タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

>>これまでの記録


<16> 1月8日(火)

■■ カキフライと塩天丼 ■■

関ちゃんの取材後、
カメラマンMさんと昼めしを食べに
四谷のある天丼屋に入った。

見なれない、松屋に似たスタイルの
天丼のファーストフード店。
店の外には「塩天丼」なるものが
目玉として大々的にアピールされていた。

“塩天丼”
天ぷらは、ツユより塩!
なにやら店主の心意気を感じる。
天ぷら気分ではなかったが、
気になった。

だが、食券の自動販売機を見ると
ずいぶんメニューが豊富だった。
天丼にもずいぶんバリエーションがあり、
それ以外の定食も充実していた。

パっと見て最も心魅かれたのは、
「カキフライ定食」だった。

「うう、カキフライ…!!」
妻がカキ嫌いなので
食卓に並ぶことはなく、
定食屋にも居酒屋へも
あまり行かない生活になったため
最近はあまり食べる機会がないのだ。

「サクサクの衣に包まれた
 熱くジューシーなカキが…」

そんな貼り紙のコピーに
唾を飲み込む。

「Mさん、何にします…?」
「んー、カキフライにしたいんだけどね…」

どうやら気持ちは同じだった。
しかし初めて入った天丼屋である。
ここは「塩天丼」とやらも試してみたい。
フロンティア精神は都市生活者の基本。
しかし気持ちは、正直カキフライ…!

意見交換と思案で
数分間の時が流れ、
やがてひとつの結論が下された。
それぞれ天丼を注文し、
カキフライは単品注文して
二人でシェアする。
前向きな妥協案である。

だが問題は「カキフライ定食」はあっても
単品のカキフライの食券は売っていないことだ。

Mさんが意を決して
店員にお願いしてみた。

だが、あっさり
「できません」
と無情な回答。
譲歩の余地はないようだ。

ファーストフードは
あくまでもシスティマチックで
ドライである。

仕方がない。
カキフライはいつでも食べられるが、
ここの天丼は
二度と食べる機会がないかもしれない。
一期一会。
今回は縁がなかったと諦めよう。
俺は「塩天丼・上」
Mさんは「カレー天丼」を注文した。

果たして「塩天丼」とは
いかなるものだったか?

天ぷらと米に、のり塩がふりかけられた
「ふりかけごはん」みたいなものだった。

俺はふりかけが好きじゃない。
ごはんは白いままが一番と考える者である。
カルビーポテトチップスの「のりしお味」に似た
その天丼は、味もポテチぽかった。

Mさんの頼んだ「カレー天丼」も
天ぷらにちょろっとカレーソースが
かけてあるだけのようだ。

店を出た瞬間に我々は
押し殺していた感情を同時に吐き出した。
「カキフライ定食にすればよかった!」

この一件で我々が取るべきだった
最も正しい行動はどれだったのだろう?

1)最初のカキフライという直感に従うべきだった
2)トライアル&エラー精神が重要。天丼で問題なし
3)無理してでも両方食べるべきだった
4)あえて第3の選択肢(トンカツなど)を選ぶべきだった
5)融通のきかないファーストフードのシステムに断固抗議
6)違う店に入るべきだった

あなたならどうした?

<今日のオーガガ情報>
「一発太郎」でたくさんの検索エンジンに登録。
時間のかかるサイトもあるようだけど、
これでロボット検索にひっかかるはず。
ここにはもう反映されてました。
http://www.netisland.jp/

(つづく)





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