タイトル■とるしえの実験室
     
〜怒濤のワールドウイニングイレブン6はW杯の夢を見る、のか?〜
書き手 ■
ロビー田中

サッカーのコンテンツです。このコラムでは
「ワールドウィニングイレブン6」というゲ
ームを使ってシミュレーションしながら日本
代表の戦い方を占ってみたりします。またサ
ッカーに関するいろいろな投稿も募集してい
ます。いろいろの人の参加、お待ちしてます!


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第3回 ベストメンバーが組めないのはどこも同じ

前回、決定的なラストパスを出す役目の
トップ下、オフェンシブハーフが
前を向いてプレーするのは難しい
という話をした。

しかし、比較的簡単に前を向く方法もある。
それがポストプレーだ。
くさびを打ち込む、という言い方をする場合もある。
こんな感じ。

    FW
    |\
    | \
    | OH
    |
    |
    DH

後方にいる選手、たとえばディフェンシブハーフから
フォワードにボールを送る。
フォワードはそのボールをダイレクトに
オフェンシブハーフに渡す、というもの。

こうすると、オフェンシブハーフは
最初から前を向いた状態でボールを保持することができる。

もちろん、フォワードは
ディフェンシブハーフからのボールを受けるため、
ゴールに背を向ける状態になるが、
オフェンシブハーフにボールを渡したらすぐに
相手ディフェンダーの奥に走り込む準備をすればいい。

もともと、サッカーの世界では
フォワードがあらかじめ相手ディフェンダーよりも前に
陣取っているとオフサイドという反則になる。
これは簡単に言ってしまうと
待ち伏せ行為はずるいからダメ!という反則だ。

   ┌──────┐
     相手GK

    FW

相手DF  相手DF  相手DF

    OH

こんなふうにしてFWがポツンとゴール前にいたら
ロングパスを出すだけで簡単に点が取れてしまう。
そんなのずるい。ずる過ぎる。
イギリスで生まれたサッカーは
非紳士的な行為を嫌うので、
このオフサイドという反則を作ったのだ。

話が横にそれてしまったが、
要するにくさびを打ち込む時点では
(ポストプレーを作動させる時点では)
フォワードがゴールに背を向けていても
ほとんど支障はない。
だからポストプレーは有効な戦術のひとつなのだ。

もちろん、実際にやろうとすると簡単ではない。
相手ディフェンダーもフォワードに身体を寄せてくる。
そのプレッシャーに耐えながら、
正確なボールコントロールをする技術が
フォワードには必要となるのだ。


● ● ● ● ●

日本にもポストプレーがうまい選手は何人かいる。
たとえば高原。
世界ユース選手権やオリンピックでみせた
ポストプレーは見事だった。
所属するジュビロ磐田でも
名波や藤田、そして中山とのコンビネーションで
数々のゴールを決めている?
スペインのチームでプレーしたこともある
西澤もかなりうまい。
セレッソ大阪で同僚の森島とのコンビは
世界の強豪と対戦しても通用しそうだ。

しかし、今は2人とも日本代表のメンバーには入っていない。
高原はエコノミー症候群で、
西澤は盲腸の手術をしたばかりで
メンバーから外れているのだ。
W杯に間に合うかどうかは微妙。
高原に関してはほとんど無理だろうと
トルシエも発言している。
(相手チームの情報収集を意識した嘘かもしれないが)

● ● ● ● ●

そんな状況で、
今日の深夜、日本代表はノルウェーとテストマッチを行う。
1日早く、WWE6でシミュレーションしてみよう。

【WWE6 シミュレーション 3】

先発メンバーはこんな風にしてみた。

    鈴木     柳沢

      中田(英)

小野            市川

     稲本   戸田

  中田(浩) 宮本  松田

        川口

いろいろと意見はあるだろうが、
これが今の日本代表のスタンダードと言える。
実際は松田と川口がケガをしているので
中澤と曽ヶ端(もしくは楢崎)が入るかもしれない。

もうフォワードは鈴木と柳沢に任せるしかない。
そういうところまで日本は来ているのだ。

もうひとり、久保というフィジカルの強い選手もいる。
しかし、所属するサンフレッチェ広島では大活躍しているが、
日本代表ではいい結果を残していないというのが実状だ。

このシミュレーションでは、
前半、日本が押し気味に進めるも得点には至らず、
後半14分、小野からのセンタリングを柳沢がヘッドで決めて先制した。

その後、疲れが見えはじめ、
フリーで放ったシュートも外した柳沢に代えて久保を投入。
守備がために市川を波戸に代えて1ー0で試合を終えた。

……なんてリアルな展開。

サイド攻撃は有効に発揮できたが、
ポストプレーを活かして中田を活躍させるまでには至らなかった。

高原、西澤だけでなく、
日本代表は守備の要、森岡もケガで欠いている。
(森岡はナビスコカップで復帰したが
 以前のような力強いプレーは見せられないまま)

名波もジュビロでは試合に出ているが、
日本代表には復帰していない。

イングランドのスーパースター、ベッカムが
先日、骨折をしてW杯で本来のプレーができるか
心配されているが、
ベストメンバーで臨めないのは
日本代表も同じなのである。

さて、今夜の試合、
日本はノルウェーに勝てるのだろうか?

(今日の名言)

  フットボールは美しい時計に似ている。
  部品がひとつ欠けても時計は美しいままだが、
  前と同じようには動かない。

          ルート・グーリット






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