タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

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これまでの記録


<113> 5月18日(土)

■■ 愉快痛快!スパイダーマン ■■


見てきました!「スパイダーマン」。

正直申し上げて
とても面白かった!

ストーリーは単純明快、
アクションは痛快、
笑いあり涙ありロマンスあり
孤独なヒーローの哀愁ありで
文句なしの面白さ!

…というと芸のない宣伝コピーの
ようですが、まさにそんなかんじ。
エンターテイメントとして
かなり満足のいく映画でした。

もちろんストーリーは
ムチャな部分が多々あります。

主人公がスパイダーマンになる経緯もムチャなら、
なってから何の葛藤もないのもムチャ、
スパイダーマンの活躍にニューヨーク市民が
何の疑問も抱かないのもムチャ、
グリーンゴブリンの正体なんて絶対バレバレなのに
誰も追求しない、…などなどムチャだらけ。

言い出したらキリがありませんが、
ま、んなことどうでもいいか!
と思えてしまう力技の作品に
仕上がってると思います。

のび太のようなさえない高校生が
特異な力を見につけヒーローになっていく
変身願望を描く成長物語であり
地方都市から大都会ニューヨークに
出たいと願う若者の上京立志の物語であり
秘かに想いをよせていた女の子(隣に住んでる)との
淡くせつないラブストーリーでもありと、
普遍的な青春ドラマの要素てんこ盛りで、
感情移入もしやすいです。

ラブストーリーの部分でいえば、
雨の中のあるラブシーンは、
「スパイダーマン」でしかあり得ない
奇妙だけれど美しい名場面になっていて、
「映画ってホントにいいですね〜」
と水野晴郎先生のようなセリフを
口にしたくなりました。

またスパイダーマンの敵となる
グリーン・ゴブリンに変身する
ウィルアム・デフォーの顔が最高!

ディナーをつまみ食いしたのを
おばさんに注意されて「ギロリ!」と
にらむシーンがあるんですが、
オトナ気のカケラもない悪意むきだしのその顔は
たまらないものがあります。

監督が「死霊のはらわた」や「ダークマン」の
サム・ライミですから、大バカ路線を期待してしまうと
意外とそうでもなかったので、そういう意味では
少々ガッカリしないでもないですが、まあそれはそれで。

(そう考えると、ポール・バーホーベンのいつ何時も
 大バカ精神を忘れない姿勢に改めてリスペクト!)

あと、プロレスファンに注目して欲しいのは
なんと“マッチョマン”ランディ・サベージが
重要な役で出演しているんです!

最初に「あれ、もしかして…?」と思ったんですが、
コーナー最上段からフライングエルボーを放つ
ポーズを見て確信しました。

今年はホーガンも異常ともいえる活躍をしてるし、
こうして元気そうなサベージも見られたし、
10年前のWWFが好きだった人間には良い年だなー。

ただ、「スパイダーマン」に唯一不満があるのは音楽。

やはり映画には、その映画を象徴するような
メインテーマとなるべき曲が必要だと思うのです。
わかりやすい例をあげれば
「ミッション・インポシビル」のように、
テーマ曲が映画の代名詞になるような。

「スパイダーマン」に関していうと
音楽がまったく印象に残らない。
エンディングも最近の大作映画にありがちな
悪しき風習で、複数の曲が流れます。
これがなんとも惜しい…。

その点では、昔日本でやっていた
「スパイダーマン」の方がよかったなぁ。
子供の頃に何かを登る時には
スパイダーマンを意識して
必ずそのテーマ曲を口ずさみましたから。

チャ〜チャッチャッチャッチャラ
デケデケデケデケッ…デレッテレ〜♪
ジャン!
ビ〜ルのお〜谷間の暗闇に
スッパイダマン♪

…こんな歌でした。
見てた人は今でも覚えてますよね?

ただ、そういう細かいことを
気にしなければ十分面白い映画でしょう。

ゴチャゴチャ言わんと楽しい映画を見たい!
という人はぜひどうぞ。

映画が終わった後、グッズ売り場に
人が殺到していて、ポストカードを手にした
中学生がこんな風に言ってました。
「スパイダーマン、かっこいいよお〜!」

異義なし!



(つづく)





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