タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第84話「ショムニに復活の兆し」

初回は23%を越えた視聴率も
どんどん下がっている「ショムニ」。

ただ、ここ2回で内容はぐっと良くなってきてる。
一度見るのをやめてしまった方、
戻ってきたほうがいいかもよ。


『ランチの女王』 第5話

演出:川村泰祐
脚本:大森美香
脚本協力:武田樹里

兄弟4人の店に対する想い、
ランチに対する想いを描きながら、
なつみ(竹内結子)の過去が少し垣間見られた今回。
序盤の混乱を収拾しようとするかのように
ストーリーが進んだ。

こうなったら全体としてはヘンでも
勇二郎(江口洋介)のやりたかったこととか
勇二郎と秀美(梅宮万紗子)との関係なんかは、
もうスパッと切っちゃっていいんじゃないかな。

健一郎(堤真一)については今後も描かざるを得ないんだから
これ以上、勇二郎の謎の部分を膨らませる必要はないと思う。

ていうか、お店の中に
なつみ、勇二郎、純三郎(妻夫木聡)、
光四郎(山下智久)がいるだけで面白いよ、このドラマは。

で、なつみの過去の話。
福田和子ばりの逃走シーンをみせた時は
過去に何か事件でも起こしたのかと思ったけど、
“アイツさ、またなんかやった?”
“なつみが逃げることないじゃん”
“もうアイツに振り回されたくない”
などの電話の会話から
なつみ自身の問題でないことは確かだ。

問題は、アイツとは誰なのか、ということ。
男か、家族か。

ちなみに2階から飛び降りて逃走するシーンは
山口Pが過去に作った
『アフリカの夜』のセルフパロディーなので念のため。
もちろん、その時に逃走した室井滋は
福田和子がモデルだったんだけど。

むしろこの一連のシーンの小ネタとしては
なつみが電話をしていた場所に
積み上げられていた段ボールが
「サンマルコハム」のものだったってことだね。
『スタアの恋』は山口Pの作品じゃないけど、
美術さんが遊んだのかな。

あと、しつこいようだけど
このドラマの竹内結子は本当にいい。
冒頭で勇二郎を見送るカット見た?
最高じゃん(笑)

             採点  7.5(10点満点平均6)


『私立探偵、濱マイク』  第5話 花

監督:須永秀明
脚本:宮城善彦
ゲスト:窪塚洋介、南原清隆、浜村淳、hitomi、ナンバーガール、
    松尾伴内、南部虎弾、鳥肌実、佐藤葉月、他

監督の個性を活かすという
『濱、マイク』の主旨を考えれば、
楽しめる回だったんじゃないだろうか。

映像のコラージュという雰囲気もあって
印象的なシーンもたくさんあった。

ただ、ドラマと映像は違う。
今回の作品に優れたドラマツルギーがあったかと問われれば
首を傾げるしかない。

だからあくまでも『濱、マイク』という企画においてこの採点。
                 ↓

             採点  7.5(10点満点平均6)


『ナースのお仕事4』 第5話

演出:平井秀樹
脚本:金子ありさ

かなり見やすくなった。
ストーリーとしての驚きは何もないけど、
コメディーとシリアスのバランスは
これくらいが丁度いい。
やっといい時の「ナース」が戻ってきた感じだ。

メガネも取って新しいキャラになったひろみ(安達祐実)は
前回のエピソードもあって
健太郎(藤木直人)に憧れるという設定。

当然、いずみ(観月ありさ)と対決する
シチュエーションになるわけだけど、
サブストーリーとして描く程度なら
ジャマにもならないだろう。

これでジャマなのは石原良純だけだな(笑)

             採点  6.5(10点満点平均6)


