」」」 長い前書き<O9> 」」」
大人の放課後活動


スカウト活動の果てしない旅(?)
はまだまだ続くのである。

季節はまだ秋の始め。
前回の続きです。

「プロのライターさんは難しいだろう」
ギャラが払えない関係上、
最初からそう考えていたわけだけど、
とりあえず声をかけようと思っていた
プロのライターさんがいた。
ロビー田中さんという人である。

この人はドラマが好きで、
放映している全ドラマを全話見るという
偉業をずーーっと成し遂げ続けてる人なのだ。
これってスゴいと思いません?

ちなみに僕も今クールは結構がんばっていて
「アンティーク」(でも今週はビデオ録らず)
「さよなら小津先生」(毎回、目から水が…)
「水曜日の情事」(とんでもない展開になってきた…!)
「ハンドク!!!」(面白さ上等!!! めめめめぐみちゃん!)
「最後の家族」(暗い…、が結構スキ。ヒデキにイラつく!)
「スタアの恋」(いい!ヒカル子もいいが、ハセキョーがんばれ!)
の計6本、毎週見ている。
それに加えて、再放送が始まった
「ラブコンプレックス」ももちろん見ている。

もちろんリアルタイムでは
なかなか見られないので、
ビデオに録って週末にまとめて見るんだけど、
けっこう大変な作業だ。
それだけで1日終わってしまう。

これが、放送しているドラマを
全部見るとなるとどうなるのか?
何本やってるのか知らないけど、
…もはや想像を越えている。

忙しい人にもかかわらず
それを何年間にも渡って続けている
ロビー田中さんという人は
まさに驚異としか言いようがないのだ!

ロビーさんは「フロム・エー関東版」に
「連ドラ生活」という
ドラマのコラムを書いている人なんだけど、
シゴトとしてではなく
本当にドラマを愛している人で
頭が下がる。

で、このウェブマガジンを
考えるにあたって、
「ドラマ」というコンテンツは
ぜひとも入れたかった。

僕もドラマは好きだし、
ロビーさんのコラムのファンでもあるからだが、
人気獲得のためでもあった。

僕自身がどっちかというと
マイナー路線の人間なので、
メジャーなネタのコラムを誰かに
書いてほしかったのだ。

けど「書いてほしい」
とは言いにくかったので、
対談形式でいこう!と考えていた。
ロビーさんと話をし、
それを僕が文章にまとめる。
このくらいなら、お願いしやすいし
OKしてくれそうだ。

ある日、勇気をふりしぼって電話してみた。
すると…

「それ、ボクが書くんじゃダメかなぁ?」

ななななななな、なに〜!?
そりゃ願ったりですけど、
いいんスか?

ドラマは速報性が大事なんだけど、
雑誌連載だとどうしてもタイムラグができてしまう、
だから実は自分でもホームページを作って
毎日でも書こうかなと思っていたんだけど、
ホームページ作るのもなかなかめんどくさくて…
それをそのウェブマガジンでできるなら
ありがたいんだけど…どう?

…なあ〜んて、おっしゃる!
もちろん大歓迎に決まってるじゃないですか!!!

というわけで、ロビー田中さんも参加決定!
しかも、できれば毎日更新だって。最高!!

しかし、プロのライターさんでも
やっぱり同じようなこと考えているんだなぁ、
…そういえば俺も一応プロか。
となると、もっと誘える人は増やせるぞ!

ウェブマガジンのスケールは
ぐーんとアップしそうな予感で
いっぱいになったきたのである。

その数日後、
僕はライターさん二人と飲んでいた。
その一人、Oさんが
まず僕のターゲットとなった。

この人はバーチャファイター4に狂っていた。

シゴトをほっぽりだして(?)
毎日何時間もゲーセンに通いつめ、
すでに十数万円は投資しているという
すさまじい熱狂ぶりだった。
しかし若い独身男性というわけではなく、
妻も子供もいる40才だ。
一般的社会人としては逸脱気味?
な行動ではあるものの、
そこまで熱中できるものがあることは
羨ましいことだと思っていた。
またそれほどハマる魅力は何なのか
知りたくもあった。

しかも他のゲームはあまりやらないのに
バーチャだけには狂ってしまうのはなぜか?

そのあたりの謎に迫る意味でも
バーチャについてのコラムを書いてほしかった。
酒もまわってきた頃、
おもむろに切り出してみると…

「バーチャのことなら、
 書きたくてしょうがないっすよ」(軽く)

ある程度、確信はあったものの
あっさり快諾がもらえ
イーヤッホウ!!である。

さらに勢いにのって
もうひとりの女性ライターKさんにも
声をかけると、彼女も快諾!!

彼女はユニークな経歴と趣味を
いくつも持っている人なのだ。
早くもネタがポンポン出てくる。
逆にどれにしようか迷うくらいである。

このようにして
動機に共感してくれそうで、
具体的に企画が思い浮かぶ人には
プロ、アマ問わず
どんどん声をかけていった。

売り出し中のカメラマンNさんには
前から本人がやりたいと言っていた
「ラブホテルをテーマにした写真連載、
 ウェブマガジンでやらない?」

中学の同級生で高校教師をしているCには
「高校の様子をリアルに報告する
 美人教師日記みたいの書いてくれない?」

鳥にハマってるデザイナーHさんには
「トリの魅力を伝える連載どう?」

また企画を自分で考えるのが
好きそうな人には
「とにかくなんかやらない?」

そうすると、
予想外なネタが出てきて面白かった。
たとえばライターJさんからは
こんな企画提案のメールが届いた。

「で、俺も何か…とさっき考えてみたんだけど、
 ズバリ、『自己批判』ものをやりたいなぁ。
 今までに自分が作ってきたものを
 辛辣&痛烈に自己批評したい。
 自分を総括することなしに自分革命は始まらないというか、
 絶望からの帰還というか(中略)
 まあ、本当は誇りに思っているわけで、
 ナルシストの新しい心得としての
 自己批判という感じです(?)。」

自己批判企画、ぜひ読んでみたい。
ナルシストJさんの魅力が
存分に味わえそうである。

また編集者でもあり妻でもあるNからは
「ウニの連載がしたい」
と刺身嫌いとは思えないネタ(まさに)も。

中には「文を書くのは苦手だから…」
という人もいたが、
ほぼ断わられることなく、
参加者人数はどんどん増えていった。

きっとこれは放課後活動なのだ。
大人になり味わえなくなってしまった
あの楽しい放課後活動をもう一度!
みんなそんな気持ちに違いない。

放課後…
うーん甘ずっぱい響き!

普段の生活では発散しきれない
パワーやエネルギーを炸裂させる
放課後活動

新たな世界と出会うための
放課後活動

とにかく楽しむ
放課後活動

そんな
方向性も内容もてんでバラバラな
いろいろな人の
放課後活動の報告を
みんなでしあうことができる
部室だかサ店、
今風に言うなら
カフェ?マック?

このウェブマガジンは
そんな場所になりそうだ。

青春ぽくていいじゃん!

しかも
大人に卒業はない。

だから
この放課後も青春も
死ぬまで続けられるのだ。

…いいじゃん!
           
           (つづく)


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