PRIDEグランプリ2004開幕戦・専用メモ
●熱狂と興奮のPRIDEグランプリ2004開幕戦から、はや1日。けれど、まだコーフンが持続
しとります。小川の試合なんて、もう5回以上もビデオで見直してしまいました。こんなに繰
り返しビデオを見たり、コーフン状態が冷めない大会は、本当に久しぶりという気がするなー。
●なにがそんなにおもしろかったのか? え〜と、その最大の要因は“意外性”でしょうか。
●第1試合の高橋義生の予想以上の健闘ぶりから始まって、第2試合ではハリトーノフが打
撃であのニンジャを圧倒し、強烈なボディへのパンチでKOと、いきなり意外な展開の連続。
●さらに、ただデカイだけのデクの棒かと思っていたジャイアント・シルバが、なんとなん
とアームロックで戦闘竜から一本勝ちと、またまた意外な展開。さらに膠着必至かと思われ
ていたシュルトvsマッギーがそれほどダラダラした試合にならなかったのも意外なら、シュ
ルトがキチッと一本勝ちのも意外。しかも、ここまでの試合すべてが短時間決着なのも意外。
●そしてそして、想像以上だった小川直也の圧倒的な強さ。いやはやこんなに強かったとは!
K-1戦士レコから打撃でダウンを奪ったのも意外なら、一方的に秒殺してしまったのも意外。
●さらに最大のサプライズといってもいいのが、ミルコのまさかのKO負け!トップ3の誰
かが一回戦で消える可能性もあるかもしれない、とは思っていたものの、その可能性が最も
低いと思っていたのがミルコだった。しかも一方的なKO負け。これには心底たまげました。
●さらに横井である。大番狂わせを期待してはいたものの、それはあくまで期待であって、
本当にあのノゲイラをここまで追い込むとは…!余裕すら漂わせて、世界最高峰のノゲイ
ラの寝技をかわし、投げるは殴るはで攻め込む姿は、まるでホイラー戦の桜庭。横井は強
いだろうとは思っていたけど想像を超えていた。まさか世界のトップレベルだったとは…。
●また、一方のノゲイラもさすがだった。ギリギリまで追いつめられて、最後の最後に一
瞬の逆転勝ちという“リアル・アントニオ”っぷりは、もうお見事としか言いようがない。
ギブアップを奪ったスピニング・チョーク(だっけ?)も初公開で、意外な決め技だった。
●とどめはメインイベント。もうロートルかと思っていたコールマンの奮闘も意外なら、
得意の打撃ではなく、下からの腕十字という関節技で決めたヒョードルの勝ち方も意外。
上からのパウンドだけじゃなく、下のポジションでも決められることがわかったヒョード
ルはまさに死角なし。そのケタ外れの強さを再認識した。文句なしの優勝候補筆頭である。
●…とまあ、全試合ビッグサプライズだらけ。こんな大会、過去にもあまり記憶がないです。
●さらに付け加えるなら、桜庭の「これまで戦ってきた中でぶっ倒したい人間が何人かいま
す。そいつらを1人ずつぶっ倒します。やるなと言われても、やります!」という、らしく
ない熱血マイクアピールは意外だったし、その覚悟の重さにジーンとした。マーク・ハント
のPRIDE参戦は噂されていたけれど、いざ現実になると、これもやはりサプライズのひとつ。
●ニューヒーローが続々誕生したのも、おもしろかった大きな要因だ。まずは超人ミルコを
一方的にKOしてしまったランデルマン。ここのところ連敗続きで、すっかり中堅というイメ
ージが定着したランデルマンが、一夜にして蘇生した。これぞ格闘技の醍醐味と言っていい。
●横井も負けたとはいえ、なんといっても相手はあのノゲイラである。世界のトップクラス
と互角に渡り合える数少ない日本人として、今後大いに注目されるのは間違いない。来年は
ヘビー級王座に挑戦、なんてこともあながち夢ではなく、まさにニューヒーロー誕生である。
●そしてハリトーノフ。誰に教わったわけでもないという自己流のパンチだけで、ニンジャ
をKOしてしまったポテンシャルの高さははかり知れない。いったいどれほど強いのだろうか。
●シルバもニューヒーローと言ってもいいでしょう。あのデカさに技術が加わってしまった
ら、手がつけられない。戦闘竜も今後期待できる。なんといってもこの二人はキャラが抜群。
●そして、そして、そして、なんといっても小川である。本当にもう、ごめんなさい!です。
●かつては「小川こそ世界最強!」と思っていたものの、3年半という月日はさすがに長すぎ
た。最強幻想はすっかり色あせ、今では「本当に強いの…?」と疑うようになり、「プロレス
に専念するためにガチンコはやらない」という姿勢にも半信半疑、というか、ただの言い訳だ
と思うようになってました。そして、すっかりふつうのプロレスラーになってしまった姿や、
ハッスルに賭ける本気っぷりを見て、「もう小川のことは忘れよう…」と思っていたのです。●それだけに、今回のPRIDEグランプリ参戦には狂喜したのだけれど、実を言うとレコ戦は怖
かった。あっさりKOされちゃう可能性も高い!と正直ビビってました、強いのは強いんだろう
けども、もう今の総合格闘技では通用しないんじゃないか……?というのが正直な思いでした。
●それがそれが、この秒殺!ビビりました!たじろぎました!小川は本当に強かった!レコじゃ
相手にならないくらい、もうレベルが違う!シビれました!感動しました!かっこよすぎです!
●オープニングイベントで、ヒョードル、ミルコ、ノゲイラと同じリングに立っている姿を見た
とき「夢みたいだ…」と思いましたが、レコに圧勝した姿も、本当に夢を見てるみたいでした。
●あくまでもハッスルの宣伝のため、という我々には理解しがたいモチベーションも、これだけ
強ければノー問題。逆にバイト感覚でふらりとPRIDEに現れて、サラリと勝ってしまう姿には恐
ろしさすら感じました。先日まで「小川、お願いだから勝って!」とか言っていたのに、今では
もう「ノゲイラやヒョードルにもあっさり勝っちゃったら、それはそれで困る…」と心配ですよ。
●心配といえば、あまりにも完璧な勝ちっぷりだったので、プロレスファンの哀しい性で「アレ
じゃないか…?」と疑う人もいると思うのですが、何度ビデオを見直しても、そうは思えません。
それに、もしそうなら、もっと攻防のある展開になっただろうし、そもそも大金はたいてK-1か
ら引き抜いたレコを一試合で潰したりしないでしょう。あれが小川の真の実力だと俺は思います。
●待望のニューヒーローとなった新生・小川直也は、この勢いで優勝してしまうのか。それとも
大本命ヒョードルか、またはノゲイラか。あるいはハリトーノフか。いずれにせよ、この4人に
ベスト4に残って欲しいので、準々決勝は、小川×シュルト、ヒョードル×ランデルマン、ノゲ
イラ×シルバ、ハリトーノフ×ヒーリングを希望。さらに桜庭の試合はあるわ、ハントのPRIDE
デビュー戦はあるわで、6月も話題もりだくさん。いきなり崖っぷちに立ったミルコの今後も気
になるし、小川の出現が吉田にどんな影響をおよぼすのかも注目だし、今年のPRIDEはすごいな。
…きりがないので、今日はこのへんにしときますかな。スリー!ツー!ワン!ハッスルハッスル!
(2004.04.27)
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