自画自賛王・ターザン山本、見参!
〜 自 画 自 賛 と は 何 か !? 〜


この「とあるウェブマガジン」が
本格創刊したら最大の目玉になるはずの
ターザン山本さんの連載。
それに先がけて、初めて
山本さんにお会いした時に聞いた話を
これからほぼ毎日、掲載していきます。

※ターザン山本さんがどんな人なのかは
 こちらを参照してください

一時はプロレス界を追放され、
奥さんにも逃げられてしまったにも
かかわらず、見事に完全復活!

こんなに元気で
メチャクチャで、楽しそうな、
55才の人はまずいないでしょう!

そしてこれほど
自分を自画自賛できる人もまずいません!
これは素晴らしい才能です!

そういうわけで、
山本さんの元気の源である
「自画自賛」とは何か?
を中心に話は進んでいきます。

読めば、きっと元気が出るはずです!
自画自賛の面白さに気づくはずです!
もっと毎日が楽しくなるヒントが
見つかるはずです!

ではどうぞ!



<01> 今は最高に面白いよぉ! 
<02> 自画自賛とはギャグであり、サービス!
<03> VIP待遇を受けて楽観主義になった!
<04> オレは現在の日蓮、親鸞!そしてモーツァルト!!
<05> 「無邪気さ」は重要なキーワードだね!
<06> 「才能」とは、何を選ぶか!
<07> コンプレックスは1個だけあった!
<08> 「うらやましい」は「尊敬」にギアチェンジ!
<09> 「自業自得」「自暴自棄」は保険!
<10> 都会で生きるには、この2つが大事!





<11> 「オギャー」が史上最強の自画自賛!!

谷田  さて、自画自賛については、こんなところでしょうか?

山本  あまりにもたくさんのキーワードを言ってしまったよ!
    ありあまるほどの(笑)。

谷田  そうですね。書き切れるかどうか、不安だなぁ(笑)。

山本  まあ、うまくまとめてください。

谷田  なんとか、抽出してみます(笑)。
   
    でも、山本さんの話はやっぱりおもしろいですよ。
    元気がでますね。

山本  みんな、そう言うよ。

谷田  また自画自賛だ(笑)。そういえば、
    ホームページでやってる映画の批評
    あれ、すごくおもしろいですね。

山本  …あれはね、ハッキリいって、
    オレは抜群だと思うんだけどなぁ!

谷田  ホント抜群です(笑)。もっといろんな人に
    読んでほしいなと思ってるんですけどね。

山本  いやぁ〜、今やってる仕事の中で
    いちばん楽しいんだよね。

    映画のものの見方、鋭い切り込み?
    あれ、いいんだよなぁ!
    今度、本にできるかもしれないんだよ。

谷田  やりましたね。ぜひ出すべきですよ。

山本  わかる?(嬉しそう)

谷田  たとえば、「メトロポリス」。
    僕、正直言ってあんまりおもしろくないなと思って
    見てて、しかも居眠りしちゃったんですけど、
    あれ読んで「負けた!」って思ったんですね。

    オレ、こういう感性で見られなかったぁ!って(笑)

山本  あれ、だって、テロ予告してるもん。
    最初の白黒シーンで、大きなバベルの塔が出てくるわけですよ、
    高層ビルが。最後あれがさぁ、瓦礫の山に崩壊していくんだよ。

    崩壊していく中で、あのロボットの少年が
    「ボクはいったい誰なの?」と叫ぶのよ、
    ガーッ!と崩壊していく中で。

    あれ、貿易センタービルだよ。

谷田  あっ…!

山本  ハッキリ言って、今年の映画の中で、
    いちばん予感に富んだ映画は『メトロポリス』!
    ナンバーワンですよぉ!

