タイトル■定義は最高!
話し手 ■ターザン山本 

元週刊プロレスのカリスマ編集長、
プロレスファン以外には「未知の強豪」、
そして自画自賛大王のターザン山本さんが
世の中の様々な言葉をズバッと定義!
言葉を定義すると、現実はより鮮明に、
より豊かになるのだ!定義は最高!!

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■■ 第2章 青春 ■■

<03> 自分のために生きるのか?他人のために生きるのか?

山本  オレは親父からもらった「青春」を
    死ぬまで生きようとしてるんだよ。

    だから
    息子とか娘に「青春」をプレゼントしてない、
    という意味では、世の中的に言うと
    オレは、失格だよ。

    「親父」になれないんだから。

    「親父」の喜びは、
    子供に青春をプレゼントすることなんだから。

    俺はプレゼントできない人種だよ!
    …うん

谷田  自分も青春を生きながら、
    子供にもプレゼントする、
    ってことは無理なんですかね?

山本  無理だよね!

    まあ、しかしボクが社会的に成功して、
    知名度があって、名声もあって、お金もあったら
    プレゼントできるんですよ。

    ボクは、そこまでないわけよね。
    だからプレゼントできないんだよ。

谷田  (プレゼント)したいです?

山本  そりゃ、したいですよぉ!

    してあげたいので、
    もうオレのことは一切関係ないと。
    「キミも最後まで青春を生きなさい」
    という、言葉は言えるよね。

    だから、一切制約もしないし、
    …まあオレは育ててないから言えないんだけどさ
     
    いま二人、離婚して別れた人がいるけどさ、
    オレはもう、そう言いたいわけですよ。

    最後まで青春を生きるのか?
    親になって子供に青春をプレゼントするのか?
    どちらなの?
    …オレはそう言いたいわけですよ。

    どちらを取るのって?
     
    でも、ボクは青春をプレゼントできなかったけれど、
    子供には「青春をした方がいいよ」とは言う。

谷田  なるほど…。
    ってことは、自分に見切りをつけられない人間は
    青春が続くし、「親父」にはなれない?

山本  自分を見切るというか、
    確認することを、どこでやるかが問題なわけよ。

    やがて自分は死ぬわけでしょ?
    順番に死んでいって世代がかわるわけ。

    そこで、自分を確認した時に
    自分の人生を取るか?
    自分と繋がってる子供を取るか?

    これは、みんな自分の心の中で
    決着をつけるべき問題ですよ。

    それが今、曖昧なわけよ!

谷田  そうですね。

    そのフンギリをつけられないまま
    親になってしまう人も多いでしょうね。
    
山本  そのフンギリをつけられない状態が
    今の若い人も大人も続いているから、
    しっくりいかない世の中になってるわけよ。

    親の世代も、子供の世代も、
    なんとなくいろんな可能性があるような気がして、
    選択肢もいっぱいあるような気がして、
    そんなかんじの中で、
    「何か」をつかむことができないんだよね!

    つかむには才能が必要だからね。

谷田  まだ自分の役割を認識できてない
    ってことですかね?

山本  そうそう。

    自分とは何か?という役割を認識してないんだよ。

    大人とは要するに
    自己に見切るをつけるか?
    自分で最後まで青春を生きるか?

    そう定義できるね。

    ボクは親父からプレゼントしてもらった
    青春を最後まで生きるから
   「青春の延長戦」をやるということだよ!

    オレは好き勝手やってさぁ、大学も中退してるのにさぁ
    親父は全部許してるもん。

谷田  お父さんからのプレゼントを
    しっかり受け取ったということですね。

山本  そうそうそう。

    …結局、人は
    自分のために生きるのか?
    他者(ひと)のために生きるのか?

    そこを考えなくちゃいけないんだよね!

    オレは、自分のために生きるよ!と(笑)

    でもオレが自分のために生きることが
    自分のために青春を生きることが

    実は、他者に対して
    ある程度、還元できることなんじゃないかな?

   と、またオレは正当化してるわけ(笑)。


(つづく)

      



ターザン山本

本名:山本隆司。1946年山口県生まれ。
「週刊プロレス」編集長としてプロレスファン
の間ではカリスマ的な存在として君臨。
公称40万部という驚異的な販売部数を記録した。
96年退社。現在はフリーとして各誌に連載を持つ傍ら、
フリーライター養成講座「一揆塾」を主宰。
また“最強の有料ウェブマガジン”
「マイナーパワー」を発行している。
人気コンテンツ「往生際日記は」、
浅草キッドさんのHP「キッドリターン」にも
転載されていて、無料で読むことができる。
狼ガガ主宰者お気に入りの映画批評サイト
「映画を語ろう」も必読!


■「とあるウェブマガジン準備号」時代の連載
「自画自賛王・ターザン山本、参上!」こちら!






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