タイトル■LOVELOVEホラー愛してる
書き手 ■ちーちゃん
イラスト■bambi design(Comic bambina)
「大好きなB級ホラー映画の魅力を、
もっとみんなに知ってほしいの!!」
一時のホラーブームがすたれきった今こそ!
と鼻息荒く、立ち上がった22才の自称美人OL。
この血の叫び、届け、あなたの心に!
file:01(前編)
「アクエリアス」 86年イタリア映画 監督ミケーレ・ソアビ
〜あなたも このステージから逃げられない!〜
大好きなホラー映画を紹介するなら、
「まずはレアものビデオを探さなくちゃ♪」
ってことで、昼休みを利用し、
会社近くの中古ビデオ販売店へGO!ここまで読まれた方!
「なぜレンタルビデオ店に行かないの?」
とお思いでしょう。
それは自己紹介欄でも書いたように、
単純な理由です。ホラー映画が少ないから!
もう一時の流行りから、すたれちゃったから!
ピンとこないという、そこのあなた。
お近くのレンタルビデオ店のホラーコーナーを、
一度ためしに覗いてみて下さい。
きっと、いや間違いなく
孤立したさみしーい空間にと置かれているはずです。例えば、横浜市にある
私の地元、TSUTAYAあざみ野店。最近オープンしたばかり。
店内は明るい雰囲気で、
探しやすさ抜群!…なはずなんですが、
コーナー見つかるまで迷った迷った。やっと見つけたと思ったら
棚の1/3程度のスペースに
所狭しと並んでいました。周りには今は懐かし
「ツインピークス」、「X−ファイル」なんかがズラーリ。
こうしたちょい時代遅れ的なシリーズもので
ごまかすという姑息な手を…。
厳密にはホラーって言わないよー。では、逆に都内の状況はというと
会社付近にある、TSUTAYA新橋店。2階立てになっていて、
広くて明るい店内が魅力的!…なはずなんですが、
それでもホラーコーナーは
一番暗ったい場所に配置されてます。
スペース的には、
棚2台分をまるまる使用。
まあまあ優秀ですが、
もうちょっと明るい場所に移動してくれないかねー。
暗くて探しにくいのよ。ってなわけで、
ホラー映画はいまや迫害されてます。
完全に。確かに「こんなの誰が見るのさ」っていうような
パッケージからして、
駄作感ムンムンの作品も多いので、
こういったかわいそうなコたちは
ビデオ販売店でひっそりと佇んでます。
大概のビデオ販売店は
レンタルビデオ落ちが多いですよね。そんなわけで、
敢えて中古ビデオ屋さんへ行くことに。でもね、「あそこはアダルト専門店だよ」
という情報を事前に耳にしていたので、
「さすがに即入店は気が引けるな〜」と思い
手初めとして、店外ワゴンセールを漁ることにしたのでした。で、たまたま手にしたのが、コレ。
「アクエリアス」。「ポカリスエットでなくて、アクエリアス?!」
釈然としない面持ちのまま、パッケージを裏返す。
とまあ、今は亡き小森のおばちゃまの寸評が!!
どれどれ、どんなストーリーなの?『華やいだミュージカルのリハーサルに夢中なヤングたちを
たちまち鮮血地獄のエジキにしてしまう、
このユニークなこわさ!』ほーっ、ヤング(死語)が次々と惨殺される、
いわゆるスプラッターものね。
でもユニークって一体…。『並いる作品群から、今年の(86年当時)
「アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭・最優秀恐怖賞」
に選出されたのも当然と、おばちゃまも、
まさに新鮮な才能の開花には歓喜喝采よ。
あなたもこの新悦楽を満喫してほしい!』とまあ、おばちゃま大絶賛で、
かなり興奮気味のご様子…。
前から気になってたんだけど、
小森のおばちゃまって、おばあちゃまの間違いでは?……なーんて突っ込みは置いといて、
根津甚八まで寸評書いてるし、
エラそうな賞とったようだし、
なんだかスゴそうな雰囲気。
コレは掘り出しモノかな〜。おばちゃまの後押しの甲斐あって、
衝動買い気味の「アクエリアス」を手にして、いざ入店!
初めてエロビを買いに行く男子の如く、
紳士的かつ憮然とした態度で、
レジの前にビデオをド、ドーン。と、そのとき真横に大人のおもちゃを発見…!!
思わず立ちすくんでしまった私を横目に
店長のおじちゃんは「こんな清純そうな娘が、オレの店に。ぬふっ」
とでも言いたげな、妖しい笑みを浮かべつつレジ打ちを。
『キ、キミっ。ホラー好きなんだね。』
とまあ、いきなり話かけられちゃいましたよー。
おじちゃんはさらに
「奥の屋にもね、いいビデオあるんだよ。おいで?」
ときたもんだ!ドッキンドッキン、
高まる胸の鼓動を感じながら、
別室へ強制連行(??)。
丹念にホラービデオを探すふりを装いつつも
カギを閉められやしないかと
心配でなりませんでした。そして…
(つづく)
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