タイトル■定義は最高!
話し手 ■ターザン山本 

元週刊プロレスのカリスマ編集長、
プロレスファン以外には「未知の強豪」、
そして自画自賛大王のターザン山本さんが
世の中の様々な言葉をズバッと定義!
言葉を定義すると、現実はより鮮明に、
より豊かになるのだ!定義は最高!!

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■■ 第2章 青春 ■■

<06> オシャレに生きよう!

谷田  生きていることだけで十分!っていう
    山本さんの考えを、僕ら若い人間は
    どう捉えるべきなんですかね?

山本  それは重たいから、わからないよぉ。

    ボクも若い時は、まだまだ先があると思ってたよ。
    そん時は感じないよぉ。

    だからオレは確実に年を取ってるんだよね。
    そしたらね、不思議なんだよね。

    先がないとか、
    オレ死んでも、この世の中は存在してるんだとか
    思うわけ。

    俺が倒れて死んだとしても、
    この喫茶店はあるしさぁ、
    明日も朝も昼もあって、この世は
    存在し続けるわけ。

    …と思ったら、オレは悟ったんだよね。
    「オシャレに生きよう」って。

谷田  え…?
    オシャレ?(ポカーン)

山本  要するにさぁ、服装なんかも
    オシャレにしようってさ。

    オシャレになってかっこよくして
    人間関係もオシャレにしてさ
    生きていたいなと思ったのよ。

谷田  オシャレですか(笑)

山本  オレがオシャレになろうなんて
    昔の友達からしたら考えられないことだよぉ。

谷田  なんでオシャレに辿り着いたんですか?

山本  年とったらさぁ、肉体も衰えるし、
    醜悪になるというか、醜くなるじゃない?
    それをカバーしていくとしたら、
    常に清潔にするとか、あるいは
    服装も色とかを気にして、
    年とってるからこそ、
    ピンクのTシャツを着るとかね、
    そういう方に変わったわけよ!(笑)

谷田  そういえば、そのマフラーもオシャレですね(笑)

山本  このマフラーも色鮮やかな方がいいと思ってさ、
    亀戸の駅で安売りしてたんだけど、モンゴル製なんだよね。
    色がいいからさぁ、黒い服に似合うんだよね!

    そういうことも気を使うようになったよ、オレは。
    一大変革だよぉぉ!
    オレがそんなことを考えるなんて(笑)

谷田  おもしろいなぁ。

山本  55歳にして、オシャレに目覚めたんですよぉ!

    これからは、オレはオシャレにならなかったら、
    若い人も相手にしないだろうなって悟ったのよ。

    さっきのアインシュタインのこととか、どうでもいいのよ!
    オレにとってはこっちの方が重要よ!!

    年とった時に、ステキな人間になるには
    オシャレだなって思ったんだよねぇ。
   
    オシャレの必要性は、実に重要なんだよ。
    それで、自意識もオシャレじゃないといけないんだよね。

    服装はもちろんそうだけど、
    会話もステキじゃなきゃいけないし、
    ビジュアルも言葉も会話も行動も
    チャーミングでなきゃいけないんですよ。

    そういうことをオレは気づいた(笑)

谷田  へえ〜。でも、それはいいことですよね。

山本  そうすると、気持ちいいんだよね!

谷田  でも、年齢ごとにいろんな自分についての
    テーマが見えてくるんですねぇ。

山本  そう!ボクは年ということを
    ひとつの反面教師にしたわけ。

    年ということを逆手にとって、
    気持ちは若いのでクリアしてるから、
    あとは外見とか見た目とが大事だなと。

    あとやっぱり重要なのは、
    人間は話をするものなので、
    会話を楽しむというか、
    「お話し」するということが
    味わえなければいけないんだよね。

    それで相手を楽しませることが重要なわけ。

    その三つが大事なんだよ。
    ・見た目
    ・気の若さ
    ・会話の面白さ

谷田  これは数年前だったら、山本さんからは
    聞けない話だったんでしょうね。

山本  全然聞けないよぉ、そんなものは!

    要するに、会社を辞めて、離婚して、
    ダメージがあって、
    リハビリしながら、闘いながら、
    ある程度、屈折しながらさぁ、
    4〜5年つまづきもあったんだけど、
    やっと、なんていうかさぁ、
    自分のライフスタイルを変革できたんだよね。

谷田  自分の新しい形の「幸せ像」が見えてきたんですね。

山本  そうそう。
    残り少ない、限られた人生を
    うまく生きていこうと!

    だから、今は人生の中で
    一番楽しいねえ。

谷田  そういうお話を聞くと、年をとるのも
    面白そうだなって気持ちになれますね。

山本  年をとると、一般的にさぁ
    もう終わりだ、とか
    ネガティブになったりさぁ、
    気力も衰えてくるしさ、
    年寄りくさくなるじゃない?
 
    でも、それに抵抗しなきゃいけないじゃない!

谷田  そうか〜!
    山本さんは、年を取ることに反抗している
    「青春」なんですね。

山本  そうそうそう!

    絶対にかなわない「年」に対して、
    ささやかかな抵抗なのか
    あるいは物凄く頑張っているのか
    それはわかんないけどね。

    若い時は、ダンディズムは難しいと思う。
    年をとってダンディズムが出ると思うね。

    若い時は、若いだけで
    はじけんばかりのものがあるでしょ?
    若さだけの特権みたいなものがさ。

谷田  若い時は、ダンディになる必要がないんでしょうね。

山本  ないんですよぉ!

    若い人がダンディだったら、おかしいもん。

    ダンディズムというのは
    己を知るというか、自分の弱点を知ることで
    生まれてくる発想なんですよぉ!
 



ターザン山本

本名:山本隆司。1946年山口県生まれ。
「週刊プロレス」編集長としてプロレスファン
の間ではカリスマ的な存在として君臨。
公称40万部という驚異的な販売部数を記録した。
96年退社。現在はフリーとして各誌に連載を持つ傍ら、
フリーライター養成講座「一揆塾」を主宰。
また“最強の有料ウェブマガジン”
「マイナーパワー」を発行している。
人気コンテンツ「往生際日記は」、
浅草キッドさんのHP「キッドリターン」にも
転載されていて、無料で読むことができる。
狼ガガ主宰者お気に入りの映画批評サイト
「映画を語ろう」も必読!


■「とあるウェブマガジン準備号」時代の連載
「自画自賛王・ターザン山本、参上!」こちら!






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