タイトル■がんばれ!ピンク映画
書き手 ■カタリョウ・アユミ
これは、ピンク映画をとりまく人たちの
愛と青春の、そして貧乏の物語です。
でも書いているのは、フツーのOL(会社員?)。
彼女が垣間見たのは、一体どんな世界なのか?
なんだか興味シンシンなのです!
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第4回 ギリギリ・ボーイズ
スケジュールの遅れを心配していた女池組ですが。
やっぱり撮影の開始日が
1月29日から2月4日に延期になりました。ピンク映画は、普通、
劇場の公開日が決まっているので
それを基準に、もろもろの日程が決まります。
すごくおおざっぱに言うと、
公開←初号(関係者の試写)が1週間
初号←仕上げ(編集、アフレコなど)が1週間
現像←撮影が1週間
撮影準備に1週間
というように工程を逆算して、こりゃあ、○日までには撮り終わってないと
間に合わないぞ、とか、
○月には台本が出来てないと準備が大変だなぁ、
となるわけです。
今までのひろしくんの仕事を見ていると、
公開の1ヶ月前にはイン(=撮影に入る)してないと
かなり苦しいことになってるような感じです。
実際には、
準備が1週間、っていうのはあまりにも短いと思うし、
撮影中にアクシデントが起きることも考えられる。
プロデューサーさんは、
そんなにキツイ日程にならないように
余裕をもって発注してくれているはずなんですけどねー。
ちなみに、ピンク映画では、
一般の試写はおろか、
いわゆる「マスコミ試写」のようなものもありません。
関係者の試写である「初号」で最終チェックをして、
映倫の審査が終われば、
(初号と映倫の審査を同時にやる、っていうのもある)
宣伝活動はほとんどないまま、
まさに「撮って出し」状態で劇場にかかります。
今回の女池組は、
3月初旬に公開予定。
2月の最終週に初号があるので、
2月の半ばには撮影、現像が終わっていないと
仕上げが間に合わなくなっちゃう。
お金の話は、またいつか改めてしようと思うけど
ピンク映画は、究極の低予算映画です。
俳優さん・スタッフのギャラ、
機材費、テープ代などの現場費用など、
もろもろの兼ね合いからいって、
撮影期間は大体3、4日が普通です。
つまり、女池組において、
2月4日からの撮影というのは
これ以上遅くなることはほとんどムリ、という
ギリギリスケジュールなわけです。
その上、女池監督は
撮影が延びがちな監督さんなので
まさにギリギリ度が高いと言えるでしょう。
あ、でも、ブラジル人さん役は決まりました!
今回のブラジル人さん(♀)の役は、
濡れ場もあるため、
本当にキャスティングできるのか心配だったんですけど、
結局、素人さんのブラジル人さんが快諾してくれた、とのこと。
あとは、当日、現場で
「キイテナイヨ〜。デキナイヨ〜。」
なんて、言われちゃわないことを祈るだけです。
でも、そんなこんなでインが遅れたおかげ(?)で
いいこともありました。
それは、26日の夜に、
一緒に食事をして誕生日のお祝いができたこと。
ひろしくんは1月23日生まれ。
林家ぺーさん風に言うと、
ジャイアント馬場と
千葉真一と同じ誕生日です。
そして、ワタシは1月26日生まれ。
所ジョージと
hitomiちゃんと同じ誕生日。
そう!
わたしたちは、ふたりとも
個人主義でクールなみずがめ座。
先週は年に1度の誕生日ウイークだったんです。
でも、ここのところ、ひろしくんは大忙し。
毎日あちこちを飛びまわっていて、
会うのはおろか、
連絡をとるのもままならない、という日が
続いていたので、
お祝いなんてすっかり諦めてたんです。
でも、ひろしくんからのプレゼントはとりあえずなし。
仕事に入っていて、忙しいだけじゃなく
お金がないから。
お金がなくなると仕事をいれる(←無計画)ので、
仕事をしている時は、最もお金がない時期なのです。
わたしも急に会うことになって
プレゼントを用意することができなかったので、
お詫びに、散髪をしてあげました。
貧乏過ぎて床屋さんに行かれないので、
ひろしくんの散髪はわたしの役目です。
わたしはもちろん素人だけど、
3年もやると、かなり上手になります。
おととしから昨年にかけては、
撮影現場でのアクシデントの責任をとって
ひろしくんは坊主だったので、
散髪の機会があんまりありませんでした。
髪が伸びてきた昨年の後半からは
カリスマ美容師・カタリョウが復活!です。
散髪は、春〜秋にかけての暖かい時は、
家の前の道路わきでやります。
この風景は、昭和初期っぽくていい、と
みんな誉めてくれます。
貧乏くさい、ってことかもしれないけど。
でも今は寒いし、
26日はみぞれが降っていたので
おうちの中で散髪しました。
ちなみに今回のイメージは、
「『トップガン』の頃のトム・クルーズ」です。
おうちにお風呂がないので、毛を流せず、
トムは「クビがちくちくするぅ〜」
と文句をいっていましたが、
それは、風呂つきの部屋に住むまで
我慢してもらうことにしました。すっきりしたところで、焼肉やさんにGO!
でも、焼肉やさんは土曜の夜だと言うのに
狂牛病の影響か、閑散としていました。
焼肉はこんなにサイコー!なのに・・・。
まあ、これがおごりだったら、
もっとサイコ―!なんだけど。
(つづく)
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