タイトル■処女的衝撃 〜初体験はドッキドキ。〜
書き手 ■杉浦ぱっとん
大人になって、たいがいのことは経験済みに
なったら、一番ドキドキするのは、新しい人、
新しい感性、新しいものの見方に出会うこと。
だからこそ、あんなことや、こんなこと…、
過去や現在の初体験について書いてみたい!
あなたの「初体験」も思い出してみて下さい。
>>これまでの処女的衝撃
第8回「はじめての“ひとり旅”その6
ビールは誰かと飲んだ方がうまい の巻」
まだ1月2日 夜Tさんの留守電メッセージで
実は引っ越しをして、現在はブルックリンに住んでいるので
電話番号がちょっと違うこと、
そして私がニューヨークに行くというメールを
昨日になって初めて読んだこと、
そこに書いてあったホテル名をたよりに
番号を調べて電話をかけてくれたこと
を知った。さっそく折り返し電話をかけたいところなのだが
クレジットカードを持たない私は
ホテルの部屋から電話をかけることができないのである。
ルームチャージとして、後で現金で払う
という信用が通用しない客なのだ、私は。
さすがカード社会アメリカ。下まで降りていって、公衆電話を使用する。
つながった!「もしもし、Tさ〜ん!」(思いっきり日本語)
しばし話をすると、うわっもうコインがないのよ〜。
そして、部屋から電話がかけられないという状況を説明し
失礼ながら、部屋の電話に折り返しかけてもらうことにした。その電話で、さっそく今から
ごはんを食べましょうということに。
「どこに行きたい?」と聞かれたけど
「とにかく1人でビール飲むのイヤなんで、
一緒にビール飲んでくれれば、どこでもいいです!」
ということで、Tさんがホテルまで迎えに来てくれることに。小1時間ほどしてロビーに着いたと連絡が入る。
「キャー、ハッピーニューイヤー!」
日本じゃ絶対しないだろうハグも、自然にできるのね。そしてコリアンタウンの韓国料理屋さんに
連れていってもらうことに。
地下鉄で移動。
そういえばニューヨークに来てから
歩いてばっかりで地下鉄にまだ乗っていなかった。少し恐いイメージがあったけど
汚いだけで、そんなことはない。
その昔ジョン・ライドンが来日時に
「日本の地下鉄ってヤツは本当にキレイで床でメシが食えるくらいだ」
なんて言ってたけど、ほんと、
ニューヨークとかロンドンとかと比べたら
日本の地下鉄ってば清潔。
実際、最近じゃ床でメシ食ってるヤツいるもんね、日本。韓国料理屋といっても、なぜか寿司とか刺身も置いてある。
聞けばこっちの韓国料理店は
ほとんどそうらしい。
確かにアメリカ人からしたら、日本も韓国も
同じ文化の民族だって思うよね。
私たちが白人の顔を見て何人だかわかんないのと
同じように。そして念願の「カンパ〜イ!」
んっっっっっっまい!
やっぱビールは1人で飲んでも味気ないもんね。
って、ひとり旅を楽しむ方向で来ているのに
なんだか矛盾しておりますが。
ううん、ひとりの時間があるから、
誰かと一緒にいる楽しさも味わえるのよ。
両方大事!
そんな当たり前のことを思う。そしてしばし近況報告などをする。
Tさんは前からアグレッシブな人だと思っていたけれど
久々に会って、より前向きというか、力強くなってる気がした。
さすが単身渡米を決意しただけのことはある。
そして、たかだか3泊5日のひとり旅で
ドキドキしている自分がとてもショボく感じられた。店を出て、歩きながら
「ここがロックフェラーだよ」とか
いろいろ案内してもらいながら、ホテルに戻る。
そういえば美術館と買い物ばっかりで
観光名所というものを、何も見ていなかったな。
ロックフェラーは日比谷シャンテに似ていた。
敷地内には数えきれないくらいの星条旗。
本来はいろんな国の国旗が掲げられているそうだが
なんせ今年は、あの忌まわしい事件のあと。
ゆえに、すべてがアメリカ国旗なのだとか。そんなこんなで、明日も会う約束をして別れる。
ホテルの部屋に戻り、
残り1日(明日)の予定を組み立ててみる。
今はもう寂びれているという話だが、
リトルイタリーにも行ってみたい。
しかし、MOMAはハズせないし。
SOHOでショッピングもしなくちゃ。
でも、グリニッジ・ヴィレッジのレコードショップにも行きたい。……どう考えても時間が足りない。
しかも他にも、Tさんに連れてってもらいたいところがあって、
明日は午後4時くらいに待ち合わせをする予定だ。こうなってくると、もう降参!
とりあえず朝イチでMOMA(美術館)に行く、
ということだけを決めて、あとは
美術館を出たときの気分次第!ということにした。忙しい〜、でも楽しい〜。
やっぱり初めてのひとり旅を
ニューヨークにしてよかったなあと思いつつ
心地よい疲労の中で眠りについた。<つづく ニューヨーク2日目、ようやく終了>
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