タイトル■とるしえの実験室
     
〜怒濤のワールドウイニングイレブン6はW杯の夢を見る、のか?〜
書き手 ■
ロビー田中

サッカーのコンテンツです。このコラムでは
「ワールドウィニングイレブン6」というゲ
ームを使ってシミュレーションしながら日本
代表の戦い方を占ってみたりします。またサ
ッカーに関するいろいろな投稿も募集してい
ます。いろいろの人の参加、お待ちしてます!


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第9回「歴史の階段は一歩ずつ上がるもの」

日本の初戦、対ベルギー戦は
ご存じのように2対2の引き分けでした。
試合経過は皆さんTVでご覧になったと思うので、
埼玉スタジアムの様子を報告します。

警備が厳しいので入場の際は混乱するかも、
という報道がなされていたので、
3時過ぎにはスタジアムに着けるよう、
家を出ました。

都心には出ず、
武蔵野線を利用して東川口まで行き、
そこから埼玉高速鉄道に乗り換えて
浦和美園駅まで行ったので、
電車はほとんど混みませんでした。

浦和美園駅からスタジアムまでは
徒歩15分くらいなんですが、
ここも混乱はなし。

途中でどこかの団体が
日本太鼓の演奏とかをしていて、
外国人サポーターがビデオを回したりしていました。

入場ゲートをくぐる時は
さずがに30分くらい待たされました。
ペットボトルの持ち込み禁止は分かるんですが、
密封された紙パックまでダメだったんですね。

スタジアム内の売店は込んでいると思って
紙パックの飲み物を買って持っていたので
バッグの奥に仕舞い、タオルに包んでみました(笑)

自分の番が来て
バッグの中身も確かめられましたが、無事通過。
大丈夫なのかなあ、こんな警備で、
と思いながら中へ入ると、
売店がたくさんあってすぐに飲み物も買える始末。
やれやれって感じでした。

入場してすぐはまだ半分ぐらいだった客席も
5時くらいになるとほぼ埋まりました。
本来はベルギー応援席になるはずのゴール裏も
5〜6グループのベルギー人がいるだけで
あとはみんなブルーのユニフォームを着た日本サポーターです。

普通だったら危険極まりない状況なんですが、
そこは日本。
ベルギー人をタコ殴りにすることなく、
最後まで平和に自らのチームを応援していたようです。

それでもベルギーチームが試合前の練習で
ピッチに姿を現した時はいっせいに大ブーイング!
お前らにラクにプレーはさせない、
という意思表示が早くもスタンドから浴びせられます。

その後、日本チームが練習に現れたあたりから
スタジアム全体のムードも上がり始め、
試合前の国歌斉唱では緊張感すら漂い始めました。

そして試合が始まり、
ご存じのように後半12分、ベルギーが先制。
その直後は、やっぱりダメなのか、
という雰囲気が確かに流れたと思います。

しかし、すぐにニッポンコール!
私も、同点にする力はある、と思っていたので
必死に応援しました。
ええ、しましたとも。

すると2分後に鈴木のゴールで同点!
スタジアムが異様な雰囲気に包まれます。
酸素が足りなくなりましたね、一瞬。
それくらい盛り上がりました。

ただ、私が驚いてしまったのが、
そのさらに8分後、日本が逆転した時です。
ゴールそのものがすばらしかった、
ということもあるんですが、
何が起きているのか、
一瞬分からなくなっちゃったんですね。

みんな一斉に飛び上がって歓声を上げてるんですよ。
でも、頭の中でそのことがうまく理解できない。

日本選手には経験が足りない、
という言い方をよくしますが、
この時、初めて我々観客にも経験が足りないんだな、
と実感しました。

ワールドカップという舞台で
ヨーロッパのチームに先制されたのに
たった10分間で逆転したシーンが
目の前で繰り広げられているんです。
そんなこと、一度も経験したことないんです。
たとえどんなに古いサッカーファンでも。

「あるある大辞典」風に言うと、
脳の中で記憶の整理をしている海馬へお伺いをたてたのに
そんなこと知らん、と言われた感じですね。

で、5秒くらいたってから涙が出てきました。
必至でこらえましたけどね。男の子だし。
でも、ひとりでテレビを見ていたら
きっと号泣したと思います。
それくらい情緒不安定になりました。

