タイトル■特集：∀〜新しい夜明ケ〜
書き手 ■中村孝太郎
1999年春から2000年にかけての約１年間、
「∀ガンダム」というアニメーション作品が
ひっそりと放送された。それは「まったくガ
ンダムらしくない、まったく新しいガンダム」
だった。我々はかつてない感動を味わった。
そして今年2002年、待望の映画化！2月9日
から劇場版∀ガンダム「地球光」「月光蝶」と
いう２本の映画が同時公開される。
だが一般的にはあまり知られていないこの作品。
正直、観客動員が非常に心配…。ということも
あり、我々は勝手に立ち上がったのだった！
「一人でもいい！この機会に多くの人に見てほ
しい！」そんな願いを込めて。
ちなみに「∀」は「ターンエー」と読みます。
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■ ∀ガンダムの予備知識 ■
∀ガンダム学習帳：監督編
富野由悠季の黒歴史 （その7・復活編）
さて、心身共にかなりヤバい状態になっていた富野氏は
しばらく燻っていました。
ちょうどファンも本人も感じていた事がありました。
「このまま逝ってしまうんじゃないか？」
何とも物騒な考えですが、洒落になってなかったのですよ。
こちらが不吉な考えに取り付かれている一方
世間では、とあるアニメが始まりました。
「江盤下理怨」という作品です。
（自主規制によって族語にしてあります）
人間の内面を描いた作風と、散りばめられた謎が話題を集めました。
制作サイドは当然、計算して作っているのですが・・・
私としては単純に見るだけで楽しい作品だったのですが
「どーでもいい謎が作品のキモ」とすっかり楽しく勘違いした輩が
続出してくれたお陰でしょうか、遂には映画化されて
一種の社会現象にまで発展しました。
「江盤下理怨」を語る上でしょうが、ここで「イデオン」が
比較対照として取り上げられたりしました。
さて、この現象を知った富野氏は「ピクッ！」と反応します。
「これ以上、病人を増やす様な作品はイカん！」
自分が病人のせいでしょうが、富野氏はこの現象に
敏感に反応して、反発心を持ったのです。
ここに追い討ちをかける事態が起こってしまいました。
「喪野乃毛姫」と言う国民的に知られるアノ監督のアニメ映画です。
（再び自主規制での族語です）
こちらもどーいう訳か全世界に公開されてしまい大ヒットしました。
追い討ちをかけられた富野氏はコレにも反発しました。
「何かが違う・・・・」
「喪野乃毛姫」のキャッチコピーは某コピーライター氏の書いた
「生きろ。」でしたね。
「ピクピクッ！！」っと富野氏は憤慨しました。
「頼まれなくても生きてやる！！」
ここまでくれば、もう拗ねて尖がってる場合ではありません。
「病は気から」ではないですが
富野氏の体調は回復に向かって行きました。
一時期は「死」と後ろ向きに向きあっていた富野氏ではありません。
すっかりブチ切れ・・・もとい、吹っ切れた富野氏は久しぶりに
現場に復帰する決意を固めました。
その頃、会社に珍しいお客がやって来たのです。
「ウチの売りとして、オリジナルアニメを放送したい」
やって来たお客とは「ＷＯＷＯＷ」だったのです。
民放の衛星放送では初の試みでしたからね・・・。
「富野さん、ガンダムじゃなくていいから
何か新しいロボット物作ってね！楽しみにしてるからさぁ〜！」
とにかくお願いされてしまった富野氏ですが
「エルガイム」以降１４年ぶりのオリジナル作品ですから
がぜん張り切りました。
富野氏は以前から暖めていたアイデアを膨らませていきました。
「ロボット」の様でもあり、「生物」のようでもある、
「馬」のような全く新しいロボット・・・・
「ブレンパワード」 １９９８年 全２６話
今までの富野作品とはひと味違った作風でした。
富野氏の主張が込められながらも、いい意味で肩の力が
抜けた結果でしょう。
今回はスタッフにも実に恵まれました。
中でも優秀な女性スタッフにめぐり合えた事が
富野氏には良かったのでしょうね。
放送媒体の問題もあったので、それ程話題には
ならなかったのですが、富野氏は久々に満足の出来る
作品を作れた、と後に語っています。
内向的な作品を好む、暗黒空間に浸かった輩には
イマイチ不評だったようですが、
そういう後ろ向きな人達は放っておきましょう。
「ブレンパワード」は今までロボット物を見てなかった人や
ロクにアニメを見ていなかった人達に好評を得ました。
そして、今までの富野ファンからも
「こうゆう作品を見たかったんだ！！」と
賞賛を得たのでした。
しかし、富野氏は仮想敵（ライバル）がいると
必要以上に頑張る人ですよね、ホント・・・。
では、また次回・・・・
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