」現在の進行状況<30>
20世紀は終わった・21世紀が始まっている


12月08日(土)

K-1グランプリ決勝戦をテレビで見る。

こたつに入って見ていたら
「ああ、もう年末なんだなぁ…」
という実感が突然おしよせてきた。

有馬記念や最強タッグのように
K-1決勝トーナメントも
いつのまにやら
季節の風物詩として
生活の一部になっていたようだ。

優勝大本命のバンナが
いきなり1回戦で
初出場のマーク・ハントに破れる!

ハント、めちゃめちゃカッコよかった!
シビレたよ!

バンナを挑発してみせておいて、
見事にKO! …男だねぇ。

ビバ!サモアの怪人!

しかも、フィリオを破って初優勝!

2年前まで1試合のギャラが
5万円だったという無名な男が
いきなり100万ドルを獲得!
一夜にして「世界一」の称号を獲得!

実に夢のあるいい話だった。

これまた初出場の
イグナショフも良かったし、
K-1は見事に21世紀的な世界に
シフトした。
大したもんだ。

20世紀的なものは
もはや時代に「NO!」と言われている。

確かにあのテロ事件から
21世紀は始まっているのだ。

その証拠に
バンナにもアーツにもフィリョにも
まるで輝きを感じられなかった。

ただ今まで嫌いだった
ホーストだけは
いい意味で旧時代な
傑出したプライドの高さ、
内館牧子風に言うならば
「ホーストは美しい」
と思える「格」を感じた。
初めて興味をおぼえた。

「格」は滅びゆく20世紀の象徴であり、
やがては失われる“美”だ。

同じく「誇り高き“格”の男」
高田延彦との一戦を猛烈に見たくなった。

おそらくまるで噛みあわないこの試合は
高田vsミルコ以上に
ブーイングを浴びる試合になるだろう。
しかし、ふたつの「格」が火花を散らす、
「最高に美しい試合」になる確信がある。

この試合が、20世紀の最終回だ。
そして、永遠に記憶に残る
「文化遺産」になるはず。

誰か気づいて実現させてほしい!

…ワインで酔った頭でそんなことを
考えていた。

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