自画自賛王・ターザン山本、見参!
〜 自 画 自 賛 と は 何 か !? 〜


この「とあるウェブマガジン」が
本格創刊したら最大の目玉になるはずの
ターザン山本さんの連載。
それに先がけて、初めて
山本さんにお会いした時に聞いた話を
これからほぼ毎日、掲載していきます。

※ターザン山本さんがどんな人なのかは
 こちらを参照してください

一時はプロレス界を追放され、
奥さんにも逃げられてしまったにも
かかわらず、見事に完全復活!

こんなに元気で
メチャクチャで、楽しそうな、
55才の人はまずいないでしょう!

そしてこれほど
自分を自画自賛できる人もまずいません!
これは素晴らしい才能です!

そういうわけで、
山本さんの元気の源である
「自画自賛」とは何か?
を中心に話は進んでいきます。

読めば、きっと元気が出るはずです!
自画自賛の面白さに気づくはずです!
もっと毎日が楽しくなるヒントが
見つかるはずです!

ではどうぞ!



<01> 「今は最高に面白いよぉ!」 


<02> 自画自賛とはギャグであり、サービス!

谷田  今回、自画自賛というテーマに
     注目しようと思ったのは、
     山本さんを見てて、というのが大きいんですよ。

山本  うん。

谷田  「変わらなきゃ」って言葉が少し前に流行ったじゃないですか。
   
    今もそうですけど、たとえばプロレス界でいっても、
    「プライド」みたいなガチンコの格闘技の方向にいけばいいのか?
    エンターテインメントとしての方向に徹底すればいいのか?
    かなり迷ってますよね。そして、ファンも迷ってる。

    プロレスに限らず、みんな自信を失っているから、
    「変わらなきゃ」「変わらなきゃ」って言ってる気がするんですね。
    今のままじゃダメなんじゃないかって。
   
    でも、たとえばプロレスラーでいうと、
    武藤(敬司)は自画自賛のタイプだと思うんですよ。

    エンターテイナー、あるいは表現者としての自分に
    絶対の自信があって、それに迷いがない。

    で、そういう彼なんかが、今いちばん見てて安心するというか、
    唯一、光ってるって現状がありますよね。

    山本さんも自画自賛しまくることで、
    やっぱり今、光っている。で…

山本 (遮って)いいこというねえ!
   
    自画自賛というのはね、パっとその言葉だけを聞いたら、
    要するにアホな男が自分のうぬぼれでね、
    根拠のない形で自画自賛してるというムードをいうわけですよ。
    いわゆる実体のないムードみたいのを。

    ホントの自画自賛というのは、確かなさぁ、
    自分の中の自信と手ごたえと、あるいは
    客観的実力、才能、感性、というものを、
    背景や相対したものに対して、
    自分の中に身につけた大いなる、手ごたえよ!

    それが感じられるから、人前に出た時に、
    その自分を遊ぶことができるわけ。

    自画自賛というのは、僕にとって人前に出た時の、
    遊びなわけですよ。

    人間関係における最大の遊びだと思ってるし、
    サービスだと思ってるわけよ!
   
    自画自賛は、みんなに対するサービスなんだよぉ!

谷田  みんなを楽しませるもの?

山本  そうそうそう。
    楽しませた時に、相手も「こいつ自画自賛してるぜ」
    と思った時はハラたつわけよ、普通は。

    ハラたつというか、ムカつくというか、
    シラけるとというか、引いちゃったりするんだけど、
    言った者の中に、たとえばこの人はホントにさあ、
    感性とか才能や実力に自信があって言ってるんだなって思ったら、
    許すんだよね。

    自画自賛のムードに、
    その背景に確かなものを相手も感じるから、
    あっこれはいいんだと、自画自賛というのは許されるんだなと、
    おもしろいなと。自画自賛を相手も楽しんじゃうわけ。

    だからギャグにしてるんだよね、自分の才能を。

谷田  なるほど。自分の才能をギャグに(笑)。

山本  そう、自分の感性をギャグにしてるんだよ。
    だからギャグで言ってるわけよ、僕は。
    自慢して言ってるんじゃないんだよね(笑)。

谷田  自慢と自画自賛は違うんですよね。

山本  紙一重なんだよね。
    自慢とうぬぼれと紙一重よ。

    そう定義したら、わかるでしょ。

    実力のない人とか、背景のない人が自画自賛したら、
    ほんとにタワケですよぉ。

谷田  山本さんは才能があるから、ギャグになると(笑)。
    では、自慢と自画自賛の違いを定義すると、
    どういうことになりますか?

