タイトル■童心カクテル
書き手 ■
中村孝太郎

現在放映中の特撮ヒーロー物やゲーム関係の話、
その他無駄話などを勝手気ままに書くコラム。
…になるはずだと思います。きっと、たぶん。


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7杯目■ ウルトラマンコスモス騒動を振り返る


しばらく原稿をサボっているうちに、リニューアルしていたのですね。
コレはビックリ、一瞬、別のサイトに紛れ込んだのかと思ってしまいました。

さて、ここ2ヶ月程は私にとって、実に落ち着かない日々でした。
タイトルにも書いてある「ウルトラマンコスモス騒動(仮)」に
翻弄されていたからです。
メディアでもそこそこ騒がれたので、ご記憶の方もいるとは思いますが
今回のお題はコレについて書きたいと思います。
まぁ、映画「ウルトラマンコスモス2 ブループラネット」の公開に
合わせた、と言う事でよろしくどうぞ。

遡ると、6月14日の深夜の事でした。
毎度の如く、私はネット徘徊をしていたのですが、その時に偶然
「ウルトラマンコスモスの主役俳優が逮捕された」というニュースが
目に止まりました。

「・・・マジっすか??」
コレが事実だとすれば、全く笑えないコトです。
慌てて関連記事を検索してみると、こんな感じの文章でした。

「主役ムサシを演じるタレントA(21)が、
 2年前に専門学校生(19)に暴行し、
 4か月にわたって現金計45万円を脅し取った疑いで、
 傷害と恐喝容疑で大阪府警守口署に逮捕される。」

匿名にしてあるのは、本人が未成年の時に起こした事件であるらしい、
との事から・・・・

ちょっと待て、じゃあ放送中のコスモスは?映画の上映は??
あわてて円谷プロや、毎日放送のホームページに行って見ると・・・
コンテンツが抹消されている・・・・。
再び関連記事を検索してみると、「番組の打ち切りを決定」だそうだ。
・・・狂○病や○印騒動の時の、お役所の対応と比べると
なんと素早い民放の対応に、妙に関心しつつも、ふと不安が過る。

「このまま作品その物が、抹殺されてしまうかも・・・」

子供番組であるが故に、子供への影響を考えた上での対応だと
いうことは理解出来る。
ましてや「ウルトラシリーズ」という国民的ヒーローだからこそ
社会的影響が云々・・・・

ええぃ、そんな大人の理屈はどーでもいい。
突然にコスモスを失ってしまった子供たちはどーなる??
一人の特撮マニアとしても、コレは納得出来る事じゃんない。

特撮ファンの悪癖の一つに、「番組に出演していた俳優に対して
特別な思い入れを持つ」と、いうことがあります。
俳優からすれば、一つの固定されたイメージを持たれる事は
好ましくないのでしょうけど、特撮ファンは固定したイメージを
保ちつつも、新たなる成長を暖かく見守るものなのです。

さて、話を戻しますと、今回の一件を調べていく内に、
妙な事に気が付いたのです。

各メディアが扱っている割には、事件の背景がはっきりしてません。
メディアの記事では、暴行したとされる俳優側の見解や証言が
全く露見していません。
・・・変ですねぇ?コレでは9.11の時や、Wカップの時と同じく
一方の主張しか見えて来ません。
(そういえば、この時はWカップの最中でしたね)

まぁ、大手のメディアでは、いつものコトですので・・・

このままではラチが空きません。困りました・・・
こうなれば、奥の手を使用するしかありませんね。
そぅ、インターネットの最終手段、地下情報(アングラ)の使用です。
アングラは、かなりヤバいので多用するのはどうか?と思うのですが
地下情報なので、ヘタなメディアの情報より信憑性が高い事があります。
(健全な社会人は利用を控えるべきかと・・・)

さて、アングラで情報を集めて見ると・・・
主役俳優の所属事務所からは、事件当日、映画撮影のロケに出演していた
とアリバイが存在していて、警察に嘆願書を提出したらしいが、
警察側が受け取りに難色を示したらしい、との事が・・・

なにやら、雲行きが怪しくなって来ました。

一方、6月15日のコスモスの放送時間には、冒頭に簡潔な説明で
コスモス放送中止を伝えてから、アニメ映画「ウルトラマンM78劇場」が
放送されました、が・・・、正直言って寂しい事でした。
こんな形で、物語が完結する事なく終わってしまうなんて・・・。

しかし、世の中では同じ考えを持った人たちがいたものです。
情報によると、毎日放送には、コスモスの物語を完結させて欲しいと、
そして映画の配給先の松竹には、映画上映を望む声が、次々と
寄せられたのでした。
当然、私も荷担させて頂き、メールを送りつけたのは
言うまでもありません。

こうした声を受けて、テレビシリーズにて、コスモスの最後の戦いを
描いた「特別総集編」が2回に渡っての放送が決まり、
映画の方も、主役の登場シーンを削除して、なおかつ新規撮影シーンを
加えて編集し直した、特別版での上映が決定したのでした。

