タイトル■がんばれ!ピンク映画
書き手 ■カタリョウ・アユミ

これは、ピンク映画をとりまく人たちの
愛と青春の、そして貧乏の物語です。
でも書いているのは、フツーのOL(会社員?)。
彼女が垣間見たのは、一体どんな世界なのか?
なんだか興味シンシンなのです!

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第9回 チャンピオンカーニバルを楽しもう!
     〜 その2 観戦報告 〜

行ってきました!
P−1GP チャンピオンカーニバル!!

3/2(土)は、
夕方まで東京スタジアムでJリーグの開幕戦を
観戦していたわたし。
王者・鹿島アントラーズ相手に、
4点の猛攻を見せたFC東京が予想外の快勝!!
わたしの佐藤由紀彦くんも大活躍。きゃー!
その熱気も冷めやらぬうち、いざ、中野へ。

途中で、ひろしくんと合流。

さて。もう通いなれた感のある中野武蔵野ホール。
上映開始の10分くらい前に行くと、
もう整理券をもった人達が並んで入場していました。
わたしも急いで当日券を購入。

リピーター割引があるそうなので、
半券はなくさないようにしましょう。

入口で、榎本監督と女池監督にごあいさつ。
榎本監督との、秋からの約束がやっと果たせてよかった。
女池監督には、現場に手伝いにきてくれてありがとう、
とお礼を言われてしまいました。恐縮…。

お客さんは、青年からおじさままで、主に男性。
時間帯のせいなのか、
P−1の時よりも女の人は少なくて、
わたしを入れて、5人くらい。
最終的なお客さんの数は、
73席の座席のうち、
7割から8割くらいが埋まっていたように見えたので、
50人くらいでしょうか。

まずは、榎本監督の
『痴漢電車 さわってびっくり!』(新東宝/01)

主役の麻田真夕さんが可愛いかった。
明るい役なんだけど、時折見せる寂しそうな表情とか。
チョイ役っぽいのに
最後に重要な役目を果たす佐野和宏さんや、
葉月蛍さんの清楚→小悪魔な芝居とか、
安心して見られて、楽しめます。

60分の間に物語を完結させようとすると、
どうしてもムリが出てくることが多いものですが、
振りまわされながらも惹かれていく、という
一番大事な展開が強引に感じなかったのも
よかったと思いました。

痴漢電車シリーズって、
電車の中の痴漢シーンは大変そうだなぁ、なんて
余計なことを考えているうちに
あっという間のクライマックスでした。

続けて、瀬々敬久監督の
『課外授業・暴行』(新東宝/89)

高校3年生のモモ、ジョニー、レキシの3人は、
ジョニーの死んだ父親から譲り受けた船で暮らしている。
港で、シャブ中毒の闇のブローカー・キンギョと
ジャパゆきのヤンと出会うが、2人はヤクザに追われていた…。
というようなストーリー。

これは、瀬々監督のデビュー作(当時29歳)で、
もともとのタイトルは、
『羽田へ行ってみろ、そこには海賊になったガキどもが
 今やと出発を待っている』
といいます。

瀬々監督の映画は、
思想的、社会的な視点をとりいれた硬派な作品、
というイメージだったので、
これも難しい映画なのかな、とか
89年だから、結構恥ずかしかったりして、
と思っていたんですが。
意外に(?)楽しかった!

ジョニーの“オレは海賊になるんだー!”とか
モモが高校の担任の先生に
“つまんない大人になるなよ!”とか言う台詞も
意外にアリだったんです。

映画のエネルギーというか力強さのようなものが
そうさせるのかなー。
でも、こんなに時間がたっても、
パワーが伝わってくるなんて、すごいなあ。

2作品の上映後、
両監督+川瀬陽太さん(榎本作品に出演)によるトークショー。
以下、ワタシの感想を勝手に書きます。

トークは、まず、お互いの作品の感想に始まり、
それぞれの作品の時代性、男女の関係の違いの話しなどなど。
ちなみに、瀬々監督と榎本監督は
獅子プロという会社の先輩・後輩の間柄です。

その中で、ワタシが印象に残ったのは、
瀬々監督が言っていた、
「(自分の)今回の映画は、いわゆる“暴行もの”
 “SMもの”で、マッチョな男がリードするセックスだけど、
 今はそういうジャンルが成立しにくいように感じる。」
と、いうようなこと。

確かに、暴行!レイプ!とかって、
新世代の監督だけじゃなく、
もっと映画一般のイメージとして「?」な感じがする。
道徳とか倫理的なことではなくって、
なんか、リアルじゃない、っていう感じかなー。
うーん。まだ、うまく考えがまとまらないけど。

それでも、
現実には、性犯罪は多かったり(しかも残酷だったり)、
アダルトビデオとかの世界では、
レイプものって成立してますよね?
そういう現実と、ワタシのこの感覚の違いはなんなのだろう。

それから、
川瀬さんが瀬々監督の作品に対して言っていた、
「今、ナチュラルな芝居だったり、自分の身の回りの
 出来事がテーマだったり、という映画が多いけど、
 “活劇”っぽい映画もいいなと思った。楽しく見れた。」
というような意見に、共感。

それから、話しは、
「今の、若手世代の監督たちは、何と戦って
 ピンク映画を撮っているのか?」
というようなテーマに及びました。

…。
ピンク映画って、何と戦っているんでしょう??
っていうか、何かと戦うべきなのかな。

なんだかやけに重たい空気の中、
初日の幕は閉じたのでした。

中野の夜は、アツイです!


(つづく)





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