山本  うん、自画自賛というのは、才能をギャグにしてること。
    要するにサービスしていること。
  
    で、自慢というのは、ひとりよがりですよ!
    単なるひとりよがり。

    ひとりよがりだと相手もひいちゃうし、反発食うわけよ。
    
    僕の場合は、おおらかなサービス精神と、
    ギャグとして言ってるから、
    みんな「アハハ」と笑うわけよ、一緒になって(笑)。

谷田  おもしろいな〜と(笑)。

山本  そうそう。で、僕は何を言われても自画自賛するんですよ。
    要するに、相手との関係の中で、
    いろんなことを言われたり、責められたりとかさぁ、
    厳しく批判されても、その受け身をすべて自画自賛に変えるの(笑)

    それはひとつの言葉遊びとして、できるんだよね。
    みんな「あいつは、こういえば、ああいって自画自賛する、
    ああいえばこういって自画自賛する」といって笑うわけですよ。

    その笑いをいちばん楽しんでくれてるのが、
    フリーライターの吉田豪ちゃんよ。

    吉田豪ちゃんが
    僕の自画自賛という部分を、ひきだしたんですよ。

谷田  山本さんの日記を本にした「豪速球」には、
    日記を書きながら自画自賛にめざめたって
    書いてありましたよね。

山本  僕は日記というのは、人に見せるものだと思ってるから。
    日記というのは人に見せないもんでしょ、普通は。

    人に見せないということは、隠すということだよね。
    でも、隠すというのは、僕にとっては苦しい作業なんだよね。

    僕は、今の若い人と違って、全部さらけだすと。

    もうどうにでもしてください、
    マナ板のコイですよといって、全部さらけだしちゃうんですよ。

    さらけだしてるうちに、恥もさらけだしてるんだけど、
    要する人前でハダカになったり、競馬でボロ負けしたとかさぁ、
    フラれたとかさぁ、いろいろあるわけじゃない、挫折の数々が。
  
    でも、さらけだすことによって、
    いつのまにかそれが自画自賛になってしまったわけ。

    本来なら自慢すべきではないこと、
    恥じるべきことも自画自賛に変えちゃうわけよ。
    だからラクだよ、人生(笑)。

谷田  その境地に達したら、ラクでしょうね(笑)。

山本  怖いものなしよね。

    そこまでいけば、ラクなんだけど、
    今の若い人達はひきこもりでしょ?

    でも人間って誰だってトラウマあるわけですよ。
    天才や秀才という人ほど、トラウマはあるんだよね。
    人生の挫折を多く経験してるわけよ。

    そのトラウマと挫折が誰にでもあって、
    それこそが人生の8割から9割だってことが
    わかったんだったら、
    もうさらけだすしかないじゃない!

谷田  あー

山本  人生ってそういうもんなんだよ。
    挫折とか絶望しかないんだよ。

    絶望っていったら、ちょっとオーバーだけどさぁ。
    もう挫折が大半なんだから。
    それがわかったら、いいじゃない?
    さらけだしちゃえば。

    そうすると自画自賛ムードに入っていけるんだよねぇ。

谷田  周りの人もつきあいやすくなりますよね。

山本  だって、アホなことさらけだしてるんだからさぁ。
    みんな笑ってくれるよね(笑)。

谷田  山本さんの日記を読んでいると、
    なんでもかんでも、さらけだしてるから、
    聞いちゃいけないことって、ないんだろうなと思っちゃいます。

山本  ないよぉ!(笑)

谷田  普通あるじゃないですか、この話題はマズいかなとか。
    それがないってことは、すごくつきあいやすくなりますよね。
    人と人とが。

山本  そうそうそう。

谷田  だから今、山本さんが人気あるんだと思うんですよね。

山本  みんなツッこんできて、笑ってるよぉ(笑)

                          (つづきます)


※山本さんが「すべてをさらけだしてる日記」は
 「マイナーパワー」で連載中。ただこれは有料ウェブマガジン
 なんですが、浅草キッドさんのHPに転載されており、
 これは無料で読めます。
 またこれまでの日記を1冊にまとめた本、
 「豪速球〜時速160キロの豪腕日記」(芳賀書店/¥1500)
 も好評発売中。

 


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