タイトル■定義は最高!
話し手 ■ターザン山本
元週刊プロレスのカリスマ編集長、
プロレスファン以外には「未知の強豪」、
そして自画自賛大王のターザン山本さんが
世の中の様々な言葉をズバッと定義!
言葉を定義すると、現実はより鮮明に、
より豊かになるのだ!定義は最高!!
>>バックナンバー
■■ 第2章 青春 ■■
<01> 反抗しないものは青春じゃない!谷田 「愛」に続きましては、「青春」です。
というわけで、山本さん!
ズバリ「青春」とは、何でしょう?山本 最初は、イキがることだったんだよね。
やっぱり「大人になりたくない」とか、
そういう気持ちがあるわけよ。社会に出たくないとか
社会に組み込まれたくないとか。昔でいうと「怒れる若者たち」とか、
反抗する若者達とか、ジェームス・ディーンとかさ
いろいろあったわけよ。ボクはその直撃世代だからさ、1960年代の。
大人を否定する、社会を否定する、世間を否定する、
そういう世代だったわけよ。青春とは、そういうものだと思ってたわけよ、オレは。
背伸びするというかね。谷田 あー、背伸び。
山本 非常に背伸びして考えるわけ。
でも実力はないわけよ。力はないのに、世の中の既成の価値観に
対抗意識をムキ出しにするというか。そういう意味ではボクなんか
自分の生き方を貫いてきたんで、
大学を4年で卒業して就職するという生き方を
拒否してるわけですよ。拒否して、組み込まれないということで
ものすごく自己闘争したんだよね。5年で中退して、その中退というのも
最初から自分のプランの中に入ってたわけよ。
そうして、サラリーマンにならないという
個人闘争をしてきたんだよね。今から思うとオレの場合は
昔ながらの青春だったわけよ。
反抗的というさ。青春というのは、反抗期の精神状態だよね!
だから、反抗しないものは
「青春」じゃないよな!谷田 なるほど。青春とは、反抗すること。
山本 反抗しないと青春じゃないということは…
反抗をするものが見えるかどうかだよね!
認識できるかどうか!何に対してオレは反抗して
何に対してキミは反抗するのか?反抗する「敵」が見えなきゃいけないわけよ!!
少なくとも、それを明確に
自覚的に見るのか
肌で本能的に、
感じるのかってのがあるでしょ?その両方を持っているのが
「青春」という一時期だと思うんだよね。それは必ず通過儀礼として訪れてくるわけよ!
高校から大学に行く頃ね。
完全にその関所が用意されてるんだよね。
もうリトマス試験紙なんだよ、大人になるための!
それで赤になるのか青になるのか
わからないわけよ!ボクにとっては、過去の経験からいうと
そういうのが「青春」だったね。
だから「青い」わけよ!谷田 あっ!まさに文字通り…
山本 (遮って)
「青春」というのは、
「青い春」って書くでしょ!!「青い」わけよ。
大人はよく言うでしょ「キミは青い」ってさ。で、「春」だから
冬は通り越してきたんだけど、
夏に向ってカンカン照りの状態になるかどうかは
まだわからないわけよ。「春」というのは、
本当にまだ途中経過でしょ?
冬から夏への。谷田 予感だけの時期?
山本 そうそう!
途中経過の、まだ予感の状態でしょ!
なんかのぬくもりがあって燃えてきてるな、
っていう状態ですよ、青春とは。青くて、ぬるくて、春のような状態ですよ。
目覚めつつあるのかな?っていう、
そのへんの状態だよね。ということは、
ボクらの時代は、
その状態を常に抑圧するというか、
反抗される側の力が強かったということだよね。その反抗される側が
強くないとダメだということよ!
そうでないと
青春というのは、いきてこないんだよぉ。谷田 敵が強い方が、青春はいきてくるんだ…。
山本 うん、世の中とか世間とか社会という、
青春達を圧迫するようなものが
強固な方が、青春というものは輝くんだよねぇ。反抗できるからさ。
(もぐもぐ)谷田 そっか。確かに敵が強大な方が、燃えられますよね。
山本 うん!
(つづく)
■ターザン山本
本名:山本隆司。1946年山口県生まれ。
「週刊プロレス」編集長としてプロレスファン
の間ではカリスマ的な存在として君臨。
公称40万部という驚異的な販売部数を記録した。
96年退社。現在はフリーとして各誌に連載を持つ傍ら、
フリーライター養成講座「一揆塾」を主宰。
また“最強の有料ウェブマガジン”
「マイナーパワー」を発行している。
人気コンテンツ「往生際日記は」、
浅草キッドさんのHP「キッドリターン」にも
転載されていて、無料で読むことができる。
狼ガガ主宰者お気に入りの映画批評サイト
「映画を語ろう」も必読!
■「とあるウェブマガジン準備号」時代の連載
「自画自賛王・ターザン山本、参上!」はこちら!
[トップへ]