『天体観測』 第5話

演出:西谷弘
脚本:秦建日子
脚本協力:渡辺千穂

長谷川京子が本格的に絡んできて
やっと転がってきた。

8人それぞれが抱え込む問題を
バランスよく描くようになった点も良かったし、
いちいち全員集合しないところも良かった。

予備校の生徒、アリス(上原美佐)は、
今までも美冬(小雪)や友也(坂口憲二)に
つっかかっていたけど、
今回、きちんとスポトが当たった。

ちなみに「愛という名のもとに」で
貴子(鈴木保奈美)に反発し、
そして影響を受けたのは、
「ひとつ屋根の下」に出る前の
山本耕史(足が不自由な文也役)。

鈴木保奈美と山本耕史は最後にマラソンをしたんだけど、
美冬とアリスが水泳やったらかなり笑えるな(笑)

聡美(田畑智子)は今回、
比較的まじめに働いていた感じ。
ただ、あの夫(田中哲司)との関係は
やっぱり理解に苦しむな。

ていうか、このドラマの最初が
2人の結婚式シーンから始まったからそう思うんだよね。
結婚後、何年か経っての状況ならまあ受け入れられるんだけど、
新婚でこんな状況ばかりだと、
なんで結婚したんだよ、という根本的な疑問が湧いてしまう。

聡美に関係するエピソードが
今のところ足をひっぱってる感じかも。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『ショムニ FINAL』 第5話

演出:平野眞
脚本:橋本裕志

野々村(伊藤俊人)の後任、
岡野(正名僕蔵)がメインだった今回。

伊藤俊人が死去したのは
このファイナルのクランクイン直前だったから
その後に書かれた脚本が
この第5話になったということだと思う。

今までの岡野のキャラクターは
野々村の役割をただ割り振っただけだったので、
第5話で描かれた岡野は
多少、違う人物になってしまった。

でも全体としては
なかなかいい回だったんじゃないだろうか。

千夏(江角マキコ)は珍しく最後まで格好悪い役だったけど、
自分でかましたハッタリに追いつこうと影で努力している姿は
なんとも千夏らしかったし。

寺崎部長(高橋克実)が岡野をかばおうとした理由は
“1年間一緒に働いてきた上司だから”だったけど、
あそこで“前任者に頼まれたから”とか言われたら
号泣するところだったな。

平野演出のこの2回で
だいぶリズムを取り戻してきたぞ。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『マイ リトル シェフ』 第4話

演出:源孝志
脚本:成田はじめ、源孝志

よく練られた脚本で
作りも丁寧だった。

ただ、このドラマのゆったりした雰囲気は
非常に心地いいんだけど、
今回は多少テンポが遅すぎたかも。

とくに亜紀(山口紗弥加)が
プティ・エトワールに向かうまで、
父親役の西村雅彦と亜紀の相手(大高洋夫)が
2人きりになるあたりが…。

でも、最後に西村雅彦が泣き崩れるシーンは
かなり見応えがあったし、
十分満足のいく内容だった。

ところで今回の瀬理(矢田亜希子)の一言は
“うん、そっちの方が素敵”だった。
微妙に2回目とは違うんだな。

次回は“こっちの方が素敵”か?

             採点  7.5(10点満点平均6)


『東京庭付き一戸建て』 第4回

演出:佐久間紀佳
脚本:森下佳子

この手の一話完結ってぽい作りは
どうしても矛盾点が出てくる。

今回、冒頭で秋名(菊川玲)が一男(原田芳雄)に対して
父親らしいことをしてくれ、と言ったけど、
もちろん、初回で父親らしいエピソードがあったから
秋名は今の家に住んでいるわけで
このあたりの展開はストーリーを作る上で
強引に処理してしまっている。

でも、こういうドラマは許せてしまうんだな。
そんな粗さも。

だから今回も思いっきり泣きました(笑)
もうコテコテの内容なんだけど。

それにしても塚本高史がやたらいい。
役柄としてもすごく重要なポジションで、
彼がいるといないとでは雲泥の差だ。

見ないと損するようなドラマじゃないけど、
気が向いた時に一話だけみても
けっこう泣けるよ、たぶん。

             採点  7.0(10点満点平均6)





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