タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第87話「龍居由加里でバッティング」
内容は良いのに視聴率が上がらない「いらなつ」。
トトロのバッティングした第4話は
急激な降下を避けられたけど、
同じ脚本家、龍居由加里が書いた
松浦亜弥主演の「天使の歌声・小児病棟の奇跡」
とバッティングした第5話は、
ついに4.2%という数字を出してしまった。小児病棟だけじゃなく、
「いらなつ」にも奇跡を。
『ショムニ FINAL』 第6話
演出:村上正典
脚本:橋本裕志今回も一話完結らしいまとまりのある話だった。
また千夏(江角マキコ)がオチに使われたけど、
このシリーズは身近な話題に焦点を当てているせいか、
千夏も決してスーパーウーマンには描かれていない。
これはこのシリーズの特徴で決して悪い選択ではないだろう。ただ、今回で言えば、
リエ(高橋由美子)の病院のシーンなど
演出で効果的に笑いを取っているにも関わらず、
千夏が君島波子(宮地雅子)に説教する部分が
それほど感動的に描けていない。どんなにバカをやっても
最後に千夏はいいこと言うなあ、
というのは「ショムニ」の一番のキモなので
ここは頑張って欲しい。橋本裕志も金子ありさも実力のある脚本家なので
ムラのない仕上がりを望む。採点 7.0(10点満点平均6)
『マイ リトル シェフ』 第5話
演出:樹木まさひこ
脚本:後藤法子“うん、素敵”だった(笑)
今回は佐野史郎がゲスト。
でも過去2回のようなお店とは無関係な客ではなく、
瀬理(矢田亜希子)の実の母親、さな子(高橋恵子)が
様子を見に行かせた客だった。やはりレギュラー出演者の役柄にも
いろいろな人生があるので、
その部分と瀬理の料理を絡めるのはいい。
全体としても話の筋が通るし。もちろん、ムリヤリ料理に例える強引さは確かに感じる。
でも、瀬理のキャラクターで
何とか説教臭くならなくて済んでいる感じだ。今回も、食材が届かなくてみんながイライラしてる中、
瀬理ひとりが落ち着いているようで
実は最高にアセっていた、
というシーンは良かった。この雰囲気は最後まで無くさないで欲しい。
採点 7.0(10点満点平均6)
『東京庭付き一戸建て』 第5回
演出:三枝孝臣
脚本:森下佳子後半のファンタジックな展開は悪くなかったけど
前半はまた酷かったな。
てっきり安定したかと思ったのに…。溜山家と塚本高史の関係は面白いのに
中川家が面白くない(笑)。不動産情報を流すのはいいけど
中川家でもっと笑いを取れないと困るな。いずれにしても評価はまた振り出しだ。
採点 6.0(10点満点平均6)
『サトラレ』 第6話
演出:田村直己
脚本:吉田玲子今回も雑な部分はいっぱいあったけど
最後まで見るとなかなかいい話だったかも。ラストにあったように
サトラレが心と裏腹なことをクチにするシーンはとくにいい。
あんな心の声を聞いたら
法子(鶴田真由)も腕を組みたくなるわな。それにしても
赤ちゃんが妙に畑野浩子になついてたなあ。
本当のママに抱きついてるみたいだったぞ。あと、神田うのがついに女子高生に。
そのうちハナ肇みたいに銅像になるかも(笑)採点 6.5(10点満点平均6)
『恋愛偏差値』 第二章 Party 第二話
演出:木下高男
脚本:いずみ吉紘琴子(常盤貴子)が
ガラス工場の人たちにあやまって
あっさり許してもらうあたりは
いかにもって展開なんだけど、
やっぱり作り方はうまい。いずみ吉紘は
岡田惠和みたいになれるかもしれないな。
