タイトル■狼男の記録
書き手 ■谷田俊太郎
「狼はガガーリン空港へ行く」を主宰している男
の書いた制作記録でがんす。略して「狼男の記録」。
狼男といえば、「ウォーでがんすのオオカミ男♪」
でおなじみの「がんす」でがんす。でも面倒くさい
ので、本文では「がんす」は省略するでがんす。
＞＞これまでの記録
＜92＞ 4月10日（水）
■■ 写真は釣りに・文は登山に ■■
「上京」の著者・写真家の
小林キユウさんの取材で田町へ。
運河と倉庫、それからボウリングの街。
田町にはそういう印象があったのだけど、
それに新たな印象が加わった。
ローソンの街！
わずか５０メートルくらいの範囲に
３軒もローソンがあるのだ。
しかも同じ通りに。
そして少し歩くとまたローソンが！
どうなってるんだ、
このローソンの濫立ぶり！
他の店なんて
ろくすっぽないのに。
灰色の町並みの中で
不気味に際立って見える
青い看板たち。
世界中の建物をすべてローソンに
変えてしまおうとする世界征服計画の
手始めに田町が選ばれたのだろうか？
田町に忍びよる青い影、ローソン！
侵略の魔の手が迫っている!?
俺はミニストップ派なので
あまり歓迎する事態ではないけれど
とりあえず他の街のことなので
気にしないでおこう。
小林さんのインタビューが終わり、
雑談中の会話に出てきた、
ある言葉が非常に印象に残った。
写真を撮ることは釣りに似ている。
文を書くことは登山に似ている。
考えたこともなかったけど、
非常にいい得て妙。
ある動いている対象の瞬間を捕える、
そのために待つ、あるいは仕掛ける。
一人で完結することはなく、
必ず他者との関わりあいによって
成立する不確実な行為。
だからこそ予想できない面白さがある。
確かに、釣りと写真は似ている。
一方、目的地は決まっている。
そこへ辿りつくための方法はいろいろあるが、
自分の足（筆）を使わなければ
絶対にそこに辿りつくことはない、
ある意味、自己完結的な作業。
登り（書き）終わった時に初めて達成感があり、
素晴らしい景色が見える。（はず）
確かに、登山と文を書くことは似ている。
となると俺は登山派か。
でも釣りの方がなんだか楽しそう。
そう。
家に帰れば、登山が待っている。
タイムリミットは明日まで。
険しい山道を考えると気が重い。
ずしりとしたリュックを背負ったように
思い足取りで帰路に着く。
たま息またひとつ。
頂上はまだ見えない。
**************
翌日（今日の昼頃）
登頂成功。気分爽快！
登り終わると
確かに気分はいいんだけどね。
やっほー！
［トップへ］