強引な結論を言ってしまうと、
そういったことが同点にされた理由だと思います。

せめてピッチの上にいる11人が
全員、中田や小野のように
タフな外国のリーグで揉まれていれば
もう少し応用が効いたかもしれません。

Jリーグでもプレーしていた
ユーゴスラビアの英雄、ストイコビッチは
こんなふうに言ってます。

「残念なのは後半22分に2−1とリードした後、
 プレーを急ぎすぎたことだ。
 あそこは一度ボールを落ち着かせるべきだった。
 イタリアなどの強豪国だったら、
 先行した後は相手のあせりを増幅させるため、
 一呼吸おいて悠々自適にボールを回す。
 バタバタしたままの日本は反対につけ込まれ、
 同点にされてしまった」

稲本のゴールで逆転した時、
日本は間違いなく、階段を一段上がりました。
しかし、残りの23分間を耐えるには
もうひとつ階段を上がらなければいけないのです。
選手も、そして我々も。

あの幻の3点目は、
確かに微妙な判定でした。
でも、もうひとつ階段を上がってこなければ
あの3点目は認めてあげない、と
サッカーの神様に言われたような気がします。

階段は上ったり下りたりするものですが、
未知の階段を上る時は、
いつだって一段ずつなんですね、きっと。

● ● ● ● ●

さて、いよいよ明日は注目のロシア戦です。
またWWE6でシミュレーションしてみましょう。

ベルギー戦はGK以外、スタメンは当たりましたね。
順番は逆でしたが、ヴィルモッツと鈴木の得点も正解。
引き分けという結果もシミュレーション通りでした。

では、当たって欲しいような、当たって欲しくないような
日本VSロシア戦です。

【WWE6 シミュレーション 9】

ベルギー戦のバランスは悪くなかったので
システムをいじってくることはないと思います。

問題はケガで途中退場した森岡が出られるかどうか。
金曜日の練習は普通にしたようなので、
ここは森岡を使ってみます。

代えるとしたらGKかもしれません。
ベルギー戦の2失点は楢崎の責任ではありませんが、
ここでは大試合では神がかり的なプレーをする
川口を使ってみたいと思います。

    鈴木     柳沢

      中田(英)

小野            市川

     稲本   戸田

  中田(浩) 森岡  松田

        川口

立ち上がり5分、
右サイドに出たボールを市川が大きくサイドチェンジ。
小野がダイレクトで鈴木にはたくと、
そのままディフェンスを押さえてシュート!先制!
鈴木が2試合連続ゴールです!

このまま一気に行け!
というところだったんですが、
前半19分、右サイドをカルピンに破られ、
きれいなセンタリングをチトフにヘッドで決められてしまいます。

…またか、という雰囲気(個人的に)。
前半はそのまま一進一退の攻防ですが、
後半、明らかに動きが止まったロシアに対して
日本が攻めまくります。

とくに59分、82分は決定的なチャンス。
ところが決められません、鈴木が。

結局、このまま1対1のドロー。
2試合の合計で勝ち点2に留まりました。
う〜ん。

このグループの第3戦、
ベルギーはチュニジアに勝つ可能性が高いので、
もし日本がロシアに負けると

 ロシア   6
 ベルギー  4
 日本    1
 チュニジア 0

という勝ち点になって、
ロシアの決勝トーナメント進出が決まり、
日本の自力でのトーナメント進出がなくなります。

仮に第3戦、日本がチュニジアに勝っても
ベルギーがロシアに負けなくては勝ち点で並べないからです。
その上での得失点差争いになるので、
ロシアに頑張って貰わない限り、
日本はトーナメントに進めません。

でも日本がロシアに最低でも引き分けたら

 ロシア   4
 ベルギー  4
 日本    2
 チュニジア 0

となり、自力でトーナメント進出を狙えます。
日本がチュニジアに勝った場合、
ロシア、ベルギーに勝敗がつけば
勝った方が1位、日本が2位。
引き分けなら3チームが勝ち点5で並び、
チュニジアからたくさん点を取ったチームが
得失点差で優位に立てます。

簡単に言うと、日本はロシア戦、
勝てばチュニジア戦は引き分けでも良し。
引き分けたらチュニジアにたくさん点を取って勝てば良し。
負けたらロシア頼み、という感じです。
現時点では。

さあ、勝てるでしょうか?

地上波での放送は、
フル代表戦、16勝5分け2敗、
勝率89%を誇るフジテレビ系で
午後8時からです。

(今日の名言)

  美しいフットボールをやって負けるより、
  醜いフットボールでも勝ちたい。

           マリオ・ザガロ






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