一話の構成がしっかりしてるから
また次を見たくなる。第一章と明らかに違うのは
きちんと琴子にスポットが当たっていること。
だから何を描きたいのか分かりやすい。このドラマ、第一章と第二章を逆にした方がよかったかも。
採点 7.0(10点満点平均6)
『ぼくが地球を救う』 第6回
演出:吉田秋生
脚本:相内美生前半の雑な部分は目をつぶるとして、
今回は結論にムリがないか?まあ、友作(内村光良)と関わった女性は
みんな幸せになるという設定だから
あのまま飯倉(金子昇)と葉子(酒井若菜)が
普通につき合うだけじゃダメなのは分かるけど、
流れとしてはつき合った方が自然だったような…。酒井若菜もこうして見ると
モー子キャラの方がいいような気もするしな。不安定な出来はまだまだ続く。
採点 6.0(10点満点平均6)
『愛なんていらねえよ、夏』 LAST6
演出:松原浩
脚本:龍居由佳里まず、レイジ(渡部篤郎)の
年齢のことについて少し触れたシーンがあった。
亜子(広末涼子)がレイジをナイルに連れて行った時だ。ここから嘘がバレていくのかと思いきや、
楓(松尾玲央)が再び
レイジとタクロー(森本レオ)が一緒にいる所を見かけ、
そこから咲子(坂口良子)や五十嵐(鈴木一真)、
真壁(半海一晃)が疑う展開になった。楓にも何かありそうだから
意識的にチクった感じだったな。奈留(藤原竜也)のイラつきが増しただけでなく、
今回は季理子(西山繭子)まで
栞の名前で花束を持ってくるという行動。ただここには
“たとえ演技でもレイジがいいお兄ちゃんなんて気持ち悪い”
というセリフからも分かるように
かなり嫉妬も入ってるようだ。
本当なら自分が妹になっていたかもしれないわけだし。そして圧巻はやはり
亜子が花壇でスーパーボールを見つけるところから
ラストにかけてまでのシーン。前回の予告でこのシーンはあったので
てっきり咲子に対する決定的な不信感につながると思ったら、
生きることへの執着を表すアイテムだった。“このボール諦めるみたいに
自分のことも諦めようって…。それなのに…、
それなのに見つかっちャった。もう諦めようって思ってたのに
見つけちゃった”ここで亜子がレイジに
恐い、助けてと泣き叫ぶシーンは良かった。そしてレイジが鏡を見るカット。
自分にしがみついている亜子の姿を見て
いったい何を感じたのか“お兄ちゃんが助けてやる”
とは言ったけど、
“お前をその苦しみから救ってやる”
というセリフは殺してやるとも取れる。きめ細かいなあ、このあたりのセリフは。
このドラマも折り返し地点。
後半も楽しみだ。採点 8.0(10点満点平均6)
『ツーハンマン』 第5回
演出:杉山登
脚本:鈴木聡今までスポットが当たってきた
アリー(ベッキー)やツボマン(田口浩正)の
キャラが立ってきてさらに面白くなった。今回はバツイチで子持ちのグラディス(鈴木砂羽)がメイン。
若いAD・平林(玉木宏)との恋のエピソードが
ツーハンマン(中村俊介)のプレゼンにも絡められた。平林がただ指輪を買うために
友達にお金を借りに行っていたという展開は
あまり面白くなかったけど、
グラディスがすぐに結婚を承諾しなかった流れは良かった。そしてグラディスの息子・大輔(太田光輝)に
無言で手を振るツーハンマン。
カッコイイ!(笑)このドラマを見終わった時が一番幸せな気分になるな。
採点 7.5(10点満点平均6)
『探偵家族』 第5話
演出:北川敬一
脚本:福田裕子演出が代わっただけなのに
今までよりもはるかに見やすくなった。北川敬一って共同テレビにいた人かなあ?
