タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

>>これまでの記録


<70> 3月15日(金)

■■ 今日は完璧さ ■■

確定申告に行くために
いつもより早めに
更新作業しようとやや早起き。
といっても7時半だけど。

更新メニューが多めの日は
なんだかウキウキしてしまう。
寿司屋でいえば、
いいネタ入った時と
同じような感覚なのかな?

作業はスムーズに進み、完了。

朝まで降っていた雨は止み、
晴れ間が広がってきた。

なかなか連絡が取れなかった
来週取材予定のアポイントも取れ、
今日はもう仕事も完了。

いいことづくめ!

自転車に乗って
税務署に向う。
地図によれば、わりと近いはず。

空はすっかり晴れ、
春を通り越して
初夏を思わせるほどの暖かさ。
もう完璧に春だ。
待望の春がやってきたんだー!

自転車で税務署に
向っているだけなのに
やたらと心が踊ってくる。

見知らぬ道を走る楽しさ
仕事の心配事が消えた喜び
最大に面倒な確定申告ももうじき終わり
そして春…!

なんだかそれだけで
世界で一番幸せな気になってきた。

「俺はいまモーレツに幸せだあ!」

星飛雄馬ばりに大袈裟に
感動している自分を「単純バカだねー」
とも思うのだが、
本当に感動しているんだから仕方ない。

歩いていたらスキップしかねないほど
ルンルン気分。

小さな川も、
京成電車も、
走っている車達も、
道を歩いているおばさんも、
しょぼい商店街も
閉まっている蕎麦屋も
静かな住宅街も
すべてが愛しく見える。
春の魔法?

税務署が見えた。
でも腹ごしらえしてから
入ろうと思って
近所の中華料理店に入る。
小綺麗なお店だった。

「模倣犯」を読みながら
チャーハンを食べる。

「模範犯」は面白い!
チャーハンも結構うまい!
店員さん達のかんじもいい!

「俺はいまモーレツに幸せだあ!」
とまた思う。

会計をしていると
厨房にいた青年が急に声をかけてきた。
「そのバッグ、かっこいいっすね!」
ホールの女の子達は「もう〜」なんて
笑っていて、またまた
平凡な小市民としての幸せを感じる。

さて、税務署だ。
混んではいたけど
そんなには待たずに
順番がきた。

親切に教えてくれるので
言われた通りに書けば大丈夫そうだ。
「な〜んだ、案ずるより生むがやすしきよしじゃん」
くだらんダジャレを飛ばせる
余裕さえ出てきた。(もちろん心の中で)

収支内訳書が完成したところで、
「源泉徴集票」を見せてと言われる。
見せたのだが、
「会社にいた頃のは?」と聞かれ、
「え!?」と固まった。

俺が持ってきた退職時の源泉徴集票は
どうやらいらないもので、
それじゃないものが必要みたいだった。
…そんなの家になかったぞ!

「ないとダメですか?」
「そうですねぇ。必要ですね」

ガーン!ダメじゃん!

「家に戻って探してみて
 なかったら取り寄せます…」
とぼとぼと帰るハメになった。

マヌケだ。

さっきまでの幸せ気分は
すっかりしぼんでしまった。
ションボリである。
暗黒である。

「ははは、おれの人生こんなものさ」
と落ち込みながら、家に向う。
風景はすっかり色褪せてしまった。

家に戻り、退職時にもらった紙を
いろいろ漁るが、やっぱりない。
手紙類などが入っている袋も漁るが、ない。
状況は絶望的。
また当分、確定申告から開放されないのか…

「仕方ない。取り寄せよう…」
と思いながら、念のため文具類が入ってる
引き出しをガサゴサひっかきまわしていたら、
底の方に、なにやら紙が…!

あったぞー!
しかもまた領収書もでてきた!

絶望的状況からの見事な逆転勝利。

収支内訳書を書き直し、
ふたたび税務署へレッツゴー!

「俺はいまモーレツに幸せだあ!」
の気分がまた帰ってきた。
景色も輝きを取り戻した。
春っていいね!とまた思った。
…つくづく単純なのだ。

税務署に着くと、
今度もすぐテーブルに案内され、
言われた通りに書類を書くだけなので
サクサク進んだ。

隣のおばさんは何回も書き直しになってるし、
向いのドカジャンを着た真っ黒な顔したおじさんは
「わかんねえよ。おれもういいよ!」
なんてヤケクソになっている。
な〜んだ、みんなわかんないんじゃん。
自分は割とスムーズに記入できているので
もうすっかり余裕。

俺が言うのもナンだけど
駄々っ子みたいにトンチンカンな
質問をしている周りのおじさんおばさんに
親切に対応してる係の人は本当に大変そう。
偉いなあ。

園児と先生みたいだ。
確定申告会場は大人の幼稚園みたい。
もちろん俺も園児だけど。

斜め向いには
ちょっと色っぽい美人の奥さんが
座っていて、少し得した気分。
ちらっちらっと眺める。

そうこうしているうちに
書類は完成!そして提出!

終わったぞー!
気分爽快だー!

ここんとこずっとモヤモヤした霧が晴れ、
本当に久しぶりに晴れやかな気分。
今日はもう仕事もないし、スッキリ爽やか!
「俺はいまモーレツに幸せだあ!そして自由だあ!」

異常気象に思えるほど暑いから
ビールを飲むには最高の日。
となれば、行くしかないっしょ!

八島くんを誘い、
夕方6時半から、飯田橋で飲む。
彼も仕事が一段落したそうで
すっかり楽しく盛り上がった。
ビール最高!日本酒もうまい!
串焼き屋→バー→天下一品でラーメン

今日は完璧さ。

(つづく)






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