タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

>>これまでの記録


<60> 3月1日(金)

■■ 若さ ■■

花田紀凱編集長のインタビューに行った。

「週刊文春」の編集長として
数々のスクープで業界に名を轟かせ、
その後「マルコポーロ」編集長に就任し、
3万部だった部数を15万部までに伸ばす。
あの事件により廃刊になった後は、
「UNO」「メンズウォーカー」など
各誌の編集長を務め、現在は「編集会議」編集長。
日本で最も有名な編集者の一人。

俺のような仕事をしている人間には
大先輩であり、最高峰みたいな人だろう。

南青山にある「宣伝会議」で取材だったが、
「ブルータス」に出てきそうなオシャレな建物だった。
「本当にこういうオフィスってあるんだなぁ」
とか思ってしまった。
実際、女性誌のグラビア撮影なども
よくおこなわれるらしくて、
なんだかニューヨークにいるみたいだ。

さて、花田さんはどんな方だったか?

良い意味で、すごく無邪気な方だと思った。
本当に雑誌編集が大好きで、
楽しくて仕方ないという気分がすごく伝わってきた。
失礼な言い方かもしれないけど
「編集バカ一代!」あるいは「男どアホウ編集者!」
そんなキャッチコピーが浮かんできてしまった。

なにしろ36年この仕事をやってきて
「一度も飽きたことがないし、面白くてしょうがない!
 雑誌の編集のことを考えるとゴキゲンになってしまう」
というのだ。

気さくな方で
自分の作った企画や雑誌のことを
実に楽しそうに話す。

「こういう企画もやりたいんだよね!」
と突拍子もないようなアイディアも語る。

取材というよりは、少し年上の編集仲間と
普通に話しているような感覚だった。

60歳とは思えない若々しさ。
正直、自分の方が老けているような気がしてしまった。
なんだか羨ましかった。

でもそう思えてしまうのは
問題だよなー。

ターザンさんにせよ、富野さんにせよ、猪木さんにせよ、
50〜60歳になる人達のこの元気ぶりはなんなんだろう?

自分も含めた年齢的に若い連中よりも、断然若い!
バイタリティに満ちていて、実に楽しそう!

サラリーマンだから、とか、フリーだから、とか
こういう仕事だから、とか、景気が悪いから、なんてのは
言い訳でしかないように思えた。

やる人はちゃんとやっている。

状況じゃなく、気持ちの問題だな。

負けている場合ではない!
とは思うんだけど

さて…

(つづく)





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