タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

>>これまでの記録


<06> 12月21日(金)

■■  狼軍団・極東支部!  ■■

リングス、年内最終試合、
横浜文化体育館へ。

客入りは半分くらいか。
さびしい入りではあるけど、
まだこれだけファンがいるとも
考えてもいい。

そして今日は
本当に久しぶりに
気持ちのいい興行だった。

自分の中で
現在の新しいリングスを
見る方法が確立できた!

一昨年からルールを
改正し、より世界に向け
門戸を開放。

しかし、その結果、
もともとのリングス所属選手は
ことごとく惨敗!

そしてリングス選手を破り
新たにスターになった選手は
すべて「PRIDE」に
引き抜かれた。

ダン・ヘンダーソン
アントニオ・ホドリコ・ノゲイラ
ギルバート・アイブル
ヴァレンタイン・オーフレイム
などなどまだまだ

日本人スター選手も
大半が離脱。

田村、山本、成瀬、坂田…

スターはいない
また作っちゃ引き抜かれる
金はない
メディアにはろくにとりあげられない
客は減る一方

残ったわずかなスター選手
金原と高阪をプッシュするかと思いきや
前田日明は、
毎回毎回、ホントにイヤになるくらい
無名の強豪をぶつけ
金原も高阪も当然、スカッと勝てない
人気も低迷していく

そんな悪循環で
リングスは
求心力も
遠心力も失い
弱体化していく一方に思えた

前田は何を考えているんだ?
商売する気ないのか?

そう思ったこともあった

リングスファンとして
忸怩たる思いが何年も続いた

しかし
今、気がついた

今、最も注目を集めている
猪木軍vsK-1は
「対紅白歌合戦」という
本当にどうでもいいようなテーマで
イベント成功、視聴率獲得のためだけに
つき進んでいる

大人気の「PRIDE」も
メジャーなイベントとしての確立に向け、
実に広告代理店的な発想で
無節操にただ多団体から選手の引き抜きに奔走

そこにはなにも思想を感じられない

資本主義社会なのだから
決して間違ってはいない
俺も楽しんで見てもいる

だけど、そこから
学べるもの、リスペクトできるものは
あまりない
というか、もうウンザリしてきた

ウケればよい
客が入ればよい
視聴率が取れればよい
金が儲ればよい

そういう価値感は
アメリカがテロを受けたことを象徴に
もう時代に「NO!」と言われた
20世紀的な古い考え方なのではないか?

そう考えると
資本主義の原則に背を向けた
リングスが俄然、輝いて見えてくる
(だからこそロシアの選手がリングスの主力なのかも)

前田日明は
誰も知らない無名の実力者を
世界の辺境から次々と連れてくる
まぎれもない本物の実力者達だ

そして、誰も知らないような場所で
そんな無名な連中が
ひっそりとスゴイ試合をしている

やがてスターに育つと
また引き抜かれる
その繰り返し

でも、それでもいい!
と思えてきた

むしろ、
じゃんじゃん引き抜きやがれコノヤロー!
だ。
そしたら、また前田がまたとんでもない強い奴を
世界のどこかから発掘してくるだけの話だ

立派な店構えで
いい商品も悪い商品も並列に
キレイにラッピングし
広報宣伝にお金をかけている
スーパーマーケット
…それが「PRIDE」

誰も知らないような
上質の商品を置いているのに
店構えも汚く、
ろくに商品紹介もせずに
ポンとただ商品を置いている
商店街の目立たぬ店
…それが「リングス」だ

「本物が置いてあるんだから
 いいやんけ」

そういうある意味、
商売ベタな目利きの店主、
それが前田日明だ。

そんな前田日明の
不器用な生き方がやはり
俺は好きだ

商売人としては失格だけど
生き方が美しい
キレイだと思う

学ぶべきものが
たくさんある

誇大広告ばかりが氾濫し
質より知名度、
実より花の部分ばかりが
上位概念になっている現代に
こんな生き方があってもいい
貴重だ

試合を見ながら
そんなことを考えていた

リングスの現在の主力選手は
ヴォクル・ハンの門下生のロシア人たち。
とんでもなく強く、
そして地味な連中だ
別名「狼軍団」!

「ヴォルク」とは
ロシア語で「狼」なのだ

だから「狼はガガーリン空港へ行く」は
「狼軍団」極東支部だ!(?)
同志だ!!

そう考えると、
めちゃめちゃコーフンしてきた!

なんだかオミヤゲを
いろいろもらい
本当に久しぶりに
気分よく今日は
帰ってくることができた。

そして俺の心も
2〜3年時間はかかったが
再びリングスに帰ることができた

オーガガの今後にも
たくさんのヒントが見えてきた

いい日だった


  (つづく)







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