タイトル■がんばれ!ピンク映画
書き手 ■カタリョウ・アユミ

これは、ピンク映画をとりまく人たちの
愛と青春の、そして貧乏の物語です。
でも書いているのは、フツーのOL(会社員?)。
彼女が垣間見たのは、一体どんな世界なのか?
なんだか興味シンシンなのです!

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第17回 それでも世界は動いてる

GWでだらだらし、
W杯でそわそわ、ドキドキしている間に、
前回の更新からずいぶん時間が経ってしまいました。

W杯期間中、
職場でW杯担当を命じられたわたしは、
(呑気な職場なもので・・・)
W杯コーナーをつくって
対戦表や戦力分析表を用意したり、
職場のおじさまたちに、
当日の対戦カードやテレビの放送予定を教えてあげたり、
毎日一生懸命テレビで観戦したり、と
非常に忙しく(?)しておりました。

こんな風にわたしが更新を怠けている間、
ひろしくんは、というと。

珍しく働き者だったんです!

6月といえば、お財布が潤う季節、
そう、『ボーナス』でございます。
サラリーマンであるわたしと
フリーのひろしくんとの収入格差が
一年間で最も開く、シビアな時期でもあります。
だから、
その差が少しでも縮まるようにたくさん働いた!!



・・・
なんてことは、ない、な。

ちなみにスケジュールはこんな感じでした。
4月の後半: 今岡信治監督のVシネマの助監督
5月の初旬: Tバックもの(←なんじゃそりゃ)のVシネマを2本
         撮影のみのお手伝い
5月の中旬: Vシネマの助監督
         出演は加勢大周、白竜、松方弘樹。シブ〜い。

で、この現場は6月のはじめまで続きました。
W杯のあいだも現場、現場、現場。

ひろしは、元サッカー少年なので、
W杯にかなり思い入れがありつつも、
にわかサッカーファン(ワタシ含む)の増殖に
我慢がならないらしく
微妙に距離をとって見ていたようでした。
気になる試合(フランス戦とか)の結果は
わたしがメールを送って
お知らせしてあげました。

その後、しばらくだらだらと過ごしていましたが、
6月の後半から7月のはじめにかけて
また新たなVシネマの現場に入り、
今、ちょうど撮影が終了したところです。

さて、そんな中、
ピンク映画界では
かなり重大な(?)出来事がありました。

なんと、あの“ぴあフィルムフェスティバル(PFF)”で
ピンク映画の特集が組まれたのです!!

女の子にオススメの“リアル・ピンク”
田尻祐司監督の『OLの愛汁 ラブジュース』や、
わたしがちょこっと出演した
女池充監督の『ぶ〜やん』など、
過去に「がんピン」で紹介した作品も
いくつか上映されました。
もちろん、わたしの大好きな俳優さん、
川瀬陽太さんの出演している作品もた・く・さ・ん!!

ただ、今年のPFFの開催期間は
6月24日〜7月5日。
佳境に入ったW杯とどちらをとるか、みたいな
かなり微妙な日程でした。
その上、サラリーマンにはつらい
昼間から夕方の時間帯・・・。
結局、わたしは、一日も行かれませんでした。

ともあれ、
メジャーなインディーズ、PFFにとりあげられることで
ピンク映画が日本映画の一ジャンルとして、
より広く認知されていくとうれしいと思います。

噂では、来年もやるようですし。

今年の様子に興味のある方は、
PFFのHPの「デイリーレポート」をどうぞ!
ピンク映画の特集『PINK2002』は
6/24、25、26の3日分に掲載されています。

ピンク映画をもっと盛り上げるためには
「ぴあ」に情報を載せてくれ!
なんて、突っ込まれたりしてます。

レポートの写真を見ると、結構お客さんが入ってる!
若い女の子が多かったようなのも、うれしい限りです。
「がんピン」でもおなじみの監督さんや俳優さんが
たくさん会場に登場したようで、
わたしも行きたかったな〜、と
今さらながら悔やんでおります。
サイン会もあったんだって!(いらないけど・・・)

PFFのHPはこちら
http://www.pia.co.jp/pff/24thpff/top/index.html

そして、もうひとつ。
アップリンクのDVDシリーズ
“ニッポンエロティクス”が続々発売中です。
第3弾は80年代特集。
ピンクの世界で活躍し、
一般映画へと活躍のフィールドを広げていった監督、
といって、まず思い浮かぶの3人の監督の作品が
6/28にリリースされました。

まずは、説明無用!
『シコふんじゃった』『Shall We Dance?』の
周防正行監督 『変態家族 兄貴の嫁さん』(´84)

『光の雨』『愛の新世紀』の
高橋伴明監督 『少女娼婦』(´80)

そして、『陰陽師』や広末涼子主演『秘密』の
滝田洋二郎監督 『真昼の切り裂き魔』(´84)

このDVD発売記念して開催された
渋谷のアップリンクファクトリーでのイベントには、
なんと、あの大杉蓮さんがゲストで登場したそうです!
見たかったー!!

ご存知の方も多いと思いますが、
大杉蓮さんは、この時代のピンク映画になくてはならない、
出演作品がめちゃくちゃたくさんある俳優さんなのです。

製作・配給会社、国映のプロデューサー朝倉大介氏は
周防監督のデビュー作について、
「(小津安二郎へのオマージュにあふれた作風について)
当時は、『いつまでも青春やってんじゃねえよ』みたいな
批判もあったけど、後にああいう作品を作っていくようになると
思わぬ価値が出てくる」
というようなことをおっしゃっていました。

まさに。
ですね。

そして、そして、第4弾のラインナップもすごい。
今回で、ピンク映画シリーズ第一期の最後、ということで、
輝けるピンク黎明期、60年代特集です。
なんとあの、若松孝二監督が登場!
今は亡きサニーデイ・サービスが
ビデオクリップに使ったりして、
一時期話題になったんじゃなかったでしたっけ。

大和屋竺監督 『荒野のダッチワイフ』(´67)
若松孝二監督 『情事の履歴書』(´65)
足立正生監督 『女学生ゲリラ』(´69)

今だ伝説的に語り継がれる監督たちの豪華な3作品が
8/23に発売予定です。

いやー。
W杯でわいわい言っている間でも
こんなに世界は動いてます!

ひろしの部屋の扇風機は
ついに止まっちゃいましたけど(涙)





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