タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

>>これまでの記録


<52> 2月20日(水)

■■ 植物と死 ■■

うちには植物がたくさんある。

このパソコンが置いてある机にも
「ジャックと豆の木」という植物がある。
日の当たる方にぐんぐん伸びている。

あたりまえのことだけど
植物には水をあげないと
死んでしまう。

20歳の時だったかな?
バイト仲間がお金を出し合って、
誕生日に大きな観葉植物を
プレゼントしてくれた。

買うとかなり高いものなので
すごくうれしかった。

にもかかわらず、水をやることを
すっかり忘れていたら
しばらくすると死にかかっていた。

あわてて、栄養になる薬を
花屋でいろいろ入手してきたけど
もう手遅れ。
生き返ることはなかった。

反省はしたものの
バカは死んでも直らない。

新しい植物を買ってきても
しばらくすると
その存在を忘れてしまい
水をやらずに
また殺してしまう。
その後もいろんな植物を
殺し続けた。

動物は声を出したり
行動でアピールできるから
忘れにくいのだけど
それができない植物のことは
ついつい忘れがち。

植物には
アピールする術がないのだから
こちらが気を配ってあげなくちゃ
いけない。

とはいえ、毎日
植物の存在を思い出すことは難しい。
思い出しても、後まわしにしたり、
見てはいても
水をあげることを忘れてしまう。
他のことに夢中になっていると
かなりの間、忘れていたりする。

で、ふと見て
ションボリしてることに気づく。

あわてて、水をやると
また元気になる。

もしかしたら水だけでなく
思い出してもらったことに対して
嬉しく思って
元気になるのかもしれない。

でもそのタイミングが
遅ければ、死んでしまう。

植物から教えられることは多い。

人間も同じだな、と思う。

見てるだけでは死んでしまう。
世話をしなくちゃ死んでしまう。
声をかけなきゃ死んでしまう。
忘れていると死んでしまう。
何もしないと死んでしまう。
気がついた時には、もう遅い。

死=終わり

たぶん
なんでもそう。
友達も恋人も親子も会社も
機械も地球も
あらゆるものすべて。

「忙しかったから」
と言い訳してみても
生き返りはしない。

誰かがやってくれるだろう、
と思ってちゃいけない。
だからいろんなものが
死んでいく。

死んでいいものならいいけど
死んでほしくないものには何かしよう
難しいことだけど大事なこと

…目の前では
「ジャックと豆の木」が
少々ぐったりしてる。

水、あげなくちゃ。

他にもきっと
いろいろ忘れてることがある。
たぶんすごくたくさん。
思い出さなくちゃ。

手遅れにならないように。
また何かが
死んでしまわないように。

(つづく)






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