タイトル■雪と先生 〜ある豪雪の村より〜
書き手 ■市川先生

市川先生は、信州の山奥にある小学校に勤務して
います。とんでもなく雪が降るこの村。そんな豪
雪地帯での生活とは一体どんなものなのでしょう?
このコラムでは、異次元空間のような雪国におけ
る先生達の活躍を中心に、雪と暮らす人々の様子
を伝えてもらいます。今回はその番外編!(?)

>これまでの「雪と先生」


番外編 ● 処女的体験☆はじめての「10月の雪」

いやぁ、またまた久しぶりです。

さて、今日の「狼男のメモ」を見たんですが
俺の恐怖体験(?)を聞いてくれ〜

実は、うちの信州某地方は
昨日、大雪だったのよ!!

例年の感覚だと、雪が舞うのが11月初旬、
うっすら積もるのが11月中旬過ぎ。
道路に積もって車が滑るから危なくなるのが11月下旬。
まぁ、今年も例年通りだろうと踏んでいた最近。

ところが
10月の雪。

実は俺は、前の晩から
大変な降りになっていることを知っていたので、
あっさりあきらめて電車通勤しようと心に決め、
翌朝、6:30頃に起きて、
7時前に家を出て駅に向かいました。

ところが、電車に乗ると
「線路上に倒木があるため、
 この駅でしばらく停まります」

なんていうアナウンス。

…嘘でしょ?もう遅刻じゃん??
いずれにしても、タイヤを替えて出勤ということになると
電車より遅くなるだろう…と思い、そのまま電車に留まることにした。

7:30頃になって、約1時間遅れで出発できそうだというアナウンス…
電車内の一同ともどもほっとしたものの、
その時刻になって「別の場所で倒木が…」というじゃないか!!

もうこうなりゃ自棄だと思い、とことん遅刻しようとした。
ところが、…
「このまま、当駅で運転をうち切ります」

なにーーぃぃ?
何だったんだこの1時間。
雪はしんしんと降り積もり、15センチくらい。
びしょ濡れになりながら
また早朝発った家に戻る。

仕方ない、タイヤを替えて行こう…と思ったら
隣の暇そうな住人が狭いコンクリートスペースに車を持ち込んでタイヤ交換中。
しかも、俺のタイヤの上にいろいろ荷物を載せて…

これではタイヤ交換もできない。
ええい仕方ない。行けるところまで行ったれぇ…
こうなると自暴自棄。

隣の住人が俺のタイヤの上から彼の物を持ち出した僅かな隙をねらって
自分のタイヤであることを主張し、タイヤカバーをとった。
それから彼の車の前に我が車を移動し、スタッドレスタイヤを積み込んだ。
で、あとはおもむろに公道へ…

除雪車がまだ出ていないとおぼしき雪路を、
無謀にもノーマルタイヤで走り出した。
当然ブレーキをかけりゃ滑る滑る。

前後とも100mの車間距離をしっかり保ち、
のそのそと車を走らせた。
普段は70から80キロで流れる道を
速度は30から40キロ。
冬タイヤをはいた車ならそれでも50キロくらいで走れる状況だったと思う。

社会の迷惑走行で、どうにか着いたのは9:30。
実に2時間半をかけての通勤。
それだけで疲れた1日だった。

10月の大雪は、
人間社会はおろか、山々の木々にとっても
びっくり仰天であったようだ。

一夜明けて山々は
紅葉の赤や黄色に雪の白という、
これまで見たことのないコントラスト。

珍しいことだから明日の朝にでも写真に撮って見ようかとおもひたつ。
ほんとに…撮るだろうかなぁ? 

(翌朝、撮った写真。ホント真っ白になったんだけど、だいぶ溶けました)

それにしても中学生は元気だった。

電車通学の中学生は
反対側のホームで、降りしきる雪の中、
雪を蹴ったり投げたりしていた。
待合室で暖まろうとかいう発想は彼らにはなかったようだ。

あと、高校生は携帯電話をうまくつかっちょると思った。
写メールで外の景色を南から来る友達に送ってコミュニケーションしていたり
先生に電話して公欠をおねだりしていたりした。

ここぞとばかり、テスト勉強?に精を出す子もいた。
真冬になればしばしばこういうことがあるのだろう。
時間の使い方もうまかったし、落ち着いていた。
騒いでおるのは
高校1年生くらいだったみたい。

ぼーっと座っておるばかりで
何もしなかった自分とは違った。

大したものだと眺めていたから
もしかしたらスケベなおっさんと思われていたかもしれない。

ま、お互い風邪をひかないように
気をつけましょう。
ということで、勢いだけで打ちました。
では…






[市川先生の自己紹介]

[トップへ]