自画自賛王・ターザン山本、見参!
〜 自 画 自 賛 と は 何 か !? 〜


この「とあるウェブマガジン」が
本格創刊したら最大の目玉になるはずの
ターザン山本さんの連載。
それに先がけて、初めて
山本さんにお会いした時に聞いた話を
これからほぼ毎日、掲載していきます。

※ターザン山本さんがどんな人なのかは
 こちらを参照してください

一時はプロレス界を追放され、
奥さんにも逃げられてしまったにも
かかわらず、見事に完全復活!

こんなに元気で
メチャクチャで、楽しそうな、
55才の人はまずいないでしょう!

そしてこれほど
自分を自画自賛できる人もまずいません!
これは素晴らしい才能です!

そういうわけで、
山本さんの元気の源である
「自画自賛」とは何か?
を中心に話は進んでいきます。

読めば、きっと元気が出るはずです!
自画自賛の面白さに気づくはずです!
もっと毎日が楽しくなるヒントが
見つかるはずです!

ではどうぞ!



<01> 今は最高に面白いよぉ! 
<02> 自画自賛とはギャグであり、サービス!
<03> VIP待遇を受けて楽観主義になった!





<04> オレは現代の日蓮、親鸞!そしてモーツァルト!!

谷田  でも、週プロの編集長を辞めたというか、
    辞めさせられて、
    プロレス界を追放された時も
    楽観主義だったんですか?

山本  あの辞めた時も、間違ってないんだもん。
    正しいと思ったもん、オレ。

    ハッキリ言って、
    親鸞とか日蓮と一緒だと思ったもん。
    思想やイデオロギーで彼らは抹殺されたから。

    彼らが越後や佐渡島に流されたように、
    オレも追放されて流されたんだなと。

    同じだと思ったもん、
    「オレは“現代の日蓮か親鸞”だな」って。

谷田  すごい発想(笑)

山本  そうだよぉ!オレも日蓮のように、
    マット界では団体とか選手とは違う価値観を
    週刊プロレスで布教活動してたわけでしょ?
    それがものすごく強い影響を与えたわけ。

    だから法然が土佐に流されたように、 
    あるいは日蓮が佐渡に流されたように
    追放され、流された。

    「オレはそれ級の人間か!法然・親鸞・日蓮級か!」
    と思ったわけ(笑)。

    だからこれは名誉だな!と。
    時代がずっと進めば、この先必ず評価されるなと。

谷田  さすがです(笑)

山本  必ずオレは評価されて、
    もし1990年から2000年の始めに、
    ジャーナリストというのが存在したとしたら、
    「ターザン山本だけだったんじゃないか?」
    という評価をされるんじゃないかと思って(笑)。

谷田  すごい(笑)

山本  だって、文化人の中で
    取材拒否されて云々なんて人いないじゃない?
    何か物事を言って業界から抹殺される人なんてさ。
    言論界でもないでしょ?

    表現というものは、
    権力とぶつからないものは本物じゃないんだよ。

    表現ということ自体が、本当に追求していったら、
    必ず、体制とか権力とぶつかっていって、
    権力が必ずさぁ、圧迫してくるわけよ。
    抑えてくるわけよ。抑圧してくるわけよ。