    で、なぜね、『メトロポリス』はヒットしないで、
    『千と千尋』がヒットしたかは、
    今の日本の社会状況のバカさ加減を出している。

    今度、今年の2001年の映画批評を総合的に語る時に、
    オレは必ずそれを言うんだよ。

    あのね、今年、貿易センタービルのあれを
    予告した映画は5つも6つもあるんだよ。

    「スターリン・グラード」という映画もそうです。
    瓦礫の山なんですよ。「メトロポリス」も最後は瓦礫なんだよ。
    「AI」だってニューヨークが海に沈んでんだよ!

谷田  ああ〜、たしかに!

山本  みんな、その同時代として、意識が、なんていうかさ、
    精神分析でいうと、共通意識があるんですよ、そこにもう。
    もの考えてる人間はそうなんだよ。

谷田  それがあんな形で現実になってしまったと。

山本  そうそうそう。

    …「メトロポリス」の批評、気にいったの?(嬉しそうに)

谷田  ウトウトしながら見てたくらいで、
    おもしろくない映画だなと思ってたんですよ。

    それだけにあの批評は、ショックを受けたんですよねぇ。
    「こんな見方もあったのか!」って。

    やっぱ自分にはそういう見方ができなかったわけで、
    敗北感的なものがあって、もう一度見返そうかと…。

山本  パチパチパチパチパチパチ!(拍手して大喜び)

    それが…ボクのね…(笑って言葉につまりながら)
    自画自賛の…

谷田  狙いですよねぇ(笑)

山本  そうやって、ある程度、相手にダメージ与えてね…
    (まだ笑いで言葉がつまってる)
   
    パチパチパチ!(また拍手)

    喜んでるわけですよぉ!!!


谷田
  それ、狙ってるんだろうなとも思うんだけど、
    まんまと狙いにハマっちゃいましたねぇ…(笑)

山本  そうかぁ、「メトロポリス」を気にいってくれたって、
    めちゃくちゃ嬉しいなぁ!
    あれはねぇ、ものすごい自信作なんですよ。

谷田  批評してる以外にも、映画はたくさん見てるんですか?

山本  見てるよぉ。

谷田  「初恋のきた道」って見ました?

山本  中国の? あれは見なかった。

谷田  僕、あの映画、なぜか山本さんのことを
    思い出しながら見てたんですよ。

    それはなぜかというと、この映画は
    主人公のお父さんとお母さんの恋愛を描いた作品なんですけど、
    主人公がでてくる「現在」のシーンは、しぶーいモノクロで、
    回想シーンの「過去」はものすごく美しいカラーなんですよね。

山本  それ、見に行こう。なんて映画?

谷田  「初恋のきた道」。女の子がすごくかわいいので、
    山本さんの条件はひとつクリアしてると思うんですけど(笑)、
    過去だけが輝いてるって、
    プロレスの話でもよく書いてるじゃないですか。
    それを直球で投げてきた映画だったから、
    山本さんが見たら、きっと「いい!」って
    言うんじゃないかと思ってたんですよ。

山本  あのね、過去だけが輝いてるというより、
    記憶だけが輝くんだよね。厳密に言うと。

    記憶だけが輝くんだよぉ、人間は!

谷田  そうか、「過去」じゃなく「記憶」か。

山本  そう、過去じゃないんだよ。

    記憶だけが、自分の中の特別な、
    自分だけの記憶だけが、輝くんだよ。

    だからオレはさぁ、
    中国映画の「山の郵便配達」?
    めちゃくちゃおもしろかったもんなぁ。

谷田  あっ、急に質問を思いつきました。

    山本さんが最初に自画自賛したのって、いつですか?
    記憶、あります?

山本  オギャーと生まれた時ですよぉ!

    「生まれる」ということは、
    ものすごい可能性の中から選ばれたという
    ことなわけ。

    みんな、それを忘れてるんですよ。

    存在自体が、類いまれなる才能なんだよね!

    だから、「オギャー」というあの泣き声が
    史上最強の自画自賛ですよぉぉ!!!!

                        (おわり)


※この連載は今回で最終回です。
 「狼はガガーリン空港へ行く」で始まる、
 山本さんの語りおろし新連載、御期待ください。
              
(2001.12.14)



 

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