テレビの特別総集編については、放送決定から4日後に放送という
かなりの強行スケジュールでした。
未放送分の20話前後から、主役の登場シーンをカットしつつ
物語を見せていく、という無理難題に対して、恐らく不眠不休で
編集したであろう、スタッフの方々の苦労と努力には
頭が下がる思いです。

こうして、特別総集編が放送された後には、ビデオシリーズとして
発売された「ウルトラマンネオス」が放送される事になりました。
ネオスは全12話の一話完結のビデオシリーズですので
残された3ヶ月分の時間帯を埋めるには都合が良かったのでしょう。
しかし、予告などは一切放送しなかったのと、特別総集編の最後の
メッセージから考えて、いつでも放送再開が出来るようにと、
スタッフも考えているようでした。
スタッフの方々も、主役俳優の無実を信じていたのでしょうね、きっと。

この頃には、一時閉鎖していた円谷プロの掲示板も復活していまして、
今回の出来事に対する色々な人達の意見が連日、書き込まれていました。

そして私は再びアングラを徘徊して情報収集を続けていました。
どうも、今回の事件は冤罪である可能性が強くなってきたからです。

一方、他のファンの人々も、色々と手を尽くしていたようでした。
インターネット上で、署名を集めて嘆願書を作成して警察や制作サイドに
出していたファンクラブもありました。

そして6月27日に弁護士が、無実を主張する陳述書を
大阪地検に提出していたとの情報が入って来たのです。
しかも、被害者の少年が俳優の弁護士立ち会いのもとで、
「事件そのものが狂言だった」と認める陳述書の作成に応じたものです。

・・・これは完全に冤罪ではないのか?と、思ったのですが
念のためにと、再び情報集めに奔走しますと・・・
どうも被害者の少年の狂言だった、と言う事実はかなり信憑性が
高いらしいとの事。
一方、警察の副署長は、取材に対し驚いた様子で
「そんな陳述書が存在するとは思えない。
詳しくは言えないが、とにかく立件する自信はある」と・・・

ただの暇人である私が、ネットで集めた情報ですら、これだけ
不可解な点があると言うのに、何の根拠で「立件する自信はある」と
言い切れるのでしょうか?

元々、権力不信者な私ですので、思わずココの警察署のホームページへ
嫌がらせのメールを、ウィルス付属で送りつけてやろうか?とも
考えましたが、自分が逮捕されるのも嫌なので断念しました。

そして6月28日に、警察が主役俳優に対して
一度も事情聴取しないまま、逮捕していたことが明らかになったのです。

・・・いや、結構あるみたいですよ。こういう事って。
訴えた側の言葉を鵜呑みにして、相手の意見を聞く事もなく逮捕。
逮捕してしまえば、後はどーにでもなるんだから、警察ってところは。
(かなり問題発言)
・・・こんなコトやっているから、日本の治安が悪くなるのですけど
本人達は自覚症状が皆無なので、処置なしですね。

ここまでくれば、後はメディアが騒いでくれるので
警察の意固地な態度もここまででしょう、と思った私は
別の行動をするためにと、一休みを決め込みました。

そして7月2日、遂に大阪地検は、処分保留のまま主役俳優を釈放したのです。
「処分保留」とか「追送検」と、警察側はあくまで非を認めようとは
しませんが、いつもの事なので放って置きましょう。

これを知った私は「別行動」を起こす事にしました。
コスモスのテレビシリーズの再開と、映画をオリジナル版での上演です。
それぞれにメールを送った後に、円谷プロの掲示板を覗いてみますと
私より早く行動をした人達が多くいた事にビックリしました。

こうして、7月20日から、再びコスモスのテレビシリーズが再開されて
映画の方も無事に、オリジナル版での上映が始まったのでした。

・・・いやはや、かなり簡単に今までの経過を振り返って来ましたが
本当に色々ありました。
しかし今回の一件で、嬉しかった事がありました。
正直言って、ウルトラマンコスモスはあまり、話題にのぼる機会が
少なかったので、世間的にはどう思われているのか不安だったのです。
今回の一件で話題になってしまったのは、皮肉な話なのですが
逆に子供たちや親から、大変な人気を得ているが良く分かりました。
・・・いいんですよね、コレで。
ウルトラマンは子供たちの物ですから。

しかし、大人達が関心を示さないってのも、少し寂しい気がしますけど・・。

先日、「ウルトラマンコスモス2 ブループラネット」を
観て来ました。(周りは全部、親子連ればっかりだったけど・・・。)
いやはや、今回の上映に対しては、自分も少しばかりは力添えが
出来たのかな?と考えると、感慨深いモノがありましたね。
思わず、涙が出そうになってしまいましたヨ。
あ、映画の方は、なかなかの娯楽活劇として楽しめますから
気が向かれたら、映画館へどーぞ・・・

・・・そう言えば、17日からは「ハリケンジャー&仮面ライダー龍騎」の
映画が公開されますね。
(しっかり前売り券を買って来ました。馬鹿丸出しですナ)
・・・また、親子連れに囲まれるハメになりそうです・・・

では、今回はコレにて。






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