    それでいったら、オレは千利休かと思ったよ!
    新日本プロレスが豊臣秀吉だなと。

    そんな風に考えるわけ、オレは、すぐに(笑)。
    歴史的人物っていうかさぁ…

谷田  偉人級だと(笑)。

山本  そうそう、偉人級だ!って。
    そうやって考えると、みんな変だと思うけど、
    笑うんだよね(笑)。

谷田  気持ちいいんでしょうね、きっと。
    そう言い切れる人ってなかなかいないし、
    たいがいの人にはできないことですから。

    羨ましいって気持ちは
    気分のいい感情じゃないですか。

山本  でもまあ、嫁はんが逃げた時は
    オレもやっぱりさ…
    「ああ、身内が裏切って逃げていく」と、
    その時はメチャメチャ落ち込んだね。

    でもね、(才能ある人間は)
    身内や家族から否定されるもんなんだよ。
    モーツァルトも嫁さんが逃げたからね。

    だからそれ思い出して
    「オレはモーツアルト級だな!」
    って思ったよ(笑)。

谷田  今度はモーツァルト(笑)。
    山本さんは落ち込んでも
    立ち直りが異常に早いんですね。

山本  落ち込んだ瞬間に、スイッチが切り替わるわけですよ。
   
    たとえば競馬で負けるでしょ?
    ボロ負けした。負けたらね

   「いやースッカラカンになった。気持ちいいなぁ!
    ゼロからやり直そう、月曜日はゼロからのスタートだ!」

    ってゼロになるわけよ。
    ホントにきれいさっぱりさ、自分の中からさ、
    あらゆる毒とガスが抜けたっていう、
    まっさらな状態になるわけ、その瞬間、月曜日から。

    で、またイチから出直して仕事し始めたらね、
    ふつう負けたら仕事できないんだけど、
    オレの場合はめちゃくちゃ仕事できるんですよ。
    原稿書いて。想像力豊かになって。

谷田  じゃあ勝ち続けたら、逆に危険なんですね。

山本  勝ち続けてたら、だらしない人間になって、
    キャバクラ毎日行ったり、なんにもしなくなるわけよ。

谷田  競馬で負けてる方が
    バランスがいいんですかね(笑)

山本  今はお金もさっぱりないし、
    400万くらい借金もあるから、
    それを返そうってことで、せっせと生きてるわけですよ(笑)。

    なんかこうマイナスがあって、
    ゼロまで取りかえそうと頑張る時の人間ってのは
    すごくいいんだよねぇ!

    ゼロまでにしなくきゃいけないという形で、
    ずーと頑張っている時、いちばんいい仕事ができたりさ。
    輝くんだよ。一生懸命になるしさ。

    だから、いつもオレは、
    自分の視点を負の座標軸のゼロより下にもってってるんだよ。
    どんなことでも。それからゼロにするという。

    ウワァァ〜とお金を稼いだり、名誉を得たりすると、
    本能的にマイナスの座標軸にもっていくわけよ。

    だから僕は週刊プロレスで、
    ボワァァ〜ッと勢いがあって、
    巨大なさぁひとつの偶像ができたでしょ、
    ターザン山本っていう。

    で、東京ドームで「夢の懸け橋」やったり。

    ※「夢の懸け橋」
       週刊プロレスを発行しているベースボールマガジン社が
       主宰した、プロレス界のオールスター戦(1995年4月2日)。
       当時の週刊プロレス、ターザン山本の勢いを象徴するイベント。
       しかし、プロレス団体ですら、なし得ない企画の興行を
       一出版社が主宰したことに対する、業界内からは反発も激しく、
       結果的に他のマスコミからはほとんど黙殺された。

   
    あんなことやると、おのずからストーンッといくのよ。

谷田  あの時から危機感を自分で感じてたんですか?

山本  ヤバイと思ったよ。
    オレがこんな風になったらおかしいって思ってたよ。

    オレがそんな風になる必要ないんだよね。
    だからほんとにさぁ、
    思ったようにさぁストーンッ!と落ちたよ。

    上にあがった分だけ、落ちたら落差、大きいよね(笑)。

                          (つづきます)


※現代のモーツァルト・ターザン山本さんの日記は
 「マイナーパワー」で連載中。ただこれは有料ウェブマガジン
 なんですが、浅草キッドさんのHPにも転載されており、
 これは無料で読めます。
 またこれまでの日記を1冊にまとめた本、
 「豪速球〜時速160キロの豪腕日記」(芳賀書店/¥1500)
 も好評発売中。

 


 [つづきへ]

 
[トップへ]