのになあ。
…もう遅いか。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『恋愛偏差値』 第一章 燃えつきるまで  第二話

演出:佐藤祐市
脚本:都築浩

ああ、なるほど。
怜子(中谷美紀)が実は
耕一郎(関口知宏)の部屋のカギをまだ持っていて
最後に忍び込む、という展開は面白かった。
あと、怜子とリュージ(岡田准一)の関係とか。

ただ、このドラマは全体的に
女性の恋愛観をテーマにしていて、
とくにこの第一章は嫉妬にスポットを当ててるから
出てくる女性がみんなイヤな女にしか見えない。

いや、もちろん女性のある部分を
リアルに描いてるんだろうけど、
登場人物がみんな同じだとツライね。

怜子というひとりの女性の物語なら
まだ客観的に面白がれるんだろうけど。

具体的に言うと
恵美(菊川怜)と真樹子(木村多江)は
いらないような気がする。

ていうか、個人的にはそういう構成の方が
最初から面白く見られたと思う。

昔とった杵柄で
木村多江が貞子化していくのは
それはそれで面白いんだけど。

それにしても怜子って人間も最低最悪だよな。
あんな風に仕事に穴を開けるなら
とりあえず一緒に仕事はしたくないと思うし、
自分が淋しい時だけゲイに向かって男を求めるなんて
自分本位もいいとこだし…。

前回、女性向けのドラマって書いたけど
これって女性が見ても腹が立つ人多いんじゃないの?

まあ、初回を見終わった時より
多少は次回への楽しみは出てきたかな、
という程度。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『ぼくが地球を救う』 第2回

演出:片山修
脚本:中園ミホ

どういうスタイルでドラマを作りたいのか、
それは今回を見てだいたい分かった。

友作(内村光良)のキャラクターは
普段、内村光良がコントで作っているようなキャラだけど
それはそれで面白いし、
最後にホロっとくる展開になるのも悪くない。

じゃあ、ドラマ全体がすごく面白いのかというと
必ずしもそうとは言えない。
やっぱり全体的に安っぽい作りなんだよな。
時間がある時にボーッと見てると
意外に楽しめる、みたいな感じ。

まあ、今回の話で
友作が自分の能力の使い方を分かったような雰囲気なので、
次回以降、もっと見やすくなるかもしれない。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『恋セヨ乙女』 第2週 お米の気持ちはわかるけど(第5〜8回)

演出:大友啓史
作:岡田惠和

やっぱり倉沢(筧利夫)がまわりを
チョロチョロしながらの第2週だった。

この週の基本的な相手役は吉沢悠。
今回は萩原(吉沢悠)も
それほど幸子(真中瞳)に
夢中になったわけじゃないし、
元婚約者も最後に帰ってきたことだから
これ以上の登場はないだろう。

やっぱり最後は倉沢に収まるのか…。

で、全体的には笑いを取りにいくところが
かなりパターン化されていた。
娘の会話を盗み聞きする父(小野武彦)。
フラれると公園のブランコで落ち込む幸子。
そこに必ず通りかかる妹(山口あゆみ)。
娘がフラれると喜んで餃子を作る父。

このランニングギャグは効果的で
先週よりもさらに見やすくなった。

ま、問題は真中瞳なんだけどね。
もう少し演技が何とかならんか。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『愛なんていらねえよ、夏』 LAST10

プロデュース:植田博樹
演出:堤幸彦
脚本:龍居由佳里
音楽:見岳章、武内亮
主題歌:「LIFE」池田綾子
制作:TBS、TBSエンターテイメント
制作協力:オフィスクレッシェンド
出演:渡部篤郎、広末涼子、藤原竜也、西山繭子、鈴木一真、坂口涼子、半海一晃、
   松尾玲央、森本レオ、ゴルゴ松本、野沢“毛ガニ”秀行、黒川智花、他

堤演出全開のスタイリッシュなラブストーリー。
小ネタギャグはほとんどなかったけど、
レイジ(渡部篤郎)の借金を肩代わりした人のリストには
堤幸彦、植田博樹、今井夏木、大石静…
なんて名前が書かれたりしていて、
遊ぶところはちゃんと遊んでいた。

あと、冒頭の印刷物のドアップから
徐々にカメラを引いていくシーンでは
お経の中の「提」という文字で遊んでいて、
「堤」じゃないところが微妙に可笑しかった。

きっと探したけどなかったんだろうな、
「堤」って文字が(笑)

中身としては、
「愛なんていらねえよ」と言っている主人公の2人が、
いちばん愛を求めているのが
初回から感じ取れたところが良かった。

家政婦の中田(坂口良子)にも
何か裏があるのは感じられたし。

キャストもみんなハマってる。
森本レオは「ショムニ」とは全然違う役だけど、
もともと森本レオってこういう役が多かった人なんだよね。
非常に期待できそう。

レイジの7億3千万ほどじゃないけど、
広末涼子も「できちゃった結婚」で
女優としての借金は多少抱えてるはず。
この盲目の亜子役できっちり返済して欲しい。

あ、チョナンカンのドラマでだいぶ返したか。
コンディションがよければ、
必ずどこかに光るものを魅せる子なんだよね。

LAST10 からカウントダウンしていくこのドラマ、
最後までじっくり見させてもらおう。

             採点  7.5(10点満点平均6)


『ツーハンマン』 第2回

演出:土方政人
脚本:鈴木聡

やっぱりすごく面白いんですけど、コレ(笑)

ちょっと心配していた宝塚出身の真矢みきも
作品全体の雰囲気に溶け込んでいて違和感なし。

初回はジミー(中村俊介)の
ユカリン(川原亜矢子)に対する想いが
プレゼンテーションに活かされていたわけだけど、
今回は一緒に働いている苦情処理課の課長、
相沢(二瓶鮫一)の娘の結婚問題と絡めた
プレゼンテーションだった。

このパターンだったら何度やっても
いいプレゼンテーションシーンが描けそう。

このツーハンマンの活躍を軸にして
寺岡(草刈正雄)とユカリン、
そして寺岡の妻(真矢みき)との関係が
コミカルに描かれ、
ジミーのせつない恋心も描かれていく。

今のところほとんどムダがない。
絶対、見た方がいいと思うよ。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『探偵家族』 第1話

チーフプロデュース:井上健
プロデュース:池田健司、村瀬健、鈴木聡
演出:長沼誠
脚本:石原武龍
音楽:村山達哉、安藤直弘
主題歌:「Endless」小柳ゆき
挿入歌:「Notice my mind」hiro
制作:日本テレビ
制作協力:ケイファクトリー
出演:稲森いずみ、陣内孝則、国仲涼子、宮迫博之、深水元基、神木隆之介、
   室井滋、花原照子、平愛梨、他

少し前の日テレドラマに逆戻り、
という感じの志が低い作品。
意外と豪華な出演者がもったいない。

コメディー部分でとくに笑えるわけでもなく、
涙を誘っているのであろう箇所も
ありきたりな流れで新鮮味なし。

国仲涼子が見られればいい、とか、
子役マニアなので神木隆之介はチェック、とか、
そういう動機のある人だけ
見ればいいんじゃないでしょうか。

ま、脚本家を3人でまわすみたいなので
回によっては多少面白い話もあるかもしれないけど。

             採点  5.0(10点満点平均6)





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