PRIDEグランプリ2004開幕戦・専用メモ


熱狂と興奮のPRIDEグランプリ2004開幕戦から、はや1日。けれど、まだコーフンが持続
しとります。小川の試合なんて、もう5回以上もビデオで見直してしまいました。こんなに繰
り返しビデオを見たり、コーフン状態が冷めない大会は、本当に久しぶりという気がするなー。

なにがそんなにおもしろかったのか? え〜と、その最大の要因は“意外性”でしょうか。

第1試合の高橋義生の予想以上の健闘ぶりから始まって、第2試合ではハリトーノフが打
撃であのニンジャを圧倒し、強烈なボディへのパンチでKOと、いきなり意外な展開の連続。

さらに、ただデカイだけのデクの棒かと思っていたジャイアント・シルバが、なんとなん
とアームロックで戦闘竜から一本勝ちと、またまた意外な展開。さらに膠着必至かと思われ
ていたシュルトvsマッギーがそれほどダラダラした試合にならなかったのも意外なら、シュ
ルトがキチッと一本勝ちのも意外。しかも、ここまでの試合すべてが短時間決着なのも意外。

そしてそして、想像以上だった小川直也の圧倒的な強さ。いやはやこんなに強かったとは!
K-1戦士レコから打撃でダウンを奪ったのも意外なら、一方的に秒殺してしまったのも意外。

さらに最大のサプライズといってもいいのが、ミルコのまさかのKO負け!トップ3の誰
かが一回戦で消える可能性もあるかもしれない、とは思っていたものの、その可能性が最も
低いと思っていたのがミルコだった。しかも一方的なKO負け。これには心底たまげました。

さらに横井である。大番狂わせを期待してはいたものの、それはあくまで期待であって、
本当にあのノゲイラをここまで追い込むとは…!余裕すら漂わせて、世界最高峰のノゲイ
ラの寝技をかわし、投げるは殴るはで攻め込む姿は、まるでホイラー戦の桜庭。横井は強
いだろうとは思っていたけど想像を超えていた。まさか世界のトップレベルだったとは…。

また、一方のノゲイラもさすがだった。ギリギリまで追いつめられて、最後の最後に一
瞬の逆転勝ちという“リアル・アントニオ”っぷりは、もうお見事としか言いようがない。
ギブアップを奪ったスピニング・チョーク(だっけ?)も初公開で、意外な決め技だった。

とどめはメインイベント。もうロートルかと思っていたコールマンの奮闘も意外なら、
得意の打撃ではなく、下からの腕十字という関節技で決めたヒョードルの勝ち方も意外。
上からのパウンドだけじゃなく、下のポジションでも決められることがわかったヒョード
ルはまさに死角なし。そのケタ外れの強さを再認識した。文句なしの優勝候補筆頭である。


…とまあ、全試合ビッグサプライズだらけ。こんな大会、過去にもあまり記憶がないです。


さらに付け加えるなら、桜庭の「これまで戦ってきた中でぶっ倒したい人間が何人かいま
す。そいつらを1人ずつぶっ倒します。やるなと言われても、やります!」という、らしく
ない熱血マイクアピールは意外だったし、その覚悟の重さにジーンとした。マーク・ハント
のPRIDE参戦は噂されていたけれど、いざ現実になると、これもやはりサプライズのひとつ。

ニューヒーローが続々誕生したのも、おもしろかった大きな要因だ。まずは超人ミルコを
一方的にKOしてしまったランデルマン。ここのところ連敗続きで、すっかり中堅というイメ
ージが定着したランデルマンが、一夜にして蘇生した。これぞ格闘技の醍醐味と言っていい。

横井も負けたとはいえ、なんといっても相手はあのノゲイラである。世界のトップクラス
と互角に渡り合える数少ない日本人として、今後大いに注目されるのは間違いない。来年は
ヘビー級王座に挑戦、なんてこともあながち夢ではなく、まさにニューヒーロー誕生である。

そしてハリトーノフ。誰に教わったわけでもないという自己流のパンチだけで、ニンジャ
をKOしてしまったポテンシャルの高さははかり知れない。いったいどれほど強いのだろうか。

シルバもニューヒーローと言ってもいいでしょう。あのデカさに技術が加わってしまった
ら、手がつけられない。戦闘竜も今後期待できる。なんといってもこの二人はキャラが抜群。


そして、そして、そして、なんといっても小川である。本当にもう、ごめんなさい!です。


かつては「小川こそ世界最強!」と思っていたものの、3年半という月日はさすがに長すぎ
た。最強幻想はすっかり色あせ、今では「本当に強いの…?」と疑うようになり、「プロレス
に専念するためにガチンコはやらない」という姿勢にも半信半疑、というか、ただの言い訳だ
と思うようになってました。そして、すっかりふつうのプロレスラーになってしまった姿や、
ハッスルに賭ける本気っぷりを見て、「もう小川のことは忘れよう…」と思っていたのです。

それだけに、今回のPRIDEグランプリ参戦には狂喜したのだけれど、実を言うとレコ戦は怖
かった。あっさりKOされちゃう可能性も高い!と正直ビビってました、強いのは強いんだろう
けども、もう今の総合格闘技では通用しないんじゃないか……?というのが正直な思いでした。

それがそれが、この秒殺!ビビりました!たじろぎました!小川は本当に強かった!レコじゃ
相手にならないくらい、もうレベルが違う!シビれました!感動しました!かっこよすぎです!

オープニングイベントで、ヒョードル、ミルコ、ノゲイラと同じリングに立っている姿を見た
とき「夢みたいだ…」と思いましたが、レコに圧勝した姿も、本当に夢を見てるみたいでした。

あくまでもハッスルの宣伝のため、という我々には理解しがたいモチベーションも、これだけ
強ければノー問題。逆にバイト感覚でふらりとPRIDEに現れて、サラリと勝ってしまう姿には恐
ろしさすら感じました。先日まで「小川、お願いだから勝って!」とか言っていたのに、今では
もう「ノゲイラやヒョードルにもあっさり勝っちゃったら、それはそれで困る…」と心配ですよ。

心配といえば、あまりにも完璧な勝ちっぷりだったので、プロレスファンの哀しい性で「アレ
じゃないか…?」と疑う人もいると思うのですが、何度ビデオを見直しても、そうは思えません。
それに、もしそうなら、もっと攻防のある展開になっただろうし、そもそも大金はたいてK-1か
ら引き抜いたレコを一試合で潰したりしないでしょう。あれが小川の真の実力だと俺は思います。

待望のニューヒーローとなった新生・小川直也は、この勢いで優勝してしまうのか。それとも
大本命ヒョードルか、またはノゲイラか。あるいはハリトーノフか。いずれにせよ、この4人に
ベスト4に残って欲しいので、準々決勝は、小川×シュルト、ヒョードル×ランデルマン、ノゲ
イラ×シルバ、ハリトーノフ×ヒーリングを希望。さらに桜庭の試合はあるわ、ハントのPRIDE
デビュー戦はあるわで、6月も話題もりだくさん。いきなり崖っぷちに立ったミルコの今後も気
になるし、小川の出現が吉田にどんな影響をおよぼすのかも注目だし、今年のPRIDEはすごいな。


…きりがないので、今日はこのへんにしときますかな。スリー!ツー!ワン!ハッスルハッスル!


(2004.04.27)









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