タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

>>これまでの記録


<71> 3月16日(土)〜17日(日)

■■ 朝まで「模倣犯」! ■■

ねむい…。

今は18日・月曜日の朝9時。
昨夜、っていうか、さっきかな?
朝5時すぎまで本を読んでいたので、
3時間くらいしか寝てないのか。

ねむいけど、高揚してる!

この土日、とにかく時間を見つけては
宮部みゆき「模倣犯」をずっと読んでいた。
「筋肉番付スペシャル」や「ハリケンジャー」見たり
「ロード・オブ・ザ・リング」見に行ったりしながら、
でもほとんどの時間を読者に費やしてた。
これだけ夢中で小説を読んだのは久しぶり。
まさに「眠るのも忘れて」というやつ。

で、昨夜から朝まで
一気に読みふけって
遂に読み終わったのです!

上巻721ページ(厚さ約35ミリ)
下巻701ページ( ほぼ同上 )

しかも本文2段組みだから、
相当なボリューム!
読みも読んだりだけど
書きも書いたり!
400字×3551枚だそう!すげえ。

感想はもうこの一言に尽きる。
「面白かった!」

毎日出版文化特別賞や
司馬遼太郎賞など賞を総なめし、
「このミステリーがすごい!」でも第1位
ということだけど、納得。

まあ、そんなことはどうでもいいか。
ともかく、面白かった!

ミステリーだから謎をめぐる
ストーリーはもちろんだけど、
人間描写がとても繊細で、
ある狂気的な犯罪をめぐる群像劇として
読みごたえバツグン!

犯人や被害者、
またはその身内の人から
警察、通りすがりの人まで、
実に多種多様な人が登場し、
どの人もとても丁寧に描かれている
めちゃめちゃ重層的なドラマ。

共感したり、反感を抱いたり、
喜んだり、悲しくなったり、
ワクワクしたり、怒りに震えたり、
勇気がでたり、残酷な気持ちになったり、
怯えたり、苦しくなったり、ホッとしたり、
犯罪について考え、自分について考え、
親について考え、子について考え、
仕事について考え、結婚について考え、
絶望について考え、希望について考え、
そして「惡」とは何かを考えさせられた。

めまぐるしく感情を回転させながら、
ぐいぐいと話に引き込まれる!

年齢も立場も違う様々な人々が
場面ごとに主役になり、
ルービックキューブのように
物語は多様な断面を見せながら
変化し、クライマックスに向う。

誰にでも起こりうる悲劇の恐怖、
それと反するような「惡」への憧れ、
どちらの意味でも怖い小説だった。
現代の物語として、かなりリアル!

そして、宮部みゆきという人の
人間(特に普通に地道に暮らす人々)への
視線の暖かさにも感動した。

さて、森田芳光監督による
映画はどうなるのだろう?

このパズルのような物語を
どのように映画化するのか
すごく楽しみ!

過去の森田作品を考えると
「の・ようなもの」や「メインテーマ」
などパズル的な物語は得意中の得意だし、
ミステリーでは「39」という傑作がある。
映画化するには、まさしく適任!
森田ファンとしては胸が高鳴る。

なんでも宮部みゆき自身も
「この作品を映画化するなら、
 ぜひ森田監督に!」
と希望していたそう。

「家族ゲーム」や
「ときめきに死す」のように
思いっきり原作を解体した、
独自の解釈の映画を期待したい!

6月8日の公開が
待ち遠しい!

(つづく)




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