タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎
「狼はガガーリン空港へ行く」を主宰している男
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。
>>これまでの記録
<80> 3月27日(水)
■■ 保険金ミステリー ■■
社会的無知といっていい俺ですが、
一応は大人として
生命保険というものに入ってます。といっても20代の頃に
親に強引に勧められて
なにもわからず入っただけ。で、入ってだいぶ後になって知ったのだけど、
死んでも500万円しか出ないそう。
普通は1000万とか、3000万円とか
出るらしいじゃない?
入院しても、ろくすっぽ出ないみたい。どうやら親もよくわからずに
その保険を勧めた模様。安くねぇ!?(若者的発音で)
と、保険会社にどなりこみたくなったが
掛け金が少ないので、そんなもんみたい。まあ別にいいかと
その後もほったらしにしているのだけど、
最近、奥さんが生命保険について
知識を増やしたらしく
やたら契約変更を勧められている。彼女自身も契約内容を変え、
入院した時も、死んだ時も
結構な額が出るようになったそう。でも、それはつまり
その受け取り人は、俺なのだよね。
で、俺が先に死んだ場合、
ちょこっとしかもらえないのは
彼女なのだよね。
結婚とは、保険とは
そういうものなのだよね。
いまさら気づいたわけですが。それならまあ
掛け金を増やそうかとは思う。それにしても、
ちょっと体調不良を訴えただけで
「ガン?」
と毎日のように言われ、
人間ドックで異常なしの報告しても
「人間ドックはあてにならないらしいよ」
と、病気への期待(?)は捨てず、
テレビで旦那の突然死などを扱っていると
異常な真剣さで見ている姿は
何を意味しているのだろうか。連日「保険に電話した?」
とせかされていることに、ある疑惑を
持たざるを得なくもなってくる。何かを期待しているのでは…?
あるいは保険の契約内容を変えたとたんに…
ぶるる…恐ろしい妄想が浮かび上がってくる。
いやしかし、その逆もありえるわけか。
「保険金」というものに
リアルな恐怖を抱き始めた今日この頃。
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