詳しくは分からないけど、
共同テレビ制作のいろんな作品で助監督を努めていたはずだ。
やっぱり演出の力は偉大だな。今回は「夢のカリフォルニア」で
堂本剛にひどいことを言った小木茂光を
国仲涼子が投げ飛ばした、というのが最大のトピック(笑)あと、国仲涼子が作ったカレーに
ゴーヤが入っていたという小ネタも。いずれにしても、
今回くらいのテイストで進んでくれれば
見るのもそんなにつらくないぞ。採点 5.5(10点満点平均6)
『太陽の季節』 第6回
演出:梶原紀尚
脚本:渡邊睦月竜哉(滝沢秀明)がすべてを打ち明けたことで
後半はまったく別の話になりそう。
このドラマの最終的な出来は
そこをうまく繋げることができるかどうかに
かかっている感じだ。予想とはずいぶん違う展開になってきたけど、
次回で全体像がやっとつかめるのかもしれないな。しかしこうなると、
由紀(松本莉緒)の心情が一番興味深くなった。やっぱり松本莉緒がキーパーソンか。
採点 6.5(10点満点平均6)
『ランチの女王』 第7話
演出:水田成英
脚本:大森美香修史のキャスティングが
森田剛っていうのはどうなんだろうな。
まあ、この評価は次回を見てからにしよう。なつみ(竹内結子)は結局、
暴走族の頭、修史(森田剛)のオンナだった。
ただ、かなり複雑な関係だったことは明らか。いよいよなつみの過去が物語の中心になってきて
さらに面白くなっていきそうだな。過去といえば、
ミノル(山田孝之)もかなりの大物だった(笑)
こうなるとミノルと光四郎(山下智久)の関係にも
興味が湧いてくる。毎回出てくるランチに思い入れのある
ゲストのエピソードに関しては、
今回が一番良かった。ハンバーグか…。
昔、神保町の三省堂の一階に洋食キッチンがあって
そこのハンバーグが美味しかったんだよなあ。
あのハンバーグをいま食べたらオレも泣くかも。今期のグルメモノは
みんな食べ物を本当に美味しそうに撮ってる。食いたいぞ、ハンバーグ!
採点 7.5(10点満点平均6)
『私立探偵、濱マイク』 第7話 私生活
監督・脚本:岩松了
ゲスト:小林薫、石橋けい、田中哲司、神津はづき、
鈴木砂羽、片桐はいり、國村隼、他さとぶー(田畑智子)のダンナ(田中哲司)が良かった(笑)
そして「太陽の季節」では女子大生役の石橋けいが
田中哲司の奥さん役に。その奥さんとマイク(永瀬正敏)のプールのシーンとか、
緑の芝生と小泉今日子の赤い服をコントラストさせたシーンとか、
映像は今回もきれいだった。小泉今日子もフケたけど、
神津はづきもすごくフケたな。いずれにしても悲しいお話。
採点 7.0(10点満点平均6)
『ナースのお仕事4』 第7話
演出:初山恭洋
脚本:金子ありさエンゼルセットに関する話は
ほんとんど毎シリーズやってるけど、
今回も良かった。いずみ(観月ありさ)の良さを
ひろみ(安達祐実)も理解することができたし。初めていずみが翔子(松下由樹)と一緒に
エンゼルセットを使った時のことを思い出すと、
それなりに感慨深いものがあるな。ま、新鮮味がないネタと言えばそれまでだけど。
採点 6.5(10点満点平均6)
『天体観測』 第7話
演出:西谷弘
脚本:秦建日子
脚本協力:川嶋澄乃、渡辺千穂恭一(伊藤英明)をメインで描きつつ
全体にバランスが取れたいい回だった。とくに恭一が料亭の前で
涙をこらえながら電話をするシーンは秀逸。
ただ、その直後の美冬(小雪)と
友也(坂口憲二)のシーンは今イチだったな。
友也の部屋に来てからのシーンは良かったけど。そして、実際には死なないと思うけど
自殺を考えたのは聡美(田畑智子)だった。でもこれは夫(田中哲司)の行動がメチャクチャなので
感情移入しにくい。
次回、聡美の問題をどう描くかがポイントだ。七重(長谷川京子)は今回のエピソードで
完全に仲間に入る雰囲気。
今度は七重が誰かを救えるのか?採点 7.5(10点満点平均6)
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