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アフリカからのメール/ニューヨークでの電話

もともと僕はホームページを作ることに、
それほど興味がなかった。

ドがつく機械音痴だから。
それが大きな理由のひとつだ。
恥ずかしい話だが、
テレビとビデオの接続でさえ自信がないくらいだ。
いわんやパソコンをや!である。

今では仕事の関係上、
メールを日常的に送るし、
簡単な作業はできるようになったものの、
ほんの数年前までワープロすら打てなかった。

常に手汗をにじませ、
原稿と手を真っ黒にしながら
(重度の手汗体質なのだ)
手書きで仕事していた。
正式な書類っぽいものを作成しなきゃいけない時は、
「めしおごるから、おねがいします!」
とか言って、打てる人にお願いしていた。

で、ウェブマガジンを作る!
なんていってる今も、ダウンロードとか
インストールとかの基本的と思われる
言葉の意味すら、実はよくわかってない。
超基本から教えてもらって
やっとこのページはできているわけです。
でも進歩したもんだ。
人類が初めて二足歩行できるようになった
感動に匹敵するするね!(しない?)

数年前くらいだろうか。
友人たちが続々ホームページを作るようになった。
「やってみたらどう?」
と言う友人もいたが、そんな気はしなかった。
コンピュータが苦手だったからだけではなかった。
当時はまだ会社に所属し
編集部で仕事をしていたので、
個人的な創作欲求的なものは満たされていたし、
そこまでしてやりたいこともなかったのだ。

ただインターネットというものは
スゲエ発明だなぁ、とは思っていた。
そう思うようになったのは
1通のメールがきっかけだった。

ある日、約10年ほどつきあいのなかった
高校の後輩から突然メールが届いた。
「この指とまれ」という同窓生発見サイトで
僕の名前を見つけ、送ってきたのだと書いてある。

それだけでも驚いたのだが、
なんとそのメールは
アフリカから送られきたものだった。
「いまアフリカ大使館で働いてるんです」
ええええっ!?
いっちゃ悪いが、僕同様にろくに勉強もせず、
タバコや酒ばっかり飲んでた奴である。
あいつがなぜアフリカ大使館なんかに!?

そのことにも驚きつつ、
「毎日ゾウやキリンを見てます」
という今の自分とかけ離れた生活を
していることにも驚く。
しかし、何より驚いたのは、そんな彼と
リアルタイムでやりとりできるという事実である。
インターネットってのはスゲエなぁ!
そうリアルに実感した

パソコンとメールアドレスさえあれば
世界中の誰とでも、つながることができる。
しかも電話よりずっとラクに。
それをつくづく思い知らされたのは、
ニューヨークに行った時のことだ。

今年の春に知り合いのカメラマンが
新天地を求めてニューヨークに旅立った。
一度は行ってみたい街だったので、
「この機会に」
と僕もマンハッタン見物にでかけた。
行く前からメールでいろいろやりとりし、
またまた「インターネットはスゲエなぁ」と
思っていたのだが、現地での連絡は電話になる。

ところが彼が住んでいるのは寮だった。
電話するとまず電話番の人がでる。
もちろん外国人である。
いうまでもなく英語で話す。
僕は英語もダメだった。
必死の思いで、名前やルームナンバーを伝えた。
だが、相手が何を言っているのか
さっぱり理解できなかった。
質問に答えられない。
結局、とりついでもらえなかった。

またブルックリンに知り合いの妹さんがいるので、
「せっかくだから会ってみよう」
と、そこにも電話してみた。
不在らしく留守電だったのだが、
その留守電メッセージもまた英語なのだ!
まあ当たり前のことなんだが…
ここでも英語留守電サービスにビビってしまい、
何もメッセージを残せず、結果会えなかった。

なんだか情けないが、
メールのやりとりならダイレクトに
世界のどこにいても日本語で
会話できるのだ。
そのありがたみを痛感した。

そのようにして
インターネットは20世紀最大の発明だなぁ!
とまでに思うようになったのだが、
ホームページを作るという発想には
まだ至らなかった。

しかしながら
なかなかウェブマガジンを作ろうとする動機に
たどりつかないのである。
腹もへったし、
今回はここまで!
つづきはまた次回にしてしまおう。

今回は完全にひとりごとで終わってしまった。
まあ、いいよね。
(…って、俺は誰に話しかけるんだろう?)

               (つづく)

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