タイトル■処女的衝撃 〜初体験はドッキドキ。〜
書き手 ■杉浦ぱっとん

大人になって、たいがいのことは経験済みに
なったら、一番ドキドキするのは、新しい人、
新しい感性、新しいものの見方に出会うこと。
だからこそ、あんなことや、こんなこと…、
過去や現在の初体験について書いてみたい!
あなたの「初体験」も思い出してみて下さい。

>>これまでの処女的衝撃


第2回「初めての“遺書”」

文藝春秋という雑誌をご存じですか?

世間的には
おっさんが読む雑誌
と認識されておりますし
考え方的には全面的にイエス!とは
言いきれない雑誌ですが…

ぱっとんは
この雑誌、毎月買うわけではないものの
企画的にそそられる特集が組まれているときは
つい買ってしまいます。
(芥川賞受賞作がいち早く読めたりする号もあって
けっこうおトク感があるんですー)

雑誌というには全然ポップじゃないし
新幹線で読んでいたりすると
少なからず隣の席の人に
「ギョッ」という顔をされることうけあいです。

その文藝春秋の最新号の特集が
「遺書 80人  魂の記録」というものでした。

文字どおり、作家、軍人、芸能人
さまざまな人の「遺書」を
たっぷり80人分掲載する、
という個人的には非常にそそられる企画でしたので
迷わず購入しました。

有名どころで言えば
芥川龍之介、鶴田浩二、宮沢賢治…
最期に残した言葉は
やっぱり重みがあります。

死因は病死であったり自殺であったり
様々ですが

すべて読んで
1つだけ、涙がこぼれた遺書がありました。

山田康雄氏のものです。

そう、ルパンの声優として
知らない人はいないでしょ?

  すてきな人生だったよ
  紀美子がいて
  夏織がいて
  浩康がいて、ポケなんかもいて
  やっぱり、紀美子がいて
  ありがとう    山田康雄

脳溢血でこの世を去った山田氏の遺書。

紀美子さんはきっと奥さんの名前。
夏織さん、浩康さんは子供の名前。
そしてポケは飼い猫の名前。

ねえ、すごくシンプルだけど
何度読んでも涙ぐんじゃう。

本気で遺書を書くときが
いつか自分にも来る、のかな。
もちろん突然事故にあったりしたら
そんな余裕はないけど。

1度だけ、遺書を書いたことがあります。
小学生の頃、他愛もないことが理由。

母親に理不尽なことを言われて
自殺してやる、と思った。
自室でノートに書きなぐったことを
憶えています。
でも「ごはんだよ」の声に
すべてバカバカしくなるくらいの
ほんと、どうでもいい理由だったから、
まだ「死ぬ」ということを
具体的には考えられなかった時代の話ですね。

初めての、本気の、どうしても伝えたい、
そんな遺書は、山田氏のようなものでありたい
と思う。

今、死ぬとしたら
私はまっ先に、誰にあてて遺書を書くのかな?
書きたい、書くべき相手がいるのかな?

残念ながら、現時点では
山田氏のような遺書は書けそうもないです。

死ぬ時は、自分が納得のゆく、
読んだ人も納得のゆく、
そんな遺書を書きたいものだなあ…

そんなことを
ベッドで横になりながら考えているうちに
なんとなく体が眠りにつきそうな
気配になってきました。

が、ヤバイ!
どうやら金縛りにあいそうです。
(金縛りにあう前は自分でわかるのです)
しかも、ただの肉体的な金縛りではなく
今回のは、ちょっとイヤな気分のものになりそう。
(なぜか急に現在形ですが)

というわけで、次回は
「初めての金縛り」をテーマに書きたいと思います。
今回の金縛りは気持ち悪かったのよー。
(霊の存在とかは、あんまり信じない方ですが)

つづく





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