タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

>>バックナンバー >>ドラマ別レビュー


第92話「竜哉、ついに障子を突き破る」

久々に「太陽の季節」を読み返した。
最後まで読むと、やっぱりこの小説はいい。


『探偵家族』 第6話

演出:長沼誠
脚本:楠野一郎

「ウエディングプランナー」に続く、
神木隆之介の恋。ホッペにチュー付き。

映画をパロった神木隆之介絡みのシーンは
それなりに面白かったけど、
他は惨憺たるものだった。

とくに脚本は酷すぎ。
見ていて恥ずかしいくらいだった。

             採点  5.0(10点満点平均6)


『太陽の季節』 第8回

演出:加藤新
脚本:渡邊睦月

ついにやりました。
文学史的にもかなり有名な
勃起した陰茎で障子を突き破るシーン。

当初、竜哉(滝沢秀明)の部屋に障子がなかったので、
ガラスを突き破る気か!?
などとムチャなことを想像してたんだけど、
結局、ホテル(高級旅館?)のような場所でだった。

まあ、あの年齢の2人が和風の部屋というのは
ちょっと唐突だったけど、
花火、浴衣、というシチュエーションで
そんなにムリはなかったと思う。

最後に障子に空いた穴まで描写したのは
TVではかなり頑張った方じゃないかな。

ただ、このドラマは
原作を大きく変えたストーリーになっているので、
あのシーンが絶対に必要だったかというと甚だ疑問。

「太陽の季節」をドラマ化する以上、
挑戦して欲しい気持ちはあったけど、
このストーリーの中では
ムリにやらなくてもよかったような気もする。

いずれにしても
すでに竜哉のナレーションで明言してるように、
「英子」の悲しい結末に向けて
このドラマは突き進んでいる。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『ランチの女王』 第9話

演出:白川士
脚本:大森美香

あら、修史(森田剛)の問題は
意外とあっさり解決しちゃった。

前回のラストで
なつみ(竹内結子)が「マカロニ」に対する想いを
涙ながらに語ったシーンは重かったし、
その後も「マカロニ」に迷惑をかけられないから出てきた
というなつみの意志はハッキリしていたので、
修史の“いつかお前の店に食べに行く”というセリフは筋が通っている。

ただ、もう少し修史となつみの関係や修史の心の変化を
時間をかけて描くべきだったと思う。
なつみの過去に関してはかなり前振りが長かったしね。
これで解決だとちょっと拍子抜けの感じだ。

でも、各シーンごとのセリフや演出は相変わらず丁寧なので
何となく許せてしまうんだよね。

コンビニの防犯ビデオに映った
なつみの跳び蹴りはとくに最高だった(笑)

で、やっぱりこのドラマは
誰がなつみと結ばれるかが焦点になる様子。
ここまでの流れでは
断然、純三郎(妻夫木聡)が有利のような気もするけど…。

誰と結婚するかはハッキリ描かないまま
なつみはずっと「マカロニ」にいる、
という展開が一番好みなんだけどなあ。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『私立探偵、濱マイク』  第9話 ミスターニッポン〜21世紀の男〜

監督・脚本:中島哲也
ゲスト:勝村政信、松方弘樹、派谷恵美、麻生祐未、光浦靖子、杉本彩、
    林家ペー、林家パー子、キューティー鈴木、荒川良々、JAi WEST、他

今回の監督、中島哲也は、
豊川悦司と山崎努の「サッポロ黒ラベル」のCMを撮った人。
ドラマでは昨年の「世にも奇妙な物語・秋の特別編」で
「ママ新発売!」を撮った人だ。
(麻生祐未、ともさかりえ、クドカンなんかが出てたやつ)

濱マイクというテリトリーの中で勝負していて、
個人的にはこのシリーズで一番面白かった。

70年代のテイストを残しつつ、
スタイリッシュな映像で、
それでいてメッセージもしっかりあった。

ゲストの使い方も
TV的な豪華さだったし。

とくに林家ペー・パー子の格好良さは抜群。
キューティー鈴木もせつない内容で効果的に使っていた。

ちなみにピザ屋のにいちゃんは
「いらなつ」の礼慈ね。

ラスト3回の監督は、
竹内スグル、アレックス・コックス、利重剛と発表されている。
最終回が利重剛というのはかなり楽しみだな。

             採点  8.0(10点満点平均6)





[ロビー田中の自己紹介]

[トップへ]