タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第85話「恋愛偏差値の偏差値が上がる」

「恋愛偏差値」のような4話×3シリーズは
仕切直しができるというのもメリットだな。

第1シリーズがダメだった人も
第2シリーズは見やすいかも。

もちろん、第1シリーズは面白かったのに
第2シリーズはつまらなくなった、
という人もいるんだろうけど。


『サトラレ』 第5話

演出:高丸雅隆
脚本:尾崎将也

サトラレに男女の肉体関係はムリと断言していたのに
突然、既婚者のサトラレが現れたり、
最後に法子(鶴田真由)が
矢沢(東幹久)のことを従姉だと嘘を言って
健一(オダギリジョー)が納得するなら、
矢沢が脳しんとうを起こした時に
法子が無視した説明がつかないなど、
もう矛盾だらけ。

健一と矢沢がニアミスするあたりは
わざと話をこじらせる展開で
見ていてかなり見苦しかった。

ただ、愛し合っている矢沢の妻・珠子(筒井真理子)の
“私もサトラレだったら私の気持ちも分かってもらえるのに”
というセリフは心を打つものがあったし、
全体的なストーリーは悪くなかった。

まあ、このドラマはもともと
クオリティーの高さで勝負してる作品じゃないしな。
構造上の粗さは目をつぶるしかないか。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『恋愛偏差値』 第二章 Party  第一話

演出:木下高男
脚本:いずみ吉紘
原作:「泣かないでパーティはこれから」唯川恵
出演:常盤貴子、稲垣吾郎、山口智充、細川直美、金子さやか、つんく、鷲尾真知子、
   清水紘治、武内幸太郎、甲本雅裕、大島蓉子、佐藤充、他

第一章より数倍面白くなった。
脚本家が代わったことも大きくて
いずみ吉紘のコメディーセンスと
常盤貴子のコメディエンヌとしての才能が
うまく相乗効果を出してる感じだ。

もちろん、このドラマはコメディーではないけど、
細かいところでセンスのいい笑いを取っておくと
全体にメリハリがついて非常に見やすい。

今回は河原で琴子(常盤貴子)と
俊平(山口智充)が話すシーンが一番の見せ場だったけど、
その前に琴子がガラス工場で
育江(鷲尾真知子)や聡子(大島蓉子)にからかわれたり、
強引に仕事をさせられる場面があったからこそ活きたシーンだ。

琴子と勇作(稲垣吾郎)との関係も、
ただ印象の悪い出会い方だけでなくて、
勇作が突然琴子に交際を申し込むまでを
一話で描いたのはうまかった。
次回への興味も十分につなげたし。

この第二章はかなり期待できそうだな。

             採点  7.5(10点満点平均6)


『ぼくが地球を救う』 第5回

演出:片山修
脚本:中園ミホ

もうメチャクチャな作りだし、
ゲストの高田万由子の演技もひどいもんだけど、
今回はなにげにいい話だったなあ。

ワガママなお嬢さんの撫子(高田万由子)が
実は資源を大切にするために
箸を持ち歩いているエピソードが良かった。

あと、必ず誰かに身体でお礼を申し込まれて、
“お気持ちだけで結構です”
と友作(内村光良)が断るシーンも
バカバカしくてだんだん面白くなってきた。

微妙なところなんだけど
今回くらいの内容なら見続けられるかも。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『愛なんていらねえよ、夏』 LAST7

演出:松原浩
脚本:龍居由佳里

まず、前回の最後でレイジ(渡部篤郎)と
咲子(坂口良子)が対峙したシーンは、
お互いが亜子(広末涼子)のことを想って…、
という表面的な取り繕いで何とかごまかした。

もちろん、レイジにも咲子にも
不信感は残ったはずだけど。

そんなシーンから始まった今回の大きな流れは
ベタだったけど作りが繊細で、
脚本、演出、役者の演技、音楽など、すべてが上質だと、
ここまでクオリティーを上げられるのか、
という回だった。

とくに印象的だったのは
やはり亜子がひとりで買いに来たプレゼントが
自分宛てのものだと知った時のレイジの心情。

“気持ち悪いだけだよ。
 家族ってだけでよ、
 そこに無償の愛があるって信じてる
 甘っちょろいアイツがさあ。
 世の中、そういうヤツばっかりってのがさあ。
 だったらよ、泣きやまないからって
 赤ん坊を殺す今どきの母親は何だっつーんだよね。
 いい加減、目、覚ませよ”

愛なんていらない、
いや、愛なんて知らないレイジが言うからこそ
このシーンはかなりせつないものがあった。

レイジの心境の変化は
前回から徐々に描かれているわけだけど、
亜子が病院に運ばれたあとに、
ビールを飲みに行くと言いながら
早く病院に行きたがっている(咲子からの電話を待っている)
微妙な態度が良かった。

そして、レイジのそんな様子に
疑問を感じ始めている
奈留(藤原竜也)の表情も。

藤原竜也は本当にうまくなった。
このドラマで彼をキャスティングできたことの意味は大きいな。

亜子の病気の再発も、
最悪の場合、半年持つかどうか、という設定は、
レイジの葛藤を考えるとさらに緊迫した状況になる。

死ぬまで待っていてはレイジが助からない。
仮にレイジが愛に目覚めても、
病気を治せなくては亜子さえも救えない。

形だけのハッピーエンドなんて
最初から用意してないと思うけど、
だからこそこの先どういう展開になるのか
非常に興味深くなった。

             採点  8.0(10点満点平均6)


『ツーハンマン』 第4回

演出:松田秀知
脚本:鈴木聡

おもろいなあ。
さわやかだな。
いや、ホッとするな。

ていうか、ベッキー太ってるな(笑)

ユカリン(川原亜矢子)が
ツーハンマン(中村俊介)に恋したことで、
話はさらに面白くなった。

もう金曜日がメチャクチャ楽しみだ。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『恋セヨ乙女』 最終週 幸子の幸はどこにある(第17〜20回)

演出:大友啓史
作:岡田惠和

今まで幸子(真中瞳)が恋をした4人全員を集めて
バラエティーチックな作りにしたのは悪くなかった。
ただ、今までの流れを考えると
極端にテンポが悪かったな。

ダラダラし過ぎ。
2日で描ける内容に4日かけてしまった感じ。
もう少し内容を詰めてもよかった。

この作品で印象深かったのは
やっぱり酒井若菜だ。

基本的にはモー子みたいな軽い役だったけど
ドラマの設定と状況に沿って違和感なく演じていた。
彼女はしばらく引っ張りだこになるかもしれないな。

で、最後はパート2を匂わせるような終わり方だったけど
真中瞳が主役ならもう作らなくていいんじゃない?(笑)

別の主人公の「恋セヨ乙女」でも
十分企画としては成り立つと思うので、
そちらなら見てみたい。

             採点  6.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★☆☆☆
                  主題歌 ★★☆☆☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  6.40(10点満点平均6)






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