タイトル■定義は最高!
話し手 ■ターザン山本 

元週刊プロレスのカリスマ編集長、
プロレスファン以外には「未知の強豪」、
そして自画自賛大王のターザン山本さんが
世の中の様々な言葉をズバッと定義!
言葉を定義すると、現実はより鮮明に、
より豊かになるのだ!定義は最高!!

>>バックナンバー


■■ 第1章 愛 ■■

<03>「愛はピンポイント!」

谷田  じゃあ、たとえば
    男女の「愛」ということではなく、
    「プロレスラブ」なんて言葉もありまよね。

    そういった「ジャンル愛」みたいな
    「愛」も、やっぱり
    「片思い」なんですかね?

山本  ジャンル愛なんてものは、ないよ!!!

谷田  ないですかね?

山本  ない!(キッパリ)

谷田  山本さんもそういう意識ってないです?

山本  うん、ない。

    プロ野球が好きなんじゃなしに、
    ジャイアンツが好きだとか長嶋が好きだというか、
    どんどんどんどん限定されてくるわけよ。
    必ず、愛というものは!

    極限に限定されたものが、愛なんじゃない?
    それがまた拡大していって、
    限定されたものから広がっていって、
    ジャンルにつながってるだけよ。

谷田  そっかそっか…
 
山本  「愛」というのは、
    限定!限定!限定!限定!されて
    もう、ここしかないような
    分子みたいな構造があるでしょ、
    そういうものなんだよ。

谷田  ピンポイントでなければ、
    おかしいってことですね

山本  そうそうそうそう!
    そのピンポイントから
    広がっていくんだよぉ!

谷田  愛は「面、ではなく、点」…ってことか

山本  限りなく、余計なものが消されて
    「好き」だってこと。

    そこだけが好き、っていうピンポイントよ。

    そこが、それだけが、
    好きってことだよね。

谷田  猪木さんが好き、馬場さんが好き、
    って感情が点としてはあるとして…

山本  (遮って)その猪木さんがやってるから 
    新日本プロレスが好き、馬場さんが好きだから
    全日本プロレスが好き、だからプロレスが好きって
    ことになってくるわけだよぉ!

谷田  じゃあ、人類愛みたいなものは、
    あり得ないってことですね(笑)

山本  あるわけないよ、そんなもん!!

    人類愛なんて、誰がそんな
    抽象的なもんを愛すのよ!
    
    具体的なもんを愛すんだから、
    「愛」というのは。

    より、具体的で、明確で、
    ピンポイントのものを愛すわけよ、人は。

    「ボクは誰々さんを好き」ということも
    何十億いる女性の中から
    ドゥアーーーーーーーーーーーーーーッと
    限定して
    パッ!とピンポイントで好きになるわけだよ。

    違う?

谷田  …いや、そうです。そう思います、確かに。

    そう考えると、確かに「愛」って言葉を、
    安易に、曖昧に使ってますね。
    

山本  便利に使いすぎてるんだよ。
    (モグモグ)

    でも、便利に使った方がラクなんだよ。

    だから、ボクは便利に使うことを
    惡だとは言ってないんだよ。

谷田  でも思考は停止しちゃうよ、ってことですね。

山本  ボクは、思考が停止したらダメよ、
    と言ってるだけなんだよね。


(つづく)



ターザン山本

本名:山本隆司。1946年山口県生まれ。
「週刊プロレス」編集長としてプロレスファン
の間ではカリスマ的な存在として君臨。
公称40万部という驚異的な販売部数を記録した。
96年退社。現在はフリーとして各誌に連載を持つ傍ら、
フリーライター養成講座「一揆塾」を主宰。
また“最強の有料ウェブマガジン”
「マイナーパワー」を発行している。
人気コンテンツ「往生際日記は」、
浅草キッドさんのHP「キッドリターン」にも
転載されていて、無料で読むことができる。
狼ガガ主宰者お気に入りの映画批評サイト
「映画を語ろう」も必読!


■「とあるウェブマガジン準備号」時代の連載
「自画自賛王・ターザン山本、参上!」こちら!






[トップへ]