タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎

はガガーリン空港へ行く」を主宰している
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。

>>これまでの記録


<89> 4月6日(土)+7日(日)

■■ 面白いぞ、龍騎! ■■

急遽、ゴールデンウィークに
スペインに行くことが決定。

通常の約半額くらいのツアーを
発見したので、すかさず申し込んだ。
アンダルシアに憧れて〜♪
“白い村”ミハスなどに行ってきます。
ピカソのゲルニカも拝めるかも。

ところで、日曜日の朝といえば
ハリケンジャーと仮面ライダー龍騎だ。
子供にはもちろん、成熟した大人にも
これは国民的常識?

「童心カクテル」とネタがかぶって
しまうので恐縮だけど、
今日は「龍騎」について書いてみたい。

これまでも「龍騎」は面白いと思って
見ていたけれど、今回の放送を見て
「ものすごく」面白く思えてきたんです!

その理由について
風呂に入りながら考えた。そして、
見えた!…ような気がする。

「龍騎」の魅力はイデオロギー抗争、
そして“三角関係”だ。
それが今回、明確になったと思う。

三角関係は、あらゆるドラマの基本なのだけど、
「龍騎」の場合は、一つではなく、
いくつかの三角関係が複雑に絡み合っていて、
そのすべての関係が「あやうい」。
誰が正しいのかがよくわからないため、
ヒールとベビーフェイスが頻繁に入れ代わり、
それが物語に多重的な面白さを生み出している。

まず、基本になっているのは
真司、蓮、優衣の、友情の三角関係。

ただし、真司、蓮はライダー同士なので
いつかは戦う宿命。
また優衣の兄貴が、どうやらライダーを
生み出した存在のようなので、
“ボスキャラ”の可能性が高い。
ということはこの関係、
最終的には破綻する運命にある。
恋の行方(あるのかな?)も含めて
いつ壊れるかわからない微妙な友情トライアングル。
先行きが気になる。

次に、ライダー同士の三角関係、
真司(龍騎)、蓮(ナイト)、秀一(ゾルダ)。
ここが今一番ホットだ。

今まで嫌みなキャラだったのに、
不治の病だったことが明らかになった秀一。
これによって彼の戦う理由
「永遠の命を手に入れるため」は、
最も感情移入しやすいものになった。

蓮も黙して語らないものの、
どうやら深い理由がありそうではある。
しかし、主役の真司くんは「正義感」しかなく、
果たしてライバル達に対抗できる
「戦う理由」が今後見つけられるのか、
られないのかが、注目される。

「守るべきものがなければ
 戦っちゃいけないのか」(アムロ)
「それは不自然なのよ」(ララア)
という、ガンダムの後半でも軸となった
テーマが、「龍騎」ではメインテーマに
なっているようだ。

で、この三角関係は
めまぐるしく見え方が変化する。

今回の第10話では
番組の冒頭でナイトとゾルダが戦い、
ナイトがボコボコにされる。
その上、「自分のためだけに戦う人間が一番強い。
それがわからないお前は青臭い!」とまで
言われてしまうナイト(蓮)。
これまで一番威張っていた(?)蓮だが、
秀一(ゾルダ)にやりこめられることで、
逆に感情移入できるキャラになった。

ここで俺の感情移入ランキングが変動する。

1位 蓮(カッコつけてて好きじゃなかったが、応援したくなった)
2位 真司(主役だから、ということで今まで一応1位だった)
3位 秀一(よくいる自己中な悪役キャラ?ゾルダの顔もカッコ悪い)

ところが、番組中盤で、
秀一の秘密(もうすぐ死ぬ)が
明らかになり、さらには、
正義感をふりかざし、事情も知らないため、
秀一を責め立てる真司と蓮に
謎の少女ゆかりが「先生をいじめないで!」
と言ってしまうものだから、
また感情移入ランキングが変動する。

1位 秀一(子供が支持してるんだから実はいい奴?
      悪ぶってるけど、深い事情があるわけだし)
2位 蓮 (秀一に比べると、確かに青臭いかもね)
3位 真司(何も考えてなさすぎ。ランク外転落間近?)
もうすぐランクイン 吾郎ちゃん(まだ謎だらけだけど)

…と、見方がまた変わる。
が、番組の最後で
ゾルダ(秀一)があまりにも圧倒的に、
龍騎とナイトをブチのめしてしまうものだから、
また判官びいきで感情移入ランキングは微妙になる。

一体誰が物語の「正解」を
握っているのかがわからないため、
そんな風に、三角関係の頂点がめまぐるしく入れ代わる。
これがたぶん「龍騎」の面白さだ。

単純な「正義」と「惡」の戦いではなく、
目的の異なるライダー同士による
いわばイデオロギー抗争なのだ。

で、その三角関係に話を戻すと、
秀一、吾郎ちゃん、謎の少女ゆかりの
トライアングルも興味深い。

吾郎ちゃん(しかし口笛ヘタね)が、
なぜ秀一に仕えているのかが
よくわからないし、
少女がなぜ秀一を慕っているのかも謎。
吾郎ちゃんもたぶんライダーだと思うので
いずれは秀一と敵対する予感がする。
真司、蓮とも戦うことになるだろう。
また新しい三角関係になるはずだ。

で、最も重要でいて、よくわからないのが
物語の基本設定となっている、
人間、ライダー、モンスターの三角関係。

そもそもモンスターって何?だし、
ミラーワールドというのも何なのかよくわからない。
このへんもいずれは明らかになるんだろうけど。

…とまあ、よくわからない謎だらけの「龍騎」。
しかし、物語の序盤だけで
これだけ濃厚なドラマに仕上がってきてるとなると、
あと9人もライダーが出てきたら、
一体どうなってしまうのだろうか?
三角関係どころじゃないな。
それはエヴァンゲリオン以上に情報濃密な
オープニングフィルムからも推測できる。

勢いだけで、書いてしまったので
うまくまとまられてないんですけど、
とにかく言いたかったことは
「面白いぞ、龍騎!」。

クウガやアギトはもっと面白かったのかもしれないし、
(ほとんど見てなかったので、わからない)
確かに本来の「仮面ライダー」からは逸脱した作品だとも思う、
コスチュームがライダーよりは宇宙刑事みたいだし、
カードデッキってのも「?」、
バンダイのオモチャ戦略が露骨に感じられたりもする。

…が、「新しい」仮面ライダーを
作ろうとしている制作者達の心意気は強く感じるし、
他の大人向けとされてる普通のドラマと比較しても、
互角以上の面白さだと思う。

「ツインピークス」「エヴァンゲリオン」
「ケイゾク」「QUIZ」…
謎を解き明かす魅力で中毒性のあるドラマは
大好きだし、そのどれにものめり込んだけど、
「龍騎」もこの系譜に連なる作品になってくれる予感アリ。

過剰な期待を込めて(もちろん不安もあるが)、
今後も楽しみにしていこう!

ヘンシン!


※情報充実!「仮面ライダー龍騎」公式ホームページ
http://www.tv-asahi.co.jp/ryuki/index.html


(つづく)





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