タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第86話「最後の日曜劇場は意外にフツー」

先日、46年間に渡って一社提供を続けていた東芝が
9月で日曜劇場から撤退することを発表した。
つまり「太陽の季節」が最後の“東芝日曜劇場”だ。

原作が原作なだけに話題性はあったけど、
ここへきて内容はかなりフツーになってきてしまっている。

最後ぐらいドーンと過激なシーンをやって欲しい。


『探偵家族』 第4話

演出:大谷太郎
脚本:石原武龍、福田裕子、本松理子

「春ランマン」の北村一輝と宮迫博之の共演、
神木隆之介の女装という細か〜い見どころ以外は、
いつもにも増してひどい出来だった。

今回はエンディングでNGシーンを流していたけど、
あれは毎回やって欲しい。
もうあれで笑うしかないから(笑)

             採点  4.0(10点満点平均6)


『太陽の季節』 第5回

演出:土井裕泰
脚本:渡邊睦月

登場人物の背景はだいぶ分かってきたんだけど、
思ったよりも浅いなあ。

とくに今回は由紀(松本莉緒)の登場回数が少なかったので、
ものすごく淡泊な印象を受けた。
ひとことで言えばよくある話っていうか…。

期待していた折原(遠藤憲一)も
それほど深くは入り込んでこないし。

まあ、見どころとしては
タッキーの裸にバリエーションをつけて
濡れた白いシャツにした、ってことなんだろうな。

いいのか、そんなんで。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『ランチの女王』 第6話

演出:唐木希浩
脚本:大森美香
脚本協力:工藤浩美

やっと父親(若林豪)のキャラが立ってきたと思ったら
いきなり死んでしまった。

死なせないパターンもあったと思うけど、
あの父親がいたら息子たちはいつまでも
一人前の料理人になれないからなあ。
まあ、この展開は良しとしよう。

で、その父親の死に対する息子たちのリアクションは
それなりに感動的だったんだけど、
クチをつけたスプーンで何度も鍋から
デミグラスソースをすくうシーンはさすがに気になった。

それ以外の部分は
脚本が大森美香になってずっと安定してる。
今回は父親が死んだあとの
光四郎(山下智久)の描き方なんてすごく丁寧だったし。

次回はいよいよなつみ(竹内結子)の過去が
明らかになっていく感じ。

このまま大森美香が書けば安心だな。

             採点  7.5(10点満点平均6)


『私立探偵、濱マイク』  第6話 名前のない森

監督・脚本:青山真治
ゲスト:鈴木京香、大塚寧々、原田芳雄、江角英明、菊池百合子、
    佐藤誓、津田寛治、山中聡、樋口真嗣、他

今回も濱マイクである必要はまったくないけど、
それも含めた企画ということで。

個人的には好きな作品だった。

どんなに“個”でありたくても
やっぱり我々はどこかで
“名前のない森”に同化したいと
思っているのかもしれない。

ちなみにこの作品には71分の映画版もあって、
今年の2月にベルリン映画祭で上映された。

詳しくは「青山真治新作撮影日誌」で。
http://boid.pobox.ne.jp/journal/2001hama/hama1.htm

             採点  7.5(10点満点平均6)


『ナースのお仕事4』 第6話

演出:両沢和幸
脚本:飯野陽子

ネタは悪くなかったのに
わざわざ甘い仕上がりにしてしまった感じ。

いずみ(観月ありさ)のおかげで
伊川(田中要次)も素直に治療を受けるようになった、
という単純な作りでよかったのになあ。

それでも翔子(松下由樹)の決断や、
ひろみ(安達祐実)のいずみに対する印象なんかも
絡めて描けたのに。

このシリーズは
4話、5話の平井・金子コンビが一番いい。

             採点  5.5(10点満点平均6)


『天体観測』 第6話

演出:都築淳一
脚本:秦建日子、渡辺千穂

聡美(田畑智子)が
納涼会でみんなに送られるシーンは、
分かってても泣けたな。

ただ、前回に比べると
七重(長谷川京子)に関するエピソードに
ウエイトがかかりすぎて
全体的にはアッサリとした印象だった。

いや、すべての問題を毎回均等に描くのも効果的ではないので、
恭一(伊藤英明)が病室で七重に言った
“もう出会ってしまった”等のセリフが曖昧だったり、
恭一と七重の仲を疑った健太(山崎樹範)のリアクションが
単調だったりするところが良くなかったのかな。

とにかく、この七重に関する大きな問題に
思ったより緊張感を見出せなかった。

まあ、このドラマは既視感満載なので
それが「天体観測」と言われればそれまでだけど…。

次回はかなり物語が動きそうな感じ。
ここが正念場かな。

             採点  6.5(10点満点平均6)





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