タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第94話「亜子、ついにレイジの正体を知る」

先週の「いらなつ」のような野球延長もムカつくけど、
NHKはもっとひどい。

金曜日の「ロッカーのハナコさん」は
30分遅れて始まり、
途中で7分間の台風ニュースも入った。

民放の野球延長は新聞で確認できるけど、
NHKのこの手の放送時間変更は
ずっとNHKを見ていないと分からない。

NHKを録画する時は1時間くらい余計に。
これは鉄則だ。


『愛なんていらねえよ、夏』 LAST3

演出:今井夏木
脚本:龍居由佳里

ついに亜子(広末涼子)がすべてを知った。
咲子(坂口良子)と五十嵐(鈴木一真)が
自分を殺そうとしていたことも、
レイジ(渡部篤郎)が自分を騙していたことも。

その結果、出した答えが、
レイジ、咲子、五十嵐に一億円ずつ渡して
(五十嵐には会社の権利も)
みんなに家を出ていってもらうこと。

残り2話でこの展開を描いたということは
最後は本当のラブストーリーになりそうだ。

亜子はレイジにハッキリと
愛しているから一緒には住めないと言った。
ただ、おそらく亜子は
まだ栞に関して本当のことを知らない。
ここがひとつのポイントか。

それにしても
“目が見えなくなっていく子を残して出ていける?”
という咲子の心情。
“私がずっとレイジを見てきたんだ”
という季理子(西山繭子)の心情。

そして、
“レイジさんになりたかった”
“昔のレイジさんに戻ってよ”
と泣きながらレイジにすがる奈留(藤原竜也)の心情。

すべてが愛につながっていて
最後のカタルシスへと興味は高まっていく。

タクロー(森本レオ)と
晴男(ゴルゴ松本)の関係も興味深い。
須之内(石田えり)との会話から
タクローと晴男の間にはどうやら血縁関係がありそう。

タクローもまた
かつて本当の愛を知った時期があるのか。

やっと自分自身を見ることができた亜子と
まだ“自分が見えない”レイジ。

レイジが最後の殻をやぶり、
愛を知るのはいつなのか?
そしてそれは幸せの結末なのか?

             採点  8.5(10点満点平均6)


『ツーハンマン』 第8回

演出:松田秀知
脚本:鈴木聡

うーん、今回は金子(小橋健児)がメインか。
別にいいんだけど、さすがにしつこくなってきたな。

「ゴールデンボウル」で野島伸司は、
ランニングギャグを多用しながら
徐々に形を崩して飽きさせない作りにしていた。

一定のパターンを守るのは見やすいんだけど、
形にこだわりすぎるのはよくない。

今回当たりから出演者の誰かにスポットを当てるのは
やめてもよかったんだけどなあ。

せっかくグラディス(鈴木砂羽)や
マッチョ(菊池均也)のキャラを描いたのに、
今回のようなつまらないリアクションのために
使うのはもったいない。

草刈正雄と真矢みきのコメディーセンスは最高だし、
ユカリン(川原亜矢子)とツーハンマン(中村俊介)の関係も
わくわくする展開になってきた。

もうこの4人に的を絞った方がいい。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『ロッカーのハナコさん』 第1週 北浦華子あらわる!(第1〜4回)

制作統括:菅康弘
演出:柴田岳志
脚本:戸田山雅司
原作:石井まゆみ「ロッカーのハナコさん」
音楽:本間勇輔
主題歌「微笑みのひと」今井美樹
制作:NHK
出演:ともさかりえ、吹石一恵、風間杜夫、鳥羽潤、平山綾、国分佐智子、
   勝村政信、徳井優、小西美帆、今村雅美、平岩紙、田村たがめ、
   広瀬久美、小山田サユリ、他

NHKの23時帯ドラマ、第3弾。
原作の設定が面白いので十分に楽しめる。

ただ、問題は吹石一恵の演技力。
このシリーズ、主役の演技力がいつも今イチじゃん!

             採点  6.5(10点満点平均6)


『夏の約束』

企画・原案・プロデュース:四宮康雅
演出:多田健
脚本:伊藤康隆
音楽:増本直樹
制作:北海道テレビ
出演:夏川結衣、倍賞千恵子、上條恒彦、蒼井優、他

テレ朝の系列局、北海道テレビが、
毎年、北海道の地方都市を舞台にして制作している
スペシャルドラマの第6弾。

脚本や演出がとくに優れていたわけじゃないけど、
見終わったあとの感想はすごく良かった。

洋子(夏川結衣)が東京へ戻らなかった展開に
最初は違和感があったんだけど、
1年後のシーンを見ると
他にどんな選択肢があるのか、
と思うほど納得ができた。

この気持ちは自分でも意外だった。
もしかしたら、
オレもやっと大人になったのかもしれない(笑)

東京へ帰ろうとした車の中での
夏川結衣の演技は最高。
やっぱりオレは夏川結衣が好きなんだ、
と再確認した。

カット割りが全体的に中途半端だったことが非常に残念。
もっとドッシリとした演出に徹してくれたら最高だった。

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★★★
                  音楽  ★★★★☆
                  新鮮さ ★★★☆☆
                  話題性 ★☆☆☆☆

              採点  7.5(10点満点平均6)







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