タイトル■とるしえの実験室
     
〜怒濤のワールドウイニングイレブン6はW杯の夢を見る、のか?〜
書き手 ■
ロビー田中

サッカーのコンテンツです。このコラムでは
「ワールドウィニングイレブン6」というゲ
ームを使ってシミュレーションしながら日本
代表の戦い方を占ってみたりします。またサ
ッカーに関するいろいろな投稿も募集してい
ます。いろいろの人の参加、お待ちしてます!


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第12回「日本の挑戦は終わり、韓国の冒険は続く」


日本の2度目のW杯は
ベスト16という成績で終わりました。

初出場だった前回は
0勝3敗、得点1、失点4。
それに対して今回は
2勝1敗1引き分け、得点5、失点3。
上出来じゃないでしょうか。

トルコ戦終了後は、
多少、感傷的な気分にもなりましたが、
その後の韓国VSイタリア戦を見て、
すべてが吹っ切れました。

日本はよく組織された魅力的なチームで、
トルコ戦も勝つチャンスは十分にありましたが
ベスト8に見合うチームではなかったと今は思います。

狼男氏が言うように
技術的にもメンタルの面においても
すべて日本は韓国に劣っていました。
韓国がベスト8に進み
日本がベスト16で終わったのは
当然の結果でしょう。

とくに韓国のあの精神力、国力は、
もう2度と日本には芽生えないものではないか、
とすら思ってしまいました。

では、永遠に日本は韓国に勝てないのか、
というと、そんなことはないと思います。
むしろ、日本が目指すべき方向がハッキリしたような感じがします。

● ● ● ● ●

トルシエは最後までバランスを崩すことを嫌いました。
すべての約束事を捨て、
個人の精神力だけで相手と戦っていく闘争心は
もう日本人にないことを見抜いていたのかもしれません。

それに対して、韓国を率いたヒディング監督は
韓国人の精神力を最後のよりどころにしたような感じです。

イタリア戦、最終的にピッチに残った韓国のメンバーは、登録上、
ゴールキーパー1人、
ディフェンダー1人、
ミッドフィルダー4人、
フォワード5人でした。

システムで論じれば
これはW杯が始まった1930年代の戦い方です。
(厳密に言うと、当時は2ー3ー5が主流だった)
でも、「絶対に点を取ってこい!」という
ベンチからのメッセージは、
ピッチの選手とスタジアムに伝わり、
その想いはあのイタリアをも地獄に突き落とす力になったのです。
(まあ、ちょっとレフェリーに手伝ってもらったところはありますが…笑)

1966年、W杯イングランド大会の1次リーグで
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が
優勝候補のイタリアを破った時は、
世紀のアップセット(番狂わせ)と言われ、
帰国したイタリア選手は
空港でサポーターからトマトを投げつけられました。

でも、今回は、
アップセットと言えないくらい
韓国がイタリアを圧倒していたと思います。
精神力だけでなく、技術的にも
韓国はイタリアに負けていませんでした。
少なくとも今回の試合においては。

終わってみれば、
韓国が勝つべくして勝ったのではないかと思います。

● ● ● ● ●

さて、そこで日本の進むべき道ですが、
あくまでもクールに
組織で戦うというやり方は、
決して間違ってないと思います。

ただ、そこまでクールに戦うには
技術がまだまだ足りなかった。
トルコ戦、圧倒的に攻めながらも
得点を挙げられなかったのは
結局のところ基礎的な技術の問題だと思います。

正確にトラップし、
正確にパスを出し、
正確にシュートする。

決して本来の調子ではなかったのに
この点で基準をクリアしていたのは
やっぱり中田と小野だけではなかったでしょうか。

2人が海外のリーグで実績を残しているため、
他の選手も海外で経験を積むことが最重要課題、
というような論調になりがちですが、
そもそも彼らが海外で活躍できたのは
基礎技術があったからです。

基礎技術を磨かずに海外を夢見るのは本末転倒です。
たとえ海外に進出できなくても
たとえ海外で出場機会に恵まれなくても
多くの日本人選手が地道に基礎技術を磨けば
そこに日本の将来はあると思います。

最新型の戦術を監督が持ち込んでも
それをマスターする能力は日本にあると思いますしね。
なんだかんだ言っても、日本人は勤勉ですから(笑)

カリスマのような選手がいなくても
クオリティーの高い選手を量産する。
なんか、日本の電化製品みたいでいいじゃないですか。

そしてどこかで新しい戦術が生み出されたら
あっという間にそれをマスターしてしまう。

いつまでも侍がいた頃の日本を懐かしむのではなくて、
戦後、日本が歩んできた現実を
サッカーの世界でも示せばいいんです。
その方向性を
リアリストのトルシエは示したのではないでしょうか。

というか、否が応でも
その国の文化がサッカーに反映されてしまうことを
トルシエが一番よく知っていたのかもしれませんね。

「いや、日本人にはまだ侍の精神が残っている。
 大和魂が残っている、
 韓国と同じような戦い方をすれば日本も勝っていた」
と思っている人もいるでしょう。

それもまた現代の日本人らしい考え方、
と言えるかもしれません。
ただ、とっくに経済が破綻しているのに
まだ大丈夫と言っている
政治家みたいな気がしないでもありませんが…(笑)

次の監督が誰になるのかまだ分かりませんが、
どういう戦い方を日本代表チームに求めるのか、
今からちょっと楽しみです。

● ● ● ● ●

さてさて、今日からはいよいよベスト8が激突。
韓国VSスペイン戦も楽しみですが、
とりあえずは今日のイングランドVSブラジル戦でしょう。
優勝チームを左右するかもしれない大一番です。

ということで、頼まれもしないのに
イングランドVSブラジル戦をシミュレーション!

【WWE6 シミュレーション 12】

まずは私がイングランドを操作して戦ってみたところ、
前半21分にカウンターから抜け出したオーウェンが
ブラジルのディフェンス陣をぶち抜き、
強烈なシュートを決めて先制!

後半22分にはベッカムのコーナーキックを
ヘスキーが頭で決めて2点目。

後半40分、リバウドにフリーキックを
直接たたき込まれて2ー1となり、
ブラジルが追いつくか、と思われたんですが、
終了間際にブラジルがオウンゴールという大失態を犯し、
結局、3ー1でイングランドが勝ちました。

次に私がブラジルを操作してみると、
ボール支配率はブラジルが高かったものの、
決定的なチャンスはむしろイングランドの方が多く、
なかなか得点が取れません。

そうこうしているうちに90分が終了。
延長戦でも決着がつかず、
PK戦5ー3でかろうじてブラジルが勝ちました。

うーん、イングランド有利かも。

(今日の名言)

  成功は確かに喜ばしい。
  しかし勝った試合に浮かれているだけでは
  何かを成し遂げたとは言えない。
  名誉のためだけの勝利に価値はないが、
  全力を尽くしたなら敗戦をなんら恥じることはない。
  フットボールはロマンであり、
  ミステリーであり、詩にも似ている。
  だからこそ世界で最も愛される永遠のスポーツなのだ。

                マット